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TOP50初戦 ゲーリーインターナショナルCUP 七色ダム

昨日まで七色ダムで開催されたJBTOP50初戦についての詳細を書いていこうと思うのですが、今回は『果たしてブログにどう書こうか』というのは試合後半からすでに頭をチラついていました。
コロナ禍以降、TOP50シリーズが再開された2021年(2020年は非開催)以降『より沢山の方に試合の内容や、上位入賞者だけでなく各選手の思惑を伝えたい』という理由から、それまでの自身の試合内容だけでなく『試合全体の流れ』を加えて書いてきました。
正直、私が『論評』するようなことではないのは重々承知していますが、情報の賞味期限が短くなって昨今『誰かがいち早く伝えなければ』と思い書いています。
リアルな内容を理解してもらう為に『どんな季節感、コンディションだったのか』はマストで、どう書くかを悩みましたがリアルだけを伝えていこうと思います。

前置きが長くなりましたが、今大会の試合前に多くの選手の頭を悩ませたのは『スポーニングベッド』だったと思います。
日本ではネストなんて呼ばれる産卵床のことです。
アメリカトーナメントでは当たり前のように報道&公開されるベッドフィッシングですが、日本では倫理的な配慮もあり『スポーニングベッド期には大会開催をしない』という傾向が強いです。
TOP50シリーズ(前身含)では20年以上前にはその期間に開催されることもありましたが、この20年間は4月上旬に初戦が開催されて第二戦は6月に入ってから。
つまり約2ヶ月のインターバルが開きます。
この2ヶ月間を外せばゼロとは言いませんが、極力フィールドに影響を与えることがないため、最大限の配慮としてこのスケジュールが組まれてきました。

ただ今年は皆さん感じているように季節の進行が早く(暖かく)、比較的高地にある七色ダムですら練習序盤(大会一週間前)から14℃を超えていました。
多くはないもののスポーニングに入る前にシャローを彷徨く魚やペアで動く魚が目視出来るようなタイミングに偶然なってしまいました。

2019年同時期、同フィールドで開催されたTOP50では(三原プロの優勝)全くそんな雰囲気ではなく、事実スポーニング最中の魚を釣った選手はゼロだったはず。桜も満開でした。
今回は葉桜どころか、大会時にはゼロ桜でした。

相変わらずの絶景の中練習はスタート!

プラ序盤は上記したベッドは『あるかもな』くらいには考えていましたが、全体の季節感の把握を中心に進めていきます。
水位は満水で、確認すると3月に入ってからずっとこの水位でした。

プラ序盤は強烈な体型の魚も良く釣れました。

2019年時もそうでしたが、大量の稚鮎?の群れが湖随所にありそれを岸・沖関係なく捕食している魚が凄く多くいる印象でした。

この稚鮎の群れをパースペクティブで広く映しながら、フォワードでレンジを探るのがめちゃ効率が良い。白丸が稚鮎の群れ。

この手の魚は最初はサイズ感が似ているものを通すだけで比較的簡単に喰っていましたが、当たり前のように日に日にセレクティブになっていく印象でした。
最終的にはボイルはするんだけどエレキで近付けばすぐに沈むし、似たようなサイズ感のルアーをタイミング良く通してもずっと下で見てるだけ(汗)
すぐに皆んなが気付く魚だけに、一番難しくなったのもこのタイプの魚だったと思います。
もちろん自身にこの魚を倒す自信がある選手はその上で突っ込んでいましたが、私には『やるかもしれない』うちの一つ程度に。

目視出来るレンジにも普通に居ます。

私の中で途中『何発か』だけどビッグサイズを釣ったのがスイムベイトでした。使ったのはイマカツのレイジスイマー。

爆飲みでルアー見えないけど。

この時期(春先)はタイトなハドルテール系は強い。

これを試合でそのまま使うって訳ではないんだけど、良い頭の切り替えになって『変に凝り固まらずに稚鮎サイズに合わせなくても喰うのかな?』と思い、様々なルアーやサイズを試すように。

これはそんな試行錯誤の中でキャッチしたディスタイル・ヴィローラ5インチで立木の中に浮く魚を攻略。ガード付きJHで。

数が釣れるわけではないけどスイムベイト→ルアーサイズに柔軟になれたことでキッカーサイズを狙える方法を一つ追加。
前半ヴィローラ5でやってて、後半は立木に吊るしてもアクションさせやすいフリルドシャッド4.7の方が今回は合ってることに気付く。
手駒が稚鮎パターンと合わせて二つに。

そして最後が『これだけでイケるわ』と思わせてくれた釣り方。

普通にパワーフィネスでの3.5gネコリグなんですが(汗)

3月に入ってからずっと満水ってことでシャローのブッシュやゴミ溜まりが多い。
当然そういった場所にプリスポーンの魚は浮いてきやすいし(特にクリアな七色ダムは身を潜めやすい)、お互いにお互いが見えないから喰いやすい。
後半の二日間は『一時間だけ』と思ってシャローカバーを触ると簡単に2、3匹釣れる(汗)
しかもアベレージは1キロフィッシュで、普通に3キロとかも飛び出す感じ(汗)

まぁただ練習をやっていただけでも小林明人プロ(いつも七色ではバッティングする)はじめ2、3人は同じことやりそうな動きをしている選手がいる。
いつもなら『もつかなぁ』と心配になるとこだけど、今回は満水に加えて浮遊物(桜もそのうちの一つ)が多いから数人でやっても耐え切れるかもといった感じ。
正直、カバーの魚で釣り勝てば『勝ちに絡む可能性あるかも』とさえ思っていました。
これに『もし出会えたら』でスポーニングに絡む魚を見つけたら狙う作戦。

つまりとりあえずの手駒は4つで試合に挑むことに。
これに試合中に微調整したり、新しい攻略法を模索しながら試合に挑む『つもり』でした。

全ては大会初日、金曜日のこの雨がなにもかもを変化させたように思います。

ずっと満水、大した雨も降らずきた3月。
大会初日丸一日大雨。
水位は一晩で1m減水。皆さんこうなった瞬間の私の気持ちがご想像出来ますでしょうか?(笑)
『勝ちに絡めるかも』とさえ思っていたその大半の場所が一ヶ月ぶりに陸の上です。
ま、ただこれは予想もしていました。
満水で大雨降るなら当然『事前に落とす』に決まってる。
やっぱりか。で初日がスタートです。

とは言っても浮いてるゴミは減ってるし、ブッシュは陸の上だけど『全部が』ではありません。
当然、シャローのパワーフィネスでのカバー撃ちからスタートです。
良い感じのところでベイトがリンクしていたらI字(デスアダー3インチ)や水面ピクピク(レインボーシャッド)で狙い、沖の立木や立ブッシュにはオフセットジグヘッドの吊るし(フリルドシャッド4.7インチ)やロングワームワッキー(ヴェインスリム8インチ)を落としていく『予定通り』のプラン。
結果この日は水面ピクピクでラッキーな1500gに、I字でキーパー、パワーフィネスで700g、立木ロングワームワッキーで600gの4匹で終了(汗)

4匹3212gで23位スタート。

ダメだ。全部終わってる(汗)
釣れなくはないけどどれもいつ終わってもおかしくないし、練習で釣れてた1キロ〜の魚がごっそり居ない?喰わない?
とりあえず4匹釣ったけど、4匹全部違う釣り方の初日でした。
2日目どうすっかなぁ。
ってのは私だけではなかったはず(笑)
一方、減水によってスポーニングベッドの釣りは(浅くて見えやすくなるから)火を噴きまくり。

迎えた2日目朝。
スロープに着いてビビる。再び満水(汗)予想してなかった。落としたら増えないと思ってた(涙)
こうなったら前日700g1匹だったけどとりあえずパワーフィネスでのカバー撃ちをするしかない。
だって昨日とは違ってやる場所沢山あるんだもん(笑)
そう思ったのは私だけではなくて、練習から『バッティングしていた』と書いた数人もずっとバンクを撃ってるのを目撃。
ただ朝数時間で皆んな気付いたはず。
そう。釣れないんです。もう水は戻っても魚は戻ってこない(涙)
2日目にパワーフィネスで600gを1匹キャッチはしているんですが、もう私は朝2時間で捨ててた。
ただ代わりに『ちょっと魚増えてない?』と思ったのが沖の立ブッシュに回ってくる魚。
明らかに浮いてる魚増えてる。

この日はフリルドシャッドのオフセットジグヘッドの吊るしで2バイト得るも、片方は浮かせたのに船側でフックオフ(1500gくらいでした)。
なんとかその後キャッチしたのが2300gあって、更にI字で1匹500gを追加して3匹で終了(汗)

3匹3456gで単日14位。

初日23位、2日目14位で予選を19位通過。
大会2日目、しかも(前日の減水から)1mの増水でサイト勢は厳しいだろうと予想していたんだけど本気サイトマンは普通に釣ってくる(涙)
一方で第二陣?のプリを狙い当ててジャンプアップした選手も居て、エバーグリーンの小林さんは初日400gくらいなのに2日目6キロオーバーで一気に予選通過。というか私は抜かれた(汗)
私の立木や立ブッシュの魚もこれに該当する魚で水位も季節感もコロコロ変わっていく大会2日目でした。

今大会、私は最終7位までジャンプアップします。
そのきっかけとなったのは大会2日目帰着間際でした。
会場ちょっと下流で時間調整を兼ねてキーパーを増やしたくて大会2日目初めてダウンショットをキャスト。慣れてなくて即オーバーハングに引っ掛かる(笑)
取りに行く為に岸に近付くと偶然足元のシャローにビッグバスが。頭の中では『えっ?』となる。
あ、オスもいる。目測で700gと1500gくらい。
なんとか大きい方を釣ろうと頑張るも先に小さい方がバイトしちゃう(汗)残り時間10分くらいで小さい方を3回喰わせる(汗)デカいのは喰わない。
しばし考える。今日確実に700g増やすか。明日もう一回チャレンジするか。
3秒考えて『また明日来るね』と言ってその場を離れ、小さい方も釣らずに帰着の列へ。

最終日の朝は寒波で3℃とか(汗)

最終日は水位が更に上昇(汗)見たことない水位に。
加えて冷え込みがキツく前日の14℃超から12℃まで下がってる。
そんな最終日の朝からバタバタで、とりあえずスタート後その場所へ直行。
※最終日のトラブルは武田栄喜プロに大変お世話になりました!ありがとうございました!
決勝は順位順でフライトなので19番。
遅いけど無事一番乗りで落ち着いてキャッチ。目測1500gだったけど余裕の2キロオーバー。
そこからこの日は上流域を中心にコンパクトにランガン。
ボイルが起きる場所はレインボーシャッドのピクピクで1100gをキャッチし、パワーフィネスでも800gを追加。
流石に4匹で打ち止めかな?5キロくらいかな。と思いながらの帰り道に投げたダウンショットに600gがきて最終日にして遂にリミットメイク。
3日間、本当にエリアも釣り方もバラバラでただただ必死に魚釣りをした試合でした。

5匹5985gで単日2位!

最終日のスポーニングに絡む魚を除けば、毎日釣った魚は全部違うルアー、スポットでバラバラにあった点と点は線になることはなく。何をすればもっと良かったのか、悪かったのかも分からないまま終わった試合だったのが正直なところです。

初日、大雨大減水。
2日目、爆風大増水。
最終日、更に増水で寒波。

こんな『全く違う3日間』をサバイブし切れただけ御の字な結果でした。

冒頭で書いたように上位選手の多くがスポーニングに絡む魚を攻略していました。
一方で私のように偶然出会えたらという選手や、基本やらないという選手も少なくありません。
私の場合その理由は倫理的な話ではなくて『リズムを作るのが凄く難しいから』です。
基本その魚以外狙えないことになるし(ラッキーフィッシュはない)、釣れるとも限らない。私はそれだとリズムが作れないだけです。
スポーニングベッドといえば簡単に釣れると思っている人もいるかもしれませんが、そんな簡単なもんじゃありません。
『魚自体なんか基本見えない水深』をやっている選手も当たり前のように居ます。(全体的な地形を見てサイトしてる)
当たり前の話ですが、狙って予選落ちをした選手だって居ます。

今回のTOP3の河野くん、梶原くん、志達くんは全員23歳の同級生だそうです。

私が書くことではありませんが、今大会凄いドラマチックな試合でした。
この場所に選手として、そして今年も特等席で彼らの凄さと行方を見られるこの環境に感謝致します。

今大会もサポートメーカー各社には多大なるサポートを頂きました。
特に今シーズンのTOP50は練習期間の大幅な変更があり、基本的には練習→試合と10日超の長丁場になります。
当然、足りないものや、途中破損させたりのトラブルもつきもの。そんな中、今回も追加で急遽送って貰ったり、予備を送って貰ったりとしました。
応援頂きました皆さま、そして競ってくれた選手全員にも感謝の初戦でした。


メインタックル

○I字用
・エクスプライド264UL/シマノ
・ステラC2500S/シマノ
・ピットブル4+ 0.2号/シマノ
・Vハード1.25号/サンライン
・デスアダー3インチ/デプス

○ピクピク用
・エクスプライド263L-S/シマノ
・ヴァンキッシュ2500S/シマノ
・シューター3lb/サンライン
・レインボーシャッド/イマカツ

○0.9gオフセットジグヘッド提灯用
・エクスプライド264M+/シマノ
・エクスセンスC3000M/シマノ
・ピットブルG5 0.8号/シマノ
・Vハード3号/サンライン
・フリルドシャッド4.7インチ/デプス

○3.5gネコリグパワーフィネス用
・エクスプライド270MH+/シマノ
・コンプレックスXR2500SHG/シマノ
・ピットブルG5 1.5号/シマノ
・Vハード4号/サンライン
・ドライブクローラー4.5/OSP

○3/8ozヘビダン用
・エクスプライド168MH-S/シマノ
・メタニウムXG KTF/シマノ
・シューター14lb/サンライン
・デスアダー3インチ/デプス

魚探&エレキ GPSMAP8416XSV、1222XSV、ライブスコーププラス
フォース(フロントエレキ)/ガーミン(G-FISHING)
バッテリー インパルスリチウム/インパルスリチウム

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