ちょっと前にルアー作りにおいて『完成(もしくは直前)してもボツにされたルアーはいくつもある』なんことを書いたりしましたが、今日はその日の目を見なかったルアーをちょっとご紹介しようかなと思います。
nada.のボツアイテムはひょっとしたらどこかのタイミングで製品に格上げされたり、需要が生まれる可能性があるのでまだちょっと出せないから、ブラックバス用で絶対に蘇ることのないであろう二つをご紹介します(笑)
そもそも『欲しい』とか『作ろう』と思ったものが全て1年後、2年後に形になり商品になれるわけが無く、作り込んだけどよくよく考えると発売は難しくない?となった2ルアーです。
一つ目はペンシルベイト。
ザ・ワンに始まったこれ系のフルサイズペンシルベイト。国内だとシャワーブローズ/エバーグリーンのほうが有名かな?
シャワーブローズは遠投性能ばかり注目されがちですが、すごく多彩なペンシルで小技が凄くききます。先日の長良川取材でも活躍したルアーの一つ。
一番の魅力は180°ターン。ほとんど進まずに短い距離で左右に飛沫を上げることができます。これが簡単にできる。
その部分を更に尖らせようと作られたこのペンシルは、大袈裟ではなく220°くらいのターンが可能。なんか一点でクリクリ回って左右にピチャピチャやってる感じです(笑)
マッディシャローやオーバーハング周りでは非常に強いこのペンシルが世に出なかった最大の理由は・・・競合製品が強すぎるから(笑)
国内では限られた需要のこのタイプのペンシルはやっぱりシャワブロが強いし、海外ではこのターン力は全く必要とされません。(早く探れないから)
すんげー完成度高いのに結局お蔵入りでした。あと性能はズバ抜けて高いけど、見た目はこのままじゃダサ過ぎる(笑)
二つ目はディープクランク。
この子は僕が投げたボツルアーの中でも一、二を争うほど魚の血を吸っている秀才ルアー。ボツだけど(笑)
コンセプトはアンダー1ozでの5mダイバー。飛距離もバツグン、泳ぎ出しも最高、潜行深度もほぼほぼ5m。切削機から作られたプロトは製品に比べれば耐久性が低いので生き残ってるヤツはこれが最後。
ボツの理由は非常に単純に・・・『今の時代この手のディープクランクって売れなくね?』ってとこ。
5mダイバーは琵琶湖南湖でも間違いなく持て余すし、近年リザーバー、山上湖で真面目にディープクランク投げ込んでるアングラーがいったい何人居る?という至極、当たり前な理由でボツリストに名を連ねました。
このサイズでここまでしっかり入るクランクは意外と少ない。オーバー5/ノリーズくらい。メガバスのディープSIXより確実に潜る。アクションもしっかりウォブが入って良いのに・・・たぶん売れない。からボツ。
潜行深度の秘密の一つはリップの薄さ。ただもはやそんなことはどうでも良くってボツはボツ。
そしてこの二つから読み取れることは『欲しいだけのものを作る』のは意味がないというモノ作りとしてはごくごく当たり前のこと。
冒頭の通り、なかなか本当にここまで作り込まれてボツになるって少ないことだと思います。作る=売る、が当たり前なメーカーも少なくないし、それはビジネスの観点から見たら当たり前だし。
たぶん無いと思うけど、近い将来ペンシルとディープクランクがもし出たら、あの時のアレか。と思って下さい。ひょっとしたらフィールドコンディションや市況で日の目を見る日が来るかもしれません。99パー無いけど(笑)