昨日、情報公開日にリールについてはブログ&YouTubeにUPしたのですが、今季私が最も力を入れている製品について本日はご紹介です。結果的にこれが最も魚を釣る上でアドバンテージになる新製品と言っても過言ではありません。
高比重PEラインです。
なーんだ、ただのPEラインかよ。って思われる方もひょっとしたらいるかもしれません。
私自身、ラインメーカーさんからはサポートを頂いていないので、様々なメーカーのライン、特にPEラインは本当に色々なものを使っています。
私自身、ソルトフィッシングもやっているのでPEライン自体を使い始めるのはかなり早い方でした。
高比重PEも早い段階から使い始め、昨年までメインに使用していたのは、
・Dブレイド/サンライン
・セフィアG5/シマノ
・オードラゴン/ヨツアミYGK
の3つでした。
というか今現在、安定して入手可能な高比重PEラインはこれくらいしか無かったのが現状。つまり使えるものはほとんど使っていました。
そんな中、セフィアG5をバスフィッシングに転用しているのを知ってくれていたシマノの担当者が『黒田さん一緒にルアー用シンキングPE作りませんか?』とお話を頂いたのが2019年。
実釣で使えるレベルのサンプルが上がったのが2020年初春。
製品版とはカラーの違うものもあったりしたので、良く分かんないカラーのPE使っているな。なんてブログで気付いた方なんかもいらっしゃるかもしれません。
私自身は釣り糸の開発やテストに携わらせて頂くのは今回が初でした。今まで経験値としてあったのは釣り糸をどれにするか選ぶ作業くらい。
なので凄く勉強になったし、楽しいテスト期間でもありました。
今回、高比重PEラインがラインナップされる上でシマノにお願いしたのは・・・
1.出来るだけ号数ごとの比重を均一に。
2.気軽に巻き替えができるように最安値で。
3.もちろん品質は今までの高比重PEと遜色なく。
の3点でした。
まず1.に関しては今現在発売されている高比重PEは同じシリーズでも号数によって比重にかなりのバラつきがあります。
例えばセフィアG5を例にとっても号数によっては2割近く(0.2くらい)比重が変わります。
これでは号数を変えると使用感が著しく差異が生まれて使いにくい。全く違うラインを使っているのと変わらない。
そこで今回は1.3という比重をベースにほとんど差異のない比重に仕上げています。号数を変えることで使用感に差が出にくです。
ただセフィアG5を単色にしただけでしょ?と思われるかもしれませんが、完全に一から作り上げています。
2.は単純に安いこと。
ピットブルG5は各号数100m、150mのラインナップですが、100mは店頭で1000円以下、150mは1500円前後です。
今までの高比重PEの相場は100mで2000円前後。モノフィラを含めると高い部類のラインでしたが、ピットブルG5では一転。フロロより安い高比重PEラインとなります。
安くしたい理由は高比重PEの使用環境に理由があって、通常のPEラインはソルト全般、バスフィッシングだとI字系やシャッドといった基本巻く釣りに使われていました。
しかし、高比重PEは沈むことでソフトベイトとの相性が良く、ソルトであればチヌのようなストラクチャーやハードボトムのような危ない場所や、バスフィッシングでもソフトベイトでストラクチャー周りを攻めることが多くなります。
つまりラインに傷が入りやすい。
いくら強度のあるPEラインとはいえ傷が付いたら関係なく切れます。そこである程度早いスパンでの巻き替えをするための安さ。というのが皆んなに高比重PEを戦力にするためには必要だと考えました。
3.については当たり前のこと(笑)
比重もバラつきなくて、安いけど品質悪いよね!じゃ意味ありません。
これに関しては最初は信じてもらうしかない部分ではあるのですが、品質的にも他製品に一切劣らないレベルに仕上げています。
今回のピットブルG5は本来8ラインナップを予定していました。しかし、リリースするのは0.6、0.8、1.0、1.2、1.5、2.0号の6タイプのみ。実は0.4号、0.5号をボツにしました。
理由はこの品質に到達していないと感じたから。
なのでまだ開発は継続中です。今後出せるかどうかもしばらく分かりません。逆に言えばリリースされた号数はそれくらい作り込まれた高比重PEです。
2021年、シマノからはもちろんリールやロッドの華型製品が沢山出ています。
そんな中で、私が最も力を入れて開発&テストしたのがこのピットブルG5です。
今シーズン武器にして頂けたら幸いです。