kenshikuroda.com

  1. タックルの『いろは』

ブレニアスS70ML は浜名湖SPと呼んでも過言では無い。

2014年から5年ぶりにフルモデルチェンジしたブレニアス。

最近、なかなかブログをしっかり書くまとまった時間が取れずリリースされて1.2週間が経ってしまいましたが、今シーズン5年ぶりにフルモデルチェンジしたブレニアス(ロッド)の中でも、特にS70MLというモデルについて本日は掘り下げてみたいと思います。ちなみにブレニアスはシマノのブリームゲーム(クロダイ)用のブランドです。
まず先に言っておきます。このロッドは私が浜名湖でボート、ショア問わずクロダイ、キビレを釣るために今現在必要だと思われる全ての要素を詰め込みました。水面系ルアーはもちろん、シャッドや小型ミノー、14gくらいまでのバイブレーションと考えられるチヌ系プラグはなんでも来い的なロッドです。

ブレニアスS70MLにゾディアス260ML-Gの愛竿二機種。

いやいや。ちょっと待ってよ。
じゃあ昨年リリースしたゾディアスのスピニンググラス(260ML-G)はどうなるのさ?
と思った方も少なくないかもしれません。
浜名湖近隣ではシーバス用、チヌ用にご購入頂いた方も多く、ブレニアスが出ると聞いてガッカリした方も居るかもしれません。
ストレートに言えば今回のブレニアスS70MLとゾディアススピニンググラス260ML-Gの用途は丸被りです。同じタイプのルアーに使います。
じゃあ15000円程度のゾディアススピニンググラス260ML-GのグレードUP版が20000円ちょっとのブレニアスS70MLかというとそれはまた違います。
同じようなルアーを用いて同じターゲットを狙うのですが、性格が真逆なのがこの二本です。

浜名湖で愛用しているアングラーも多いゾディアス260ML-G。

まずゾディアススピニンググラス260ML-Gからご説明すると、皆さんご存知の通り粘り強いグラス素材をカーボン素材にコンポジットし軽量感を損なわない程度に魚とのファイトを楽にしてくれるトルク感を増したロッドです。

メリットは
・魚がバレにくい
・細いラインでもビッグフィッシュをキャッチしやすい
・初心者でも扱いやすい
デメリットは
・ロングキャストは苦手
・軽快なロッドワークは苦手

ゾディアススピニンググラス260ML-Gはグラスコンポジットでありながら軽快感を損なわせないためにあえて6.0ftというショートレングスを採用してアンダー100gを達成しています。
ただ逆に言えばショートレングス化しなければ最低限の軽快さを得られなかったため、他の要素を犠牲にしています。
格闘技で例えるならスピード感、軽快感こそ少ないけれどキッチリと魚をキャッチまで至らせてくれる寝技系のロッドです。

こういった不意にきた3キロクラスのシーバスを0.6号で難なくキャッチできるのもこのロッドの魅力。

一方、今回リリースとなったブレニアスS70MLは軽快感こそがウリのロッドです。

2019年フルモデルチェンジしたブレニアスS70ML。

軽量なカーボン素材や軽量コルクグリップを採用することで7.0ftレングスながら100gアンダーを達成しており(自重98g)、ゾディアススピニンググラス260ML-Gよりも1.0ft(約30cm)長いにも関わらずほとんど同じ重量です。
実際に持ち比べた軽量感はロングロッドであるはずのブレニアスS70MLのほうが軽く感じるはずです。
ちなみにソルトロッドでのコルクグリップ採用はシマノ社内でも賛否両論でした。
ちなみに私は賛成派。前例がほとんど無いけど自重的にも見た目的にも有りだと思っています。

メリットは
・長時間の使用でも疲れない
・繊細なアクションが付け易い
・飛距離が望める(6.0ftのゾディアス260ML-Gに比べて)
デメリットは
・急なビッグシーバスなんかがきたらラインが太いorドラグが良くないとキツい
・ゾディアス260ML-Gより重たいルアーへの適応能力が低い(14gメタルバイブはキツい)

軽快感と飛距離を前面に押し出したモデルで、魚とのファイトは(ゾディアス260ML-Gに比べ)若干のテクニックがいるものの非常に良く曲がり一定以上のスキルがあるアングラーであれば50UPクロダイ相手でも一切ストレスは無いはずです。
格闘技で例えるなら、パワーこそないけれど手数とフットワークで稼ぐ打撃系のロッドです。

去年はライズウォークのテストと共に様々な場面でブレニアスS70MLのプロトモデルをいくつか試していました。

今回のブレニアス開発に関しては普段、バスロッドを開発しているメンバーを含む作業だったのでシマノソルトチームとしては最初のお仕事でしたが、いつもと変わらずイメージや感覚を具現化して貰い、数度の試作でスムーズにイメージ通りのロッドに仕上げて頂けました。
全く同じルアーや用途に使う二本ですが、私にとってはシチュエーションやコンディションで使い分けをしたい両極にある性格の真逆な二本です。
どちらが優れている、という話ではなくどちらも長所と短所があり、個々のスタイルで選択してもらうのが一番かと思います。
ゾディアス260ML-Gは様々な理由でちょっとなぁ〜と思っていたアングラーの方はもちろんですが、一番はゾディアス260ML-Gを既に所有しているアングラーにこそ持ち比べて、振り比べて頂きたいロッドがブレニアスS70MLです。

プロトモデルたち。

ちなみに飛距離重視なら7.8ftモデルが!って方も少なくないと思います。
ただ個人的には飛距離はロッド長よりラインの太さに遥かに依存していると思っているので、普段0.8号を使っている方な0.6号を、0.6号を使っている方なら0.5号に変更する方が遥かに飛距離は伸びるということも付け加えておきます。
ライズウォークを始めとする高速首振り系ルアーは投げ続けるには7.0ftレングスくらいまでが限界です。(ボトム系やゆっくりなポッパーならロングロッドでもOK!)

ってことで今週末はこんなロッドのお話も交えながら店頭イベント開催です!
ロッドを実際に触ってみたい。ルアーの動かし方を知りたいなんて方は是非!

8/3(土)はイシグロ高林店さんへ是非!シマノ名物営業マンも来ます!(笑)

タックルの『いろは』の最近記事

  1. 『良い釣り道具』とは?

  2. 24カルカッタコンクエストシャローのノーマルギア化

  3. 24ツインパワー 24TWINPOWER

  4. 24メタニウムDC 24Metanium DC

  5. カルカッタコンクエストシャローエディション解体新書

関連記事

最近の記事

アーカイブ
PAGE TOP