GW中に度々SNSでネタにしてきましたブリームオフセットについて詳細を書いていこうと思うのですが、まず最初にいくつか事前情報を書かなければいけません(汗)
製造自体はBKKですが、販売は別ブランド(jijijijijiji)からとなります。
昨年作ったメタルバイブレーション(フクロウ14g)もこちらから販売したのですが、どちらも本来は売るつもりもなかったものです。
どちらも私が自分用に欲しくて作っていただけのもの。
なのでメタルバイブレーションは次作る予定は今のところないし(売れるからといって作るつもりはないです)、今回のブリームオフセットはBKKで作ったので追加は簡単ですが諸々作業が自分の手に負える数しかやれないのでお取扱い頂く問屋さん、店舗さんにも『月に一回くらいの出荷しか出来ません』と先にお伝えさせて頂いております(汗)
じゃあなんてブランド化してる?って話になるんですが、売るとなるとJANコード取得から、お取り扱い頂くにしてもブランド名がないとなかなか難しいところがいくつかあります。
なので繰り返しになりますが、現状は自分が欲しいものを自分の自己満足で作っているだけになります。
自身のプロ活動などもあるため、至らぬ点などがあるとは思いますがご理解頂けましたら幸いです。
※今回のブリームオフセットの販売に関しましては府中屋さまがお取り扱い御座いますのでそちらまでお問合せをお願い致します。
さて、近年爆発的な人気ターゲットとなったチヌ(クロダイ、キビレ両方を含む広義な意味で今回は使います)ですが、現ダイワ社のもりぞーさんが流行らせた『フリーリグ』に関しては『フック』にずっとストレスを感じていました。
理由はそのほぼ全てがブラックバス用の流用で、ソルト用やチヌ向きとされるアイテムも、そのブラックバス用に防錆処理がされていたり線径や針先を若干アレンジしたものがほとんど。
海の餌釣りコーナーに行ったら分かるのですが、餌釣り用針で最も種類(形状、針先、ヒネリなど)が豊富でサイズ展開も多いのがチヌ針です。
ブラックバスと同一とするわけではありませんが、セイゴ(スズキ、シーバス)用餌針の10倍くらいあるんじゃないかと思います。
これをブラックバス用の流用や、あっても1シリーズ(1形状)で全て網羅するのはどう考えても無理があるんじゃないかと常々思っていました。
キロフックを使っていた理由は癖のない形状でサイズやワーム形状を選ばないこと。
加えて買いやすいし、それなりに安い。
変なトラブルも少なくて安定している『普通に良いフック』だと私は思っています。
数少ない欠点は(チヌに使うには)ちょっと曲がりやすいのと(魚を釣るたびに変えるのはザラ)、ロックエリアや牡蠣瀬で使うとワームのキープ力が弱くズレ易い点。
ここら辺を改善したものを作りたいなと思ったのが最初でした。2年ほど前でしょうか。
まず最初に作ったのはキロフックよりも若干ギャップを狭くし(根掛かり減らして貫通力を上げる)、オフセットのシャンクを長く(ワームのキープ力を上げる)して、刺さり易いようにフッ素加工を施したもの。
これ普通に良くて、かなり気に入っていました。
正直かなり満足していました。
線径もキロフックの0.8mmから1.0mmにしていたので45cm以上をコンスタントに釣っても伸びは無し。
あまりにも気に入っていて#1の後に#2も作りました。
私と一緒に乗って『欲しい!』って言ってくれた人も沢山居ました。
まとまった数を作ろうかなぁと思った時。我にかえります。
『俺がやりたかったの、欲しかったのってこれだっけ?』
もちろん実使用には十分。
キロフックの欠点は確かに(チヌ用として)クリアしてる。
でもキロフックで釣れない魚が釣れるか?と聞かれれば相変わらずミスはあるし、釣れる魚はたぶんキロフックで釣れる。
これを『オリジナル』として胸を張るのは正直どうなんだろうと。
ただのキロフックのパクリだわ。
やるならあの掛からないやつとか、すっぽ抜けてる(ように感じる)ヤツを倒せるフック作らなきゃダメだ。
次の試作データを作り始めます。2020年末。
2021年に売るかもって言ってたけど全部白紙。
あのミスバイトって口の中に入ってるのに針先が立っていないor硬くて(歯とか)針先が立てないのではないか?と仮説を立てます。
なら針先を(餌釣り用)チヌ針の用にネムらせてやる。
むしろなんであんだけチヌの餌針見て思いつかなかった俺。
口の中に入って刺さってないと仮定するなら、刺さりを少しでも良くするために線径もちょっと細く。
ネムリ針のオフセットフックなんて見たことない。マジでダサい(笑)違和感の塊。
ちなみに結論だけ書くと全然良くならない。
むしろ悪くなった(汗)
後々の結論としてはワイドギャップだと入らない(口の中に無理に入れない)場合に針先はストレートポイントの方が相性が良い。
ただこいつから得られたこともあって『あのバイトは口の中に入ってないことがかなりあるのでは』と考えるように。
それを痛感したのは喰い方を改めて確認したくてサイト(バイトする瞬間を見て釣る)で釣っているテスト中に間違いなく口を開けた瞬間に合わせても口の周りや、頬っぺたに掛かることがそれなりに頻発したため。
ちなみにこれは決してワイドギャップ分(だいたい15mmくらい)のものを口の中に入れられないって意味ではないです(=15mm以上のものは食べられないって意味ではない)。
あの7〜14gくらいのシンカーと3インチ弱のワームを口に入れようとするとその『15mmが邪魔をすることがある』という意味です。
もっと軽ければ入るのかもしれない。ただ少なくとも私は2種類の針を作って『入りにくい』と結論付けました。
やることは決まりました。
『徹底的にナロー(細く)にしてやるわ』
雛形にしたのは私の周りでも愛用者の多いリミット(リューギ)。
最初の3rdプロトはリミットよりも0.15mmギャップを狭く(ナローに)。
ただこのフックポイント位置だと多くのワームからフックポイントが出易く(根掛かりし易い)、4thプロトでそこから更に0.1mm狭くしてちょっとだけポイントを内傾に。
私の中では魚を釣っていってこれがベストでした。
ここからはチヌ用で人気な他フックとの比較。
ちなみに開発後半は頭がおかしくなっていたので『マジでリミットってワイドゲイプ』って思っていました(笑)
ちなみに若干ブリームオフセットが長い(全長)のはクランク部のシャンクをワームキープ力を高めるために長くしているからです。
口に入る確率を上げていくとフックアップ率以外に気付くことがありました。
それがカンヌキ周りへフッキングする確率の高さ。
肌感で釣れる魚の8〜9割がここです。
正直、良い針の本領を発揮するのは大型の魚ではなく、小型の魚に対してだと思っています。特にチヌ用は。
小さいほど掛けるのが難しい。
あ、付け加えておかなきゃなことがありました。
最初に使っていたキロフックでの欠点にフックの伸びを上げたのでもちろんそれも改善。
リミット#1が0.95mmでかなり強いんですが、それよりも若干太くブリームオフセット#1は1.0mmに仕上げています。
最後に元も子もないことを言いますが(笑)、『これが最強!これだけあれば完璧!』とも思っていません。
かなり拘って、拘って、今までにない形状と、自身が違いを感じられるほどの針に仕上げたと自負していますが、タックルに好みはつきものです。
加えてフィールドの特性も、魚の食性も、釣り人の体格もスタイルも、クセも、それぞれ違います。
合う合わないは必ずあります。
なので良いかどうかは『使って試してもらうしかない』と私は思っています。これは針以外も全部そう。
ただ少なくとも私自身が今までの経験値を元に、おそらく針を作る上で『世界一恵まれた環境』で試行錯誤を繰り返した針です。
合うかどうかを試して貰える土俵には上がれる針だと胸を張って言えます。