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  1. ルアーの『いろは』

フクロウ14g 『漢字だと梟』

フクロウ14g

本日は私が以前プロデュースしたnada.のスパロー(特に14g)というシーバス用のメタルバイブレーションのストックが底を着いた為に、一昨年前くらいから自費製作していたスパロー14gの代わりになるメタルバイブレーションのお話です。

左がnada.で作ったスパロー14g、右が今回作ったフクロウ14g。

スパローを開発していたのは2014年で、ラインナップは10、14、20、26、30gの5種類でした。
もうあれから8年も経つんですね(汗)
その中で個人的に最も使用頻度が高いのが14gでした。

当時の私です(笑)

色々あってnada.自体は荒牧くん(ヘルメット被ってる彼ね)が引き継いでくれましたが、最終的に2019年にスパローは完全な廃盤となりました。
私自身も手に入れる方法が無くなって3年が経ちます。
とはいえ、製作者特権でそれなりにストックは持っていたので直ぐに弾不足にはなりませんでしたが、廃盤から2年経った2020年末くらいにはだいぶ底が見えてきました(汗)
そんな話を知り合いの工場に話したら、『黒田さんなら少なくても欲しい分だけ作ってあげるよ』と神の一声を掛けてくれます(涙)

左上が工場に作って貰ったブランク状態、それに友人が箔を貼ってカラーを塗ってくれたのが右下。

そこでステンレスプレートと鉛金型をスパロー14gから更にバージョンアップさせたデータを作成して、工場のお言葉に甘えて10個くらいだけ試しに作って貰います。
長期的に見て100個単位でストックが欲しかったけど、まずはバージョンアップさせたものがしっかりバージョンアップになっているかの確認作業。

スパロー14gはフロントフックを交換すると背中やスナップに乗る現象があったのでまずはここを改善。

スパロー14gのここの形状を改善する必要があった。

左スパロー14g、右フクロウ14g。

アイ位置を4mmハングオフさせることで、この『フロントフックを抱く』現象を大幅に改善させるのがまず一つ目でした。

さて二つ目にはリアフックです。

当時、背中側に回らないように設計したんだけど大型個体や根掛かりをリアフックだけで掛けるとスプリットリングが少し伸びて背中に回っちゃう(涙)

これはスパロー14g開発時に背中側に回らないようにテストはしっかりしたんだけど、魚や根掛かりでスプリットリングが伸びるとまさかの背中側に回ることがごく稀に起こることを発売後に気付く(涙)
ずっと直したかった。

左スパロー14g、右フクロウ14g。

穴位置を前に2mmズラして、更にスプリットリングも伸びないように太軸平打ちにチェンジ。それでもスプリットリングが窮屈にならないように穴サイズも0.5mm大きく。
これで『リアフックが背中側に回る』ことはゼロになりました。

そして最後の3つ目。

スパロー14gには様々なスナップが入るように楕円のアイを採用しましたが・・・

発売から時が経ち、新しいスナップが発売されたり、クロススナップが入らなかったりとしていたこの楕円アイを変更。

左スパロー14g、右フクロウ14g。大型の丸型に変更。

アクションが変わらない程度にアイを丸型&大型化させました。
想定通りスパローの欠点をしっかり改善して『我ながら!』と自己満足をしていました(笑)

そんなこんなで2020-2021年シーズンは自己満足で使ってました。昨年の浜名湖オープントーナメント最終戦のシーバスも全てこれ。

ただ昨秋にちょっとした事件が起きます。
私の知人がスパロー14g欲しさに、まさかのヤフオクでスパロー14gを2500円くらいで買っていて(当時の定価は900円以下です)、コレは流石にダメだなぁと思ってまとまった数を2022年に向けて量産してもらうことに。

正直、数を沢山作る気がないこと(当時スパローを900円で作れていたのは数万個まとまって発注していたから)、加えて当時の為替よりも1.4倍くらいになっています。(もちろん支払いはドル立てです)
当然、運送費用も上がってる。
試算したら普通に2000円弱くらいにしないと利益は出ないです(笑)

フックはBKK社のファングス62UAを使用しています。おそらく今現在一番ソルトルアーに搭載されているトレブルフック。

フックもそのまま使って貰える様にBKKファングス62UAをセット。
これだけで100円以上コストUPではあるんですが、個人的には自分が作ったルアーに自身が良いと思って契約している(使っている)フックを使わないのってどうなの?って常日頃から思っているので譲れないところ。

で、最終的に2000円にするんじゃヤフオクでスパロー買うのと変わらなくなってしまうので、上代は1200円(税別)に。
先月からオンラインサロン内だけで販売していました。
『一般販売したら良いのに』って言われることも多々ありましたが、個人的にはこれを売り歩くだけのスケジュールが作れないので『ま、知り合いにだけ使って貰えれば』って感覚。
そんな中、いつもお世話になっている釣具問屋『府中屋』の原田さんが『ウチで販売したいから納めてくれないか。全数買取でも構わないから。』というご提案を頂き、私には有り難すぎるご提案だったので、今回はこのフクロウ14gについての記事を書いています。たぶん今日くらいから府中屋さんが注文取りしてくれています。

正直、もう二度と作りたくありません(笑)
置き場に困るし(釣具部屋の床が抜ける)今の為替や物流コストだとハイリスク・ローリターンどころかハイリスク・ノーリターンです(笑)

特に浜名湖界隈では欲しい方が多いかもしれません。
お取り寄せ可能かのお問い合わせは、普段よりご利用頂いております小売店様へお願い致します。
また今後作る予定は一切白紙なので、ご注文を頂いても完納できない可能性も高いです。その場合の次回生産はないので注文残にも出来ないと思います。ご理解頂けましたら幸いです。

ピンクヘッド

ボラ

ゼンメ

グリーンゴールド

アカキン

カラーは5色です。
私がメガバス時代にメタルエッジ、スパローで愛用していたカラーの4色に、1色だけゼンメ(ヒイラギの稚魚)はレンジバイブ55TGで多用していたお気に入りカラーの為、追加しました。

スパロー14gを愛用してくれた皆さんの手元に届けることが出来ることを願っています。

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