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  1. タックルの『いろは』

26ナスキー VS 25アルテグラ

SNSなどで度々書いてきているのですが、今現在汎用スピニングリールにおいて『中価格帯』と呼ばれるプライスレンジの性能やフィーチャーがとんでもないことになっています。

左から26ナスキー、25アルテグラ、23ストラディック。

私のブログを読むような方はきっともう10年、下手したら20年くらい前から『基本リールはステラ』だとか、『買うの悩むとしてもステラがイグジストか』とか『ヴァンキッシュだけで良いでしょ』という方が多いと思います。
かくいう私も同様で、リールを頂くようになる前から『工業製品的な意味合いが強いリールでもう好き好んで中低価格帯を使うことはないだろう』と思っていました。

ただ、今現在最も熱いと私が感じているのがこの中価格帯の汎用スピニングリールたち。
アルテグラこそ30年以上名前が変わっていませんが、バイオマスターはストラディックに。ナビはナスキーへと名前を変えてシマノ汎用スピニングリールの中核を担っています。

今年のショー前にはこんなブログ記事もUPしました。全てリアルです。
何でこのタイミングか?というと、皆さん感じているように20年前に比べてハイエンドリールにある程度の頭打ち感がある中で(もうどのメーカーも簡単に壊れないし十分軽い)、これまでそういったハイエンドリールにだけ搭載されていた各フィーチャーが中価格帯に落ちてきているのがこのタイミングです。
個人的にはこれまでは『例え二世代前でもハイエンドの中古を買え』という考えでしたが、正味ここ数年は『下手に値崩れしないハイエンドの中古なら新品の中価格帯の方が良いかも』と思っています。

そんな中で、昨年出た25アルテグラ、そして今年出た26ナスキーは頭ひとつ抜きに出ている感が強く、私も営業トーク抜きにロケなんかでも多用しています。

25アルテグラにもビックリしたけど、26ナスキーも完成度高い。

現在の実売でいくと(最も多用されるC3000番)、23ストラディックで2万円ちょい、25アルテグラで1.5万円前後、26ナスキーで1万円ジャストくらい。
本日はこの中で26ナスキーと25アルテグラを徹底比較してみようかなと思います。
本気の考察です。

とりあえず両者分解しました。半端な比較はしないつもりです。
以後、左25アルテグラ、右26ナスキーです。

アルテグラ1.5万円、ナスキー1万円なので『ナスキーのちょっと良い仕様がアルテグラでしょ?』と思われがちなんですが、この2機種は設計思想や内部構造がかなり違います。

一番分かりやすいのはスプールのストローク。

スプール径(大きさ)こそアルテグラ47mm、ナスキー46.5mmとほぼ同径ですが、ストローク(長さ)はアルテグラ17mmに対しナスキーは14.5mmしかなく『アルテグラに比べてナスキーは2.5mm短いスプール』が搭載されています。

左26アルテグラC3000、右07ステラC3000。

『なんだよたった2.5mmの違いかよ。誤差だろ』と思うかもしれませんが、この『ロングストロークスプール(長いスプール)』がハイエンドのステラに搭載されたのは2007年(07ステラ)からです。
そして、ステラの次(価格的に)であるヴァンキッシュにこのスプールが搭載されたのは2019年(19ヴァンキッシュ)からです。それまでステラ独り占めだったスプールが25アルテグラには搭載されています。

26ナスキーにはロングストロークスプールは非搭載。

『ログストロークスプールじゃなきゃ釣りにならないか?』と聞かれれば問題なく釣りになります。別に魚は釣れる。
ただキャスト時のフィーリングは未だにだいぶ違います。特にPEラインで使われることが多い昨今では、この違いはより顕著だと思います。

引き続き左25アルテグラ、右26ナスキーです。

ボディの大きさはアルテグラの方が小型です。
C3000番を例にとると25アルテグラは220g、26ナスキーは235gです。
もちろんボディやローターの素材差なんかもありますが、こういった小さな積み重ねも自重差に繋がります。

にも関わらずドライブギアはアルテグラの方が大型。

アルテグラの方がボディは小さいのにドライブギア(最もメインのギア)は大型。
更にアルテグラにはマイクロモジュールギアⅡやインフィニティクロス(難しく考えず耐久性が高いギアと思ってください)も搭載されています。

ナスキーはオシュレート(シャフト&スプールの上下)もカム式

25アルテグラのオシュレートはクロスギア式

スプールの上下はボディ内の『摺動子』というパーツの上下で行っているのですが、このシステムがアルテグラとナスキーでは違います。
ナスキーは丸いギアが丸見えでコイツのお陰でスプールが上下します。いわゆるカム式と呼ばれる方式。
アルテグラは奥に見えるウォームシャフト(棒にギアが切ってあるやつ)でスプールを上下させます。いわゆるクロスギア式と呼ばれる方式。

これは先述の『ロングストロークスプール』を搭載する際にはアルテグラにも搭載されているクロスギア式がマストで、カム式では上下のストロークが足りず『ロングストローク化』出来ません。
もちろんパーツは増え、構造は複雑になります。
そこまでして『ロングストロークスプール』を載せたいし、メリットがあると私も感じています。
余談ですが、汎用スピニングリールにこの『クロスギア式』を搭載するのはシマノのみ。
逆にSWシリーズなどには各社搭載しています。
ここが一番メーカー姿勢が分かりやすくて、他社は『汎用スピニングにはそこまで必要ない』と判断しているし、シマノは逆に『汎用スピニングであってもクロスギア式はマスト』と判断しています。
両リールの摺動子周りを見ただけで分かりますが、カム式の方が構造がシンプルです。パーツも少なく『軽く』出来る。
それはそれで正解。
クロスギア式は確かに構造が複雑で、パーツも多く、軽くはできません。ただ耐久性や質感を優先できる(だから他社もSWシリーズには使う)
私は『シマノは』それで良いと思います。

ローターここも結構違います。

ここまでアルテグラ寄りの話ばかりでしたが、今回私が26ナスキーを『これは実使用には十分だろ!』と思ったのはこのローターに大きな変更があったからです。

ワンピースベールと呼ばれる継ぎ目のないベールが26ナスキーから搭載。

アルテグラには以前のモデルからワンピースベール搭載だったのですが、ナスキーには26モデルから搭載となりました。
特にPEライン使用時にはここに繋ぎ目があるかどうかは大きな差があります。
PEラインはラインが細く、しなやかで、軽いだけに、段差があれば必ずそこに絡み付きたがります。それがワンピースベールになるだけでメチャクチャ減ります。
加えてライン落ちが減るアンチツイストフィンも搭載です。
正直、ベール周りのトラブルレスはどちらのリールでも差異がありません。

ローター自重は25アルテグラで55g

26ナスキーで50g

え?安いナスキーの方が軽いの?
と思うかもしれませんが、事実その通りです。
ローター自重は巻いた際の『ハンドルの重さ』に直結します。つまりローターだけを見れば26ナスキーの方が軽快に巻ける。ということになります。
もちろん他要素も関わってくるんですが、たぶん店頭に並んだナスキーなんかを触って『え?巻き心地良いじゃん』というのは間違いではありません。26ナスキーの巻き心地はかなりイケてます。

過去にも書いていますが、25アルテグラは『24ヴァンフォードボディ×23ストラディックローター』で構成されています。
どちらもアルテグラよりも上位機種。だからこそ25アルテグラは良いに決まってます。
24ヴァンフォードボディはカーボン繊維樹脂(Ci4+軽くて強い)、23ストラディックローターは高強度樹脂で出来ています。

一方の26ナスキーはボディ、ローター共に高強度樹脂で出来ています。
ボディは21ナスキー(旧ナスキー)からの流用ですが、ローターは26ナスキー専用に作られた完全新規です。だからワンピースベールも入るし、アルテグラ(ストラディック共用)よりも同素材なのに軽量。
※余談ですが、23ストラディックのローターは高強度樹脂(アルテグラ共用)ですがボディはアルミ合金。軽さはないけど実用的にベストな高耐久性な組み合わせ。人気なのも分かる。

前半のスプールやボディ、ギア周りを見ると25アルテグラ優勢なんですが、ローター周りを見ると26ナスキーも捨て難いとなります。
そして価格差。

細かいところだとアルテグラは目隠しネジも多い。

アルテグラは目隠しネジも多くて、上の画像なんかはこのネジの上に別パーツが被るのでこのネジ自体は見えなくなります。
ここらへんナスキーは全見えです。ここらへんも違います。
もう話が逸れまくりますが、ステラとか改めて外観を見てみてほしいです。何本のネジが使われていて、何本のネジが見えるか。もう芸術の域で、初見だとパッと見は『これどうやってバラすの?』です。

長々と書いてきてしまいましたが、搭載フィーチャー、構成素材、価格差を加味すると共通点は少ないのに甲乙つけ難い2機種です。
この2機種はただの1グレード違いではなく、ステラを頂点にした、
『今の設計思想&フィーチャー搭載の中価格帯グレード版のアルテグラ』
『既存設計思想&フィーチャーだが極限まで完成度と価格を攻めたナスキー』
という違いがあります。

どっちを買っても失敗はないことは、本気で実使用している私が保証しますが、載せてるフィーチャーや構造を見る度に攻めた製品展開してるなぁ、と再認識します。
ナスキーなんてヴァンフォード1台のコストでC2000、C3000、C5000の3サイズ買えるんですよ。
アジエリアトラウトから、バスシーバス、青物まで全部イケる。

そりゃ近年ここらへんが品切れするくらい良く売れるのも納得です。

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