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  1. タックルの『いろは』

09カーディフDC

今日はバサー誌の取材をしていたのですが、内容の一つに出たばかりのカルカッタコンクエストBFSについて話す場面がありました。

話す前提だったので全部持って行きました(笑)

その話の中でカーディフDCについて話す必要があり『あれ?そういえばカーディフDCって2009年だっけ?2010年だっけ?』となりGoogle先生で調べることに。

そしたらまさかの自分の14年前のブログ記事が一番上(笑)

この14年で誰もこのリールをこれ以上深掘りしていないみたい(笑)
自分自身で笑ってしまいました。

まだ24歳の私の記事なので優しい目でご覧ください(笑)
ベイトフィネス黎明期のこのリール。
そしてまさかの取材をしながら時系列を調べ直している最中に私の電話が鳴ります。
こんな偶然ってあるのか分かりませんが、電話の主はこのカーディフDCを作った方(シマノリール開発)でした。
『◯◯さん今偶然、バサーさんの取材でカーディフDCの発売年調べてたとこっすよ〜』なんて話たら『あれ死ぬほど売れんかったな!(笑)今じゃ絶対作れんわ(笑)』と言って用件を済ませて電話を切りました。

当時、このリール開発の方と同時に二つの開発プロジェクトを私も側で見させて頂き、参加させて頂いていました。
一つは件のカーディフDC、もう一つが翌年2010年に発売となる07メタニウムMgと09アルデバランMgの『ベイトフィネススプール』でした。
前者は記載の通り全く売れず(笑)、後者はメチャクチャ売りました。当時しばらく手に入らなかったくらい売った。

私はどちらの開発〜販売までを近くで見させて頂き、自身がリールの開発で関わることの出来た最初のプロダクトでした。
私の記憶にあるリール開発の最初の陰と陽です(笑)

左から01初代カルコン51、09カーディフDC51、11カルコンDC51

意訳ではありますが、カルカッタコンクエストBFSの(コンセプトの)原型は初代カルコン50/51ではなくこのカーディフDCと表現する事も出来ます。
売れなかったの10年早かったといえばそれまでなんですが、たぶんこの15年の中で最も売れなかったシマノ両軸リールがカーディフDCだと思います。
このリールに限らず『早過ぎた◯◯』って良く言われたりもしますが、そのタイミングを合わせたり、魅せ方や影響力でその波を生み出すのも開発力でもあるわけで、『早過ぎた』はただの言い訳でしかないと思っています。

15年が経ち、今日電話くれた開発者の方は出世して今は両軸リール開発には居ません。
ただ今回の23カルカッタコンクエストBFSを作り出したのはその直属の後輩たちです。
時間はあっという間に過ぎて、売れたものは覚えているけど、苦戦したものは自然と記憶から消去されたりします(笑)

有名プロの初優勝や初タイトルは語り継がれて、時には改めて特集されたりもします。
一方でプロダクトは振り返って貰ったり、起源を語られることは多くはありません。
そこには開発者や関わった人たちのドラマがあるんですが、残酷な事に数少ない語られるものも『ヒット商品』がほぼ全てです。

今までも、そしてこれからも、そんな人以外のものも私は語り継いでいけたらと思っています。
ちなみにカーディフDCは私がTOP50シリーズで初めて賞金を獲得(入賞)した際のメインリールでした。

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