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赤い橋の上で。


15歳、高校一年生。クリスマス。夕方の帰り道。僕は赤い橋の上で、高校の制
服を着て、自転車にまたがっていた。
中学生の頃から釣りばっかしていた僕は、高校にはバス釣りの全国大会があるのを知っていた。
僕達が中学、高校生だった頃は、ちょうどバス釣りが盛り上がってる頃で、JBもマスターだけで1000人近くの選手が参加していた。
中学生の時、僕の同学年にも20人近く釣りをしている子が居たけど、自分で言うのもなんだが、その中でブッチギリで一番上手かったと思う。
当然、僕の鼻は伸びに伸び、高校に入って大会で簡単に勝てちゃうんじゃないかと、井の中の蛙だった当時の僕は思っていた。
高校一年生の夏。そんな始めて参加した大会で僕はたいした成績も残せず、まぁ真ん中よりは上だったけど、順位すら覚えていないくらいの結果に終わる。
当然悔しくもあったけど、恥ずかしくて、情けなかった。
実はそんな高校一年生の夏から冬にかけて僕はあんまり釣りをしなかった。
毎週は行ってたけど、その後の年間300日近くなんてのと比べると、趣味の中の一つというか、遊びの一つとして釣りをしていた時期だった。
そんな高校一年生、15歳のクリスマスのこと。
確か24日か25日。終業式で午前中だけ学校だった日だと思う。
午後からは、当時仲良くしていた女の子の家に遊びに行った。
学校から自宅とは反対方向にあった彼女の家に二人でチャリンコをこぎながら向かい、確かお母様にケーキを出して貰い、マトリックスのDVDを見た記憶がある。
何ってことはない普通な一日。
むしろ、高校生の当時の僕にとっては好きな女の子+クリスマスというスパイスは、普段の一日に比べればちょっと特別な一日だったんだと思う。
ただそんな幸せなはずの一日の帰り道。行きにも通った川にかかる橋を渡っている時にフッとチャリンコをこぐ足を止めた。暗くなった中、橋の下を流れる川を見ながらしばらく考え込んだ。
『何をしてるのかな』
さっきまでの時間が単純に楽しかった。けど、そんな時間を楽しく感じている自分が少し嫌だった。
『きっとこれじゃ何も変わらないよな』
夏に負けてからずっと分かっていながらも、怖くて直視できずにいたことを始めて正面から見た気がした。
ずっと昔からイメージしてきた心が『グッッ』となる瞬間を達成できてもいないのに、今の毎日に少し満足して楽しんでいる自分が嫌で嫌でしょうがなかったんだと思う。
当時、まだ15歳だった黒田少年には自分の気持ちを正直に捉えるだけの器量も、それをエネルギーに変えるだけの器用さもなかったんだと思う。
ただ、うまく噛み合わない自分の中の感情と行動を無理矢理合わせることに無理がきたのがこの日だったのかな。
10分くらい考えて、僕は橋の上から大声で叫んだのを今でも覚えてる。(赤面級に恥ずかしい行動だけど若かったって事で許してね・・・)
何を言ったかは忘れたけてしまったけれど、とにかく胸の中のモヤモヤを叫んだんだと思う。


翌年の夏。僕はこの二枚の楯を掴むことになる。一枚は関東予選、もう一枚は全国決勝。
あの日からちょうど10年。
当時の僕が、今の僕を見たらどう思うんだろう。
25歳の僕から見る、15歳の自分はずいぶんと眩しく、魅力的に写る。
もちろん今の自分が嫌いなわけじゃない。今の自分は今の自分だから。
ただ、間違いなくあの日の僕が居るから、今の自分が居る。
今から10年後。35歳になった僕は25歳の僕を思い出して、眩しく、魅力的に感じながらも、今と同じように35歳の自分を好きでいられるかな。
そうあれたら嬉しい。

皆さんにとって、クリスマスが幸せな一日でありますように。
そして、『幸せにつなげるための一日』になりますように。

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