kenshikuroda.com

  1. ノンジャンル

TOP50第五戦七色ダム がまかつCUP

昨日まで奈良県の七色ダムを舞台に開催されたTOP50第五戦がまかつCUPについて詳細を記していこうと思うのですが、今回は思うことがあり、いつも以上に気合いを入れてフィールドコンディションや選手の動きなどを詳しく書いていこうと思います。
他選手のお名前もお借りするし、トーナメントならではの心の動きも自分を客観視してみたいと思います。
トーナメント好きな方も、そうでない方も試しにご一読頂けましたら幸いです。

プラは夏のような天気が続きました。

私が最初に七色入りしたのは10/6のこと。
大会初日は10/15なので約10日前でした。
そこから3日練習して、2日浜名湖に帰り、再び3日七色。
前日オフリミットを終え15-17でTOP50七色ダム戦は開催されました。
10/6〜13までの一週間はかなり暑い日が続いていました。普通に短パンにラッシュガードがいる陽気。
水温は20〜22℃。大会期間中含めてエリア問わず安定してこの水温でした。

10月といえば秋ですが、実際には秋なのか夏なのかかなり微妙でした。シャローの見えバスも居るけど夏ほど多くはない。でもディープの秋の魚も釣れるけどそれも秋ほどは多くはない。
季節の変わり目と表現するのは簡単ですが、かなり『厄介なタイミング』でもあったと思います。

とはいえ本来であれば遅くても季節は進行し、秋に移行して行くはずだし、供給としては秋の魚の方があるはず。
しかしTOP50トーナメントは『5匹の重量×3日間』なので数を沢山釣る必要はなく、サイズが選べるならば夏の魚でも良い。
ただ一つ多くの選手が感じていたことは例年の春や梅雨時期の開催よりも数が釣りにくいこと。
戦前の予想では『2キロ×2日』で予選通過といった意見が選手間では多数を占めていました。これはキーパー(300g前後)に一匹で良いから700g前後のナイスキーパーを混ぜればいけるウェイト。ビッグバスレイクである七色ダムですが、クリアウォーターでプレッシャーもかかりやすく、いざプレッシャーが蓄積し深場に落ちる秋のタイミングではそんな感じの中試合がスタートします。

ちなみに七色ダムといえば山岡プロです。
結果的に山岡さんの横綱相撲による圧勝で幕を閉じるのですが(実際にはそんなに楽ではなかったはず)、山岡さんですら『秋の七色は釣れないし難しいから辞めよう』と年初から言っていたほどでした。
加えてライブスコープシューティングを得意とする藤田(京弥)プロ、青木(唯)プロと今回マリーナが同じだったのでオフリミット日に『今回はボーナスステージ?』と聞いてみたら(前回桧原湖はこの二人は戦前からボーナスステージと公言していた。実際見事二人とも優勝&表彰台)、『今回はそんな簡単じゃない。5キロとかスーパー理想通りにならないといかない』との返答でした。

そんな中、私がメインにした釣りの一つがヴェインスリム8インチを用いたネコリグ。

私には秋の魚をディープのライトリグで釣り競う選択肢は無いので(笑)、やるとしたら夏の魚を狙うしかない。
そんな中、プラクティスを終えてメインにしたのは2つでした。

・ドライブクローラー4.5を用いたネコリグパワーフィネスでのカバー撃ち(主にチップ浮きゴミ)
・ヴェインスリム8インチネコリグを立木や倒木に落とすパターン(こちらも大別すればパワーフィネス)

一つ目は例年の夏試合で良く使うパターン。これはサイズは選べない(キーパーからMAXでも700gくらい)けどディープに触らなくても数の狙える安定感のあるパターン。
そして二つ目のパターンは今回見付けたパターン。
過去の七色の夏の試合でロングワーム(オリジナルのヴェイン8インチ)で優勝争いをしたことがあるのでもちろん今回も序盤から試しましたが全く反応が無い。ちょこちょこ投げたけど結果ノーバイトでした。
季節的なものなのか『ロングワームは無いな』と判断したんですが、そういえば今シーズン新しくヴェイン8インチにスリム(かなり細い)が出たから試してみようと思いつき、テキサスやフリーリグで使うほどのボリューム感も無いので『ネコリグくらいしか無理だからパワーフィネスタックルに結んでカバー撃ってみるか』と思いダメ元で試した練習後半。
今までが嘘のようにバイトが多発。この瞬間はヤバいの見付けた。勝負できる!とウキウキが止まりませんでした。
買いに行ける釣具屋も無いのでベイトブレスサポートの野村さんにタイミングを見計らって(練習で試されたく無いから練習最終日の夕方)ヴェイン8スリムを分けて欲しい旨を伝えるとまさかの返事が『え?え?』と明らかに挙動不審な返事だったのでお互いに全てを察しました(笑)
と、同時にこれ気付いてる人は俺たちだけじゃないだろ。ともなり楽しみ半分、不安半分で試合を迎えることに。

そして今大会はTOP50第五戦ですが第二戦の延期により実質四戦目。とはいえ後半戦です。
私は上記したように夏の魚を追いかけた勝負パターンを考えていましたが、年間ランキング、特に優勝争いと残留争い(36位ボーダー)の選手には勝負にいくか否かはかなり悩みの多い試合だったと思います。
上流ディープフラットで小さいながらリミットメイクを優先する選手が何人居るのか、中下流やバックウォーターで夏の魚を追いかけて勝負に出る選手が何人居るのか、この二つの比率は試合が始まるまで本当に分かりませんでした。

初日はまさかの3番フライト。

初日のフライトはくじ引きなんですが、私はまさかの3番フライト。
1番は山岡さん、2番は野村さん。
私は迷わず練習でサイズの良かった中流レイダウンからスタート。山岡さん、野村さんは西の川に入っていったので二人とももちろんサイト。勝負組。
どれくらい中下流に夏の魚を狙いに降りてくるんだろうと釣りをしながら待っているも全然降りてこない。20艇くらいかな。
ってことは一部、スタート地点から上流に登った選手がいたとしても、少なくとも半分くらいはフラット絡みに浮いているであろうことは容易に想像出来て(事実そうだった)、この試合がいかに釣れていないかをこの瞬間再確認。
私の試合前に立てたリアルな目標は毎日3キロの3日で9キロ。これでシングルくらいはいけるんじゃないかと思っていました。たぶんこれくらいの予想が多かったはず。
これにラッキーで2キロ、3キロが混ざってくれたらスーパー上出来。
毎日3キロといっても600g×5匹なんてバランス良くはもちろんいかなくて、1キロオーバーを一匹混ぜるか、700g〜800gクラスのナイスキーパーを2匹。それに七色ダムに最も多い300〜400gキーパーがベースになるような感じ。

初日は予定通り1300gフィッシュが入り他はキーパーで3158gで15位スタート。

ただ初日の最中から(練習より)ちょっと釣れてる感じはしていて、目標の3キロには届いたけど実は800gクラスを2回ミスしていてそれがあれば4キロ近かった初日。
初日の予選ボーダー30位は2200gなのでやっぱりちょっと釣れてた気がします。
ただ上流フラットも決してイージーではないような声もチラホラ聞こえていた初日でした。

2日目は2本のキロクラスが入り3764gで単日7位。予選を8位通過。

ちなみに初日、2日目共にキッカーを仕留めたのはヴェインスリム8インチのネコリグ。プラ通りに立木や倒木でキャッチ。
ここまでは戦前の予想通りでした。
予選通過ウェイトも4600gくらいやっぱりこれくらい。
暫定トップの山岡プロだけ異次元だけど周りの釣果も、自分の可能性のあるウェイトもイメージしていた通り。
あとは最終日、減水してカバーがかなり減る。これを如何に乗り切るかが私の課題。
雨もたいして降らない予報。冷え込むけど数時間で水温がガクンと下がることもない。
このまま3日目も番狂わせは少なく、そんな流れだと多くの選手が思っていたと思います。

3日目決勝。一気に30人に減る。

最終日決勝は30人。減水でカバーは減るけど人も減るので多少自由になります。これはかなり重要。
ただ私が激バッティングしていた横山プロ(予選5位)と小林明人プロ(予選22位)は居るので実際は大した自由度はない(汗)
この日も減水は一旦無視して、予選と変えず中流の土砂崩れ倒木からスタートしました。
対岸は篠塚プロが岩盤を流している。

この日、水中が大きく変化しているのを感じたのはこの直後でした。
対岸の篠塚さんが朝の30分で3連発するのを目撃。
しかも遠目に2キロクラスなのも分かる。
絶対何かが変わってる。雨なんか降ってないけどなんか変わってる。

もちろんこの瞬間『似たようなことをするか』は頭を過ぎります。これは誰だってそうだと思う。
対岸とはいえスピニングで掛けてること、だいたいのテンポから嫌でも釣りのジャンルは分かります。
ただ真似をしてすぐに釣れるほど甘くはないし、試合も3日目でプレッシャーもかかってる。しかも釣り自体は大して上手くない私なので真似して釣れる可能性は低い。
基本こういう時は参考にはするけど自分の釣りをする方が私は良いことが多い。今回もその道を選びました。
もちろんガッツリマネする選手もいるし、それ自体はそれで良いと思う。多かれ少なかれ誰かの釣りの影響は皆んな受けてるし、ただ私は『真似しても釣れない』と判断しているだけ。

この日はリミットが揃わず4匹で終了。
ただ三日間で一番他選手が釣るシーンを目撃した。

キロフィッシュと800gが入り四本だけどなんとか2886g。単日15位。

この日朝、目撃した篠塚さんは7キロ近いウェイト。2日目までバッティングしていた小林明人さんも6キロオーバー。
総重量制のTOP50シリーズだからこそだけど二人は表彰台まで駆け上がった。
2人に『今日って何が起きたんですか?意味わかんない』って聞いたら『俺たちも分かんないよ!』って返答でした。トッププロと呼ばれる人たちだって全部が分かるわけじゃない。
ただたぶんだけど『夏の状態の魚が久々に崩れた天気と減水で一時的に一気に喰ったのではないか』というのが大方の予想。
そして使っていたルアーこそ違えど、上位が使っていたのは皆んな揃って『細長いロングワーム』でした。青木くんなんか『オリジナルボウワーム13インチは喰わないけど半分に細くなるように切ったら喰う』とまで言ってた。
何人かは気付いてるとは思っていたけど、このシリーズのレベルを舐めてた。皆んなすごい。

最終日、駆け上がった選手。逆になんとか絞り出したのに落ちた選手(私もだ。)ももちろん居た。
これはなかなか難しくて、なまじ上位の選手ほど動けなかったはず。なんとか最終日を凌ごうとしたはず。私も。
逆に言えば予選20位前後だと上げるしかないから新しいことも試せるのも事実で、必ずしも力だけじゃなくてタイミングもあったと思う。
そんな中、一日も崩さずに他を寄せ付けなかった山岡さんの圧勝は改めて見事でした。おめでとうございます。

個人的にはいつも七色ダム戦は綱渡りで、今回は最終日に渡りきれなかった感じでした。
次戦はすぐ二週間後に弥栄ダム。どんな試合になるでしょう。

今回も多大なサポートを頂いたスポンサーメーカー各社さま。応援してくれた皆さん。結果を気にしてくれた皆さん。ありがとうございました。

と、最後は宣伝です(笑)
こんな感じのマニアックな内容を10月からスタートしたオンラインサロンではをタックルや魚のことを中心に主観、客観視の両面から毎日投稿しております。
宜しければこちらもチェック下さい。

黒田健史の『釣り研究所』

メインタックル

○パワーフィネス 立木倒木用
・M+アクションプロトロッド/シマノ
・コンプレックスXR2500SHG/シマノ
・ピットブルG5 1.2号/シマノ+Vハード3号(リーダー)/サンライン
・ヴェインスリム8インチ/ベイトブレス

○パワーフィネス チップゴミ用
・MHアクションプロトロッド/シマノ
・ツインパワーXDC3000XG/シマノ
・ピットブルG5 1.5号/シマノ+Vハード4号(リーダー)/サンライン
・ドライブクローラー4.5インチ/OSP

魚探&エレキ GPSMAP1222XSV、7410XSV(フロント)、GPSMAP8410XSV(リア)、フォース(エレキ)/ガーミン(G-FISHING)
バッテリー オプティマイエロートップ/オプティマバッテリー(GWインターナショナル)

ノンジャンルの最近記事

  1. キープキャスト

  2. 七色プリプラ中

  3. 釣りフェスティバル2024

  4. 2024年初取材&1091兄弟

  5. 本年もよろしくお願い申し上げます。

関連記事

最近の記事

アーカイブ
PAGE TOP