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  1. タックルの『いろは』

ロッドの真実~中編~

※本日の内容は昨日からの後編です。まだ前編を読んでいない方はそちらをご覧ください。
http://wind.ap.teacup.com/bokutachi/2336.html

昨日の内容を要約しますと・・・
〇現在、生産されているほとんどのロッドが素材(弾性率含む)、テーパーに加え、外層にカーボンを厚巻きをすることで曲がりや、強さの変化を出している
〇外層への厚巻きは、メインカーボンと同弾性であっても異弾性であってもあくまでも補強である
〇カタログ等で『○○に××を採用(使用)し』、という表現は『○○に××で補強し』というのが正しい表現
ということでした。
ただ当然ですが、ロッドに急激な曲がりの変化や、バット部にだけ粘り強さを持たせたい等の要求を満たすため、補強という名の厚巻きを繰り返せば当然どんどん重たくなっていきます。
そこで補強として異素材や異弾性カーボンを厚巻きするのではなく、異素材や異弾性を中層部で使い分けて無駄に厚巻きすることなく、硬さや粘りを急激に変化させることができないかと誰でも考えると思います。

最初に市場に多く出回り始めたのはこの組み合わせ。グラスのティップにカーボンのバット(ベリー)。
グラスのしなやかさをティップセクションに使用しつつ、ベリーからバットにかけては軽量感がありしっかりと硬くできるカーボンを使用。
喰い込みが良いのに、カーボンロッド並に軽い。そんな夢のグラスコンポジットロッドのように感じます。
このタイプのグラスコンポジットロッドが5、6年前に一度急激に広まったことがありました。
※過去に書いた色々な種類のグラスコンポジットについてはこちらをご覧ください
http://wind.ap.teacup.com/bokutachi/2156.html
実は私自身も一度手を出したことがあります(笑)
ただこのタイプのグラスコンポジットには大きな欠点があります。
それはカーボンからグラスの移行部分が変形しやすく、曲がってしまい不良品が非常に多いということ。
実際に私が手を出したロッドも他ラインナップのカーボンロッドに比べ異常な不良率でした。
曲がってしまう理由としてはカーボンとグラスで収縮率、膨張率が全然違うため、シートを焼いて高温になり、その後冷めるまでの間にどちらかが逃げて曲がってしまいます。
もちろん上手く真っすぐになるものもありますが、初期不良が多いうえに、私が試していた数タイプは経年劣化(特に夏季の高温)で変形するものも少なくありませんでした。
この時点で分かったことは異素材、異弾性を中層部で繋ぎ合わせることは非常に難易度が高く、特に製品化ということを考えると現実的ではないなぁということ。
もちろんメーカーによって不良基準は違うし、曲がったとしても折れることもないんですが、もし自分が買う立場だとしたら製品としてどうなの?と思います。

後編は明日書きます(笑)

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