まず初めに。ご存知の方も多いかもしれませんが、自分のスポンサードの有無に関わらず私のブログではタックルやルアーをご紹介する際には、『自身が開発に携わったもの』か『自身が使ってみて凄く良かったもの(主にスポンサー外)』のみをご紹介してきました。スポンサーは増えたり変わったりしましたがそれはこのブログで10年以上変わらずです。
前者(開発に携わったもの)は当然、製品発表時に。
後者(使い込んでみて良かったもの)は必然的に発売後しばらく経ってからや、しばらくどころか10年以上経って良さに気付いたなんてパターンもあります。
そんな中で昨年末にシマノ社に『シマノオフィシャル用(シマノ動画とか)に紹介をお願いできますか』と依頼を頂き、上記の理由からお断りしたリールがありました。
それが今回ご紹介するSLX DC XTでした。
開発段階で企画やテストにも参加していないし、使っていないリールでした。
繰り返しになりますが、自分が携わってないし、使わない物はやらないよ。って意味ではなくて、何かを伝えるのであれば自分なりに消化吸収した上で紹介するか否かを含めて決めたいというだけです。
本来このSLX DC XTは今年5月に右、6月に左が発売だったはずですが、皆さんご存知の通り原材料不足やコロナ禍の爪痕と、ステラが売れ過ぎ(笑えない)で遅れに遅れて結局先月右、今月左のリリースとなりました。
もう年変わるよ・・・と正直、担当者の心労や歯痒さはかなりのものだと思います。
そんな中、私は今期後半左を一台だけお借りしてバス、ソルトと使ってきました。
まずSLXの系譜を復習しておきたいのですが、まずSLX MGL(遠心ブレーキ)が発売されたのが2019年。翌2020年にSLX DC(DCブレーキ)。昨年2021年にはSLX BFS(ベイトフィネス)。そして2022年このSLX DC XT(DCブレーキ)です。
こうなると『20SLX DCと22SLX DC XTって何が違うん?てかXTってなに?』となるんですよね。ごもっともです。
本当か読み返して頂いて構わないんですが、2020年SLX DC発売後、私このリールをそれなりに使って魚種問わず沢山釣ったんですが紹介すらしていません。
もちろんロケや試合では導入すらしてない。
僕には他リールを超えて使う理由が見つからなかった。
具体的にはバスに絞るなら20メタが良いし、ソルトなら18バンタムが良い、値段だけならSLX MGLで良い。
34×22mmという一世代前のスプールじゃあどれだけオートマチックなDCブレーキと合わせて貰っても私にはメリットを感じられなかった。
加えてボディが大きいくせに12lb-100mのラインキャパしかないから合わせるロッドとのバランスも難しい。これがもっとラインキャパ多ければ使い道があったかもしれないけど私の中にはなかなか使い道が無かったのが事実でした。
19SLX MGLと21SLX BFSはかなり使うんですが。
この上の画像が全てなんですが、12lb-100m(シマノでは70番スプールと呼びます)らしいボディにしっかり作り込まれたのが今回の22SLX DC XTです。
加えて今回のスプールが33mmなんですよね。
有名なメタニウムが34mm、アルデバランが32mm、そのちょうど中間。
トラブルが少ないDCブレーキに投げやすい33mmを組み合わせたのは(ラインキャパ自体はメタニウムと同じ。ブラックバススタンダード)、めちゃくちゃ組み合わせとしては最高です。
22SLX DC XTはしっかりとした専用筐体(そのためだけに作られたボディ)で、『18スコーピオンDCと一緒ですよね?』とかたまに聞かれるんですが、18スコーピオンDCよりかなりコンパクト(&軽い)です。
そして自重が195gってのも非常に良くて(20SLX DCは215g)、アンダー200gくらいが一番広く組み合わせ易い。
昨年プロモーションは断ったけど、改めて今シーズン使ってみて良いリールだなぁと思いました。
特にバスもやるけどソルトやPE(フルキャストで)にも使いたいって方にはオススメ。
バスしかやらないならメタニウム、ソルトだけなら上記した通りバンタムをオススメします。
ただ『両方やるんだよね』なら一気にこのリールが一番のオススメに躍り出ます。
最後に、この記事を書くに当たりSLX DC XTについてエゴサーチしてみたんですが『最後で(DCブレーキ)音が変わる』のに気付いている方が結構居ました。
フルキャスト時に最後の一瞬DC音が高くなるのですが、この子に入っているDCは(IDC5の中で)最も賢いブレーキが入っているので最後の失速(着水直前)を感じてバックラッシュしないようにブレーキが一瞬だけ強く効きます。その作動音がこの高音なので、33mmスプールと相まって最もトラブルが少ないベイトリールだと思います。
久しぶりに製品になってから触って良いなぁと思ったリールでした。