昨年からテストの模様や釣果を度々UPしてきたデプス社で初めて私がプロデュースさせて頂くブルスライド3.4が2/10頃より出荷開始されます。
初回は8色。
どんなルアーなのか、どんなバックスライドワームなのかを知って頂くために、どうやって生まれたのかを再度ブログに書かせて頂きます。
まずデプス社と契約をさせて頂いたのが2019年終盤。
ソフトルアー(&ジグ)の契約なので、もちろん自分自身が欲しいと思うものを具現化頂けないかと交渉をさせて頂きました。
一番欲しいものは色々な事情でペンディング。二番目に私の中で欲しかったものが、JBトーナメントを含めどこでも使うことのできるバックスライドワームでした。
ただ私の頭の中にイメージがあってもそれを皆んなで共有するのはかなり困難です。
『ブルフラットベースのバックスライドが欲しい』と伝えても『じゃあブルフラットで良くない?』となるのが常です。
そこで先に自身でデータを作ってしまい皆んなにイメージを共有することからスタート。で、最初にデプス社にお渡ししたのが上の3タイプ。
百聞は一見に如かずという言葉がありますが、データで見るとやっぱり皆んなイメージしやすい。納得もし易い。
先に上げた3データは全てメインボディは一緒です。これは色々使ってきて自分が感じているフッキング率や使用感から長年導き出したサイズ感。こうすると12〜14gに収め易いし、フックもワイドゲイプの4/0〜5/0に合わせ易い。
後ほど説明するけど、パーツだけそれぞれ別にデザイン。たぶんどれでも釣果差はないです。極論パーツなくても釣れる。ただ釣り人的に使いたいと思えるか、パーツの耐久性はどうか(付いてなくても釣れるとはいえ簡単に取れるのは製品としてどうなん?)ってことでいくつかパターンを試しました。
私の作成したデータはあくまでも『可視化するため』だったので、ある程度まとまった時点で正式にデプス社で再度データ化。そして試作。
ブルフラットをバックスライド化したならブルフラットで良くない?と思われるかもしれませんが、全く厚みが違います。
私自身もこれまでファットイカ、TKツイスターをメインに使用してきましたが、やはり『使いやすい』と思うのは13g前後。(ファットイカが13gくらいです)
もちろんブルスライドもそこを狙いました。(13〜14gです。)
重たいほど投げ易い。と思われがちですが、個人的には15gを超えたあたりから今のタックルだと逆にピッチング時の投げにくさや、着水音を殺すことが困難になります。
一方12gを切ると一気に扱いにくくなり、そして10gになるとベイトフィネスでないと辛くなります。
以前、バックスライドは着水時点で釣れるか釣れないかが決まっていることが少なくない。とブログをアップしました。
バックスライド幅が長い方が偉い。と考えられている風潮もありますが、個人的には釣果に大差はないと思っています。
それよりも投げ易さ、キャスト精度の高さ、そしてフッキング率や耐久性。ここらへんの方が遥かに優先度が高いと思うし、そのコンセプトのもと作りました。
世にあるバックスライドワームは多くが塩ぎっしりです。
基本、ノーシンカーで使うのでこの塩がある意味シンカーです。
ただ当然、塩は水溶性なので使えば使うほど溶ける。ルアーは軽くなりフヤフヤに。そんなことも少なくありませんでした。
そこでデプス得意のコアショット製法を用いて中はギチギチに高比重にして、周りをノンソルト素材で包むことに。
こうすれば使っていても溶け出して軽くなることも無いです。
そしてこのノンソルト素材をどこまで入れるかは更に考えられていて。
このカラーがツートンなので、一番分かり易いんだけどフックを刺す位置からだいたい3節目までは全てこのノンソルト素材です。つまりオフセットフックのオフセット部がここにきます。
これ何が言いたいかと言うと、オフセット部がノンソルト素材だと強度が高いので、魚を釣ったり、スタックした際に頭の割れが少ないんですね。
この付け根を割れないようにと厚くするとフックがズレなくてフッキング率が悪くなる。薄くするとフッキング率は良くなるけどすぐ壊れる。
そこで適度に薄く、でも耐久性の高いノンソルト素材をこの位置まで入れています。
釣れたら壊れても文句言われないかもしれないけど、釣る前にガンガン壊れたら誰だって嫌だし、釣れたのに更に使えたら誰だって嬉しい。
この13gという重量を確保したままノンソルトをどうやって(どこまで)入れるかは、ストレスなく使うためにはかなり重要な部分でした。
何度も言うようにバックスライドはキャストした時点である程度釣果は決まっていると思います。
それを理解したうえで、キャストのしやすさ、フッキング率の高さ、耐久性を高いレベルで実現しているのがブルスライド3.4です。
最後に。
今の時代、高比重バックスライドは一本200円が当たり前です。たぶんその値段設定でも誰も文句言わない。
そんな中、奥村さんを始め社員の方も『皆んなに使ってもらいたいやろ』とこんな拘った製法なのに通常通りのデプスワームと同じ価格設定での販売です。
まだ今シーズンは始まったばかりですが、盛夏に向けてどんどん良くなるバックスライドの釣りを皆さんも楽しんで下さい。