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  1. エクスプライド&ゾディアス

2024年エクスプライド追加機種

ご存知の方がほとんどだと思うのですが、私のバスフィッシング用メインロッドはシマノ社エクスプライドシリーズです。

2017年のシマノ社移籍後、メインロッドはエクスプライドシリーズ。

比率でいくと7〜8割がエクスプライドシリーズで、2割がゾディアスシリーズ、残り1割ほどをバンタムやポイズンシリーズの特定機種から補完するような形で全国各地で行われる試合やロケを行っています。
エクスプライドシリーズは2012年に初代がリリースされ、2017年に初のモデルチェンジ(2世代目)、そして現行のラインナップは2022年からの3世代目となります。

北米シリーズ(日本未発売機種も沢山あります)はMLF深江プロが。
マイクロホバスト用などの一部フィネス機を私と同じくTOP50シリーズを戦う佐々プロ。
琵琶湖機種を今年から琵琶湖ガイドの古川龍二プロガイドが担当しており、それ以外のベーシックラインナップと『黒田が欲しくて作っただろ系(笑)』を私が担当しています。
なので日本で発売されている多くの機種の担当を私がさせて頂いている形です。

過去にモデルチェンジ時だけでなく、毎年自身の要望(企画)で追加された機種は個別に説明(開発のいきさつ、前モデルとの比較など)をしてきました。
今年はエクスプライドとして4機種が追加ラインナップとなりました。
本日はその内、黒田が要望&企画をした3機種について内容を記しておきたいと思います。

169H、1610ML-BFS、261UL-Sの3機種。

さてそもそも今年エクスプライドに追加された4機種は以下になります。
169H
163MH(※こちらのみ古川龍二琵琶湖ガイド)
1610ML-BFS
261UL-S

私が担当したのは上記した画像の3機種です。
一つづついきたいと思います。

まずは昨日までの早明浦ダムでもメインロッドの一つだった169H。

このロッドに関しては前作の17エクスプライドから存在する番手で、前作は北米の深江プロと一緒に開発しました。
深江さんはフロッグ用、私は大好きなフルサイズジグ用(フラットバックジグ1/2oz)として使っているHアクションとしてはかなりバーサタイルな機種でした。
今回は『169Hはより黒田が好きなテイストにして良いよ』と言って頂き、よりジグやヘビーウェイトテキサスなどの俗に言う『撃ち物』に向くようなセッティングに仕上げています。
その一番の違いは『自重』で、169Hの前作(17エクスプライド)は120gだったのに対し今作は107gと13gもの大幅な軽量化がされています。その差10%以上ですからね。

手前が現行169H、奥が前作17エクスプライド169H。私の中で要のロッドの一つ。

グリップ長などは全く一緒。軽量化はリアグリップのカーボンモノコック化もありますが、同時にブランクスも軽量化されています。
グリップが軽くなると、当然ですがブランクスがそのままだとトップヘビーに感じるようになります。当たり前ですよね『手元だけ軽く』なるんですから。
ただ169Hをジグテキサス用として更に際立たせるとなると当然ロッドを立てて構えたり、縦に捌いたりが増えます。穂先が重たいトップヘビーでは当然不向きです。
そこでテーパーやパワー感は17エクスプライド169Hそのままでブランクス自体も軽くなっています。
グリップだけで13gは無理だから『バランスを確保した上での107g』が今回の169Hです。

昨秋の艇王予選、VS金森さんとの試合では17エクスプライド169Hを使いました。

昨秋の艇王予選豊英ダムではチャターベイト(ジャックハンマー+バルビュータ)で2本のキッカーをキャッチして勝利するのですが、そのベースとなる40cmクラスをジグ(フラットバックジグ+バルビュータ)でテンポよくキャッチしていてその際に使用していたのは17エクスプライド169Hでした。
当然既に最終サンプルは完成していたんですが、一本しかないサンプルを量産の為に返却しなければならず17エクスプライドを引っ張り出してきて挑んだ試合でした(笑)

こう書くと今回の169Hは旧169Hの上位互換的な意味合いばかりに感じるかもしれませんが、それはあくまでも『ジグテキサスをメインにしたいなら』と思って下さい。
特にビッグベイトなんかには17エクスプライド169Hの方が手元にもロッド自体にも適度に重量感があり私は適していると思います。
22エクスプライド169Hをジグテキサス100点、フロッグ90点、ビッグベイト70点とするならば。
17エクスプライド169Hはジグテキサス90点、フロッグ90点、ビッグベイト90点みたいな感じです。
必ずしも全員が買い換える必要はないと思います。
逆に『それならどちらかというと17エクスプライドの169Hを安く探そ』って方も居ると思います。元々17エクスプライド169Hもかなり完成度が高い機種だからそれでも失敗は絶対にないです。
ただ私としては『私が最も欲しい169Hが完成した』と思っています。
その点に関しては今現在、一切の不満がないのが今回の169Hです。

2機種目は私がヘビーネコリグやヘビーダウンショットに良く使う1610ML-BFS。

こちらは169Hとは対照的に今までは無かったロングレングスのベイトフィネス機。
一応、BFS(ベイトフィネススペシャル)としていますがベイトフィネスに含まれるかどうか微妙な硬さです。それなりに張りがあってパリっとしています。長さと相まってML+くらいでも良いスペックです。
霞ヶ浦水系や各リバー&リザーバーで、そこまでフィネスにしなくても良いんだけど(ルアー小さくしたからって喰うわけじゃない)、でも普通のテキサスなんかでは喰わないからネコリグやダウンショットで誘いたいって場面はかなりあると思うんですね。
私の場合は5.8インチキンクー&6.5インチカットテールのネコリグをしたり、5gとか7gとかの決して軽い訳じゃないダウンショットをする場合ですね。
今までは大きなワームのネコリグには166Mや1610M-Sでやっていたり、ヘビダン(MSクローとか3インチくらいのシャッドテール)には17エクスプライド168L-BFSなんかを使っていました。

左は今回の1610ML-BFS、右は17エクスプライド168L-BFS(と予備)。今でも予備含めて必ずトレイルには積みます。

状況が分かっていて必ずやりたいって感じであれば上記した布陣で良かったんですが、『分かんないからそれ系一本だけ積みたい』って場合にかなり困っていました。加えてバスボート以外だと当然積める数に限りもある訳で『どちらも出来る一本』が欲しかった。
正直、派手さはないんですが手放せないロッドであり、持っていて良かった系ロッドです。
ベイトフィネス〜Mアクション以下ベイトの多くをカバーしてくれます。

最後。最も本数を頼んだ261UL-S。

今年唯一のスピニングです。
正直『ULアクションのソリッドティップスピニング』のイメージは私にほとんど無いと思うんですね(笑)私自身もそう思います。
ただ日本で釣りをする以上、この手のマルチフィネススピニングは必ず必要で、あえて紙面に出たり、試合の優勝争いで出たりは私の場合は少ないんですが欠かせない機種でした。

ショートレングスのUL-Sはずっと4本で運用してきました。

ショートレングスUL-Sはずっとエクスプライドにラインナップがありました。
初代12エクスプライドには262UL-S。
2世代目17エクスプライドにも262UL-S。
そして今回の3世代目22エクスプライドでは261UL-Sとなりました。

実のところ2世代目に当たる17エクスプライド262UL-Sを作ったのは私です。当時も書いているはず。
ただ正直に言って262UL-Sに関しては初代12エクスプライドの方が多くの場面で良かったと思っています。
17エクスプライド262UL-Sを『触って良かったから』でご購入頂けたのであれば良いのですが、『私が作ったのを信頼して』が購入理由であれば本当に謝るしかありません。

上記記事は2022年のエクスプライドモデルチェンジ時に書いたものですが、過去ブログにも書いているように、22エクスプライド発売以前から上記したように262UL-S(ショートレングスUL-S)は4本運用です。その多さから表に出なくても国内フィールドでどれだけ使用頻度が高い機種か分かるかと思います。
その内訳は12エクスプライド3本、17エクスプライド1本でした。つまり自身が作った方は1本だけです。
具体的にはノーシンカー&ムシにのみに17エクスプライドを使用し、それ以外のダウンショット、ネコリグ、ジグヘッドなどは12エクスプライドで行っていました。つまり底を取る釣りには12エクスプライド262UL-Sを使っていたということです。
自身の不注意で折ってしまった場合なんかにはシマノに言えばまだ在庫(廃盤になっても修理保証用などで一定数はある)があるのを知っていたけど、プライドと恥ずかしさでお願い出来ずにタックルベリーで程度の良い中古をその都度購入していました。この7年くらいで2.3本追加で買ったと思います。

左3本が12エクスプライドの262UL-Sです。

残念なことにショートレングスの柔らかいスピニングを作るセンスが私にはありません。
6ftも半ばに差し掛かったり、硬いスピニングなら自信を持てるのですが、やはり得意不得意が人にはあります。
そういった意味で一緒に考えてくれたり、超フィネス系は全部丸投げできる佐々プロが居るのは私には凄く心強い。
そして今回の261UL-Sは恥を忍んで『(私が作ったやつじゃなくて)初代12エクスプライド262UL-Sの設計図とテイストをもう一度確認してあれをブラッシュアップしたものを作り直したい』と開発にお願いしました。
加えて12エクスプライドからは10年以上経っている訳で、その間の変化(主に細PEの常用)にも対応出来るように盛り込みました。

0.3号や0.4号のPEを当たり前に誰もが使う時代になりましたからね。

この機種に関しては私が最終的なチェックバックはしましたが、私が作ったとかはとても言えないです。
良いものに仕上げて貰ったというのが私の素直な感想です。
お陰で12エクスプライドも17エクスプライドも262UL-Sを今シーズンから全て引退させることが出来ました。
262UL-Sを『12→17でテイスト変わったよな』と思って購入を見送った方や買い替えなかっだ方にこそ触って頂きたい機種です。

自分が得意とする釣り用のロッドももちろん作っています。

当然ですが、現在進行形で今も様々な機種の開発やテストを進めています。
何故か(笑)廃盤後にプレ値になってしまったような機種も新しく生まれ変わらせるべく開発中です。
今年はこの3機種が私の手元からは生まれました。
生まれ方はそれぞれ違いますがまた気になる機種があれば手にとって貰えましたら幸いです。

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