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  1. フックの『いろは』

チヌ用フックを開発してます(仮)

ここ数年、ソルトフィッシングの中でもチヌゲームはトップクラスの盛り上がりをみせているのですが、他魚種と違い『魚に口を使わせる』だけでは不完全で『喰わせた魚をいかにフックアップするか』が非常にキーとなるターゲットでもあります。

例えばブラックバスであればバイトさせれば多くの場合9割以上がキャッチに成功出来ますが、チヌの場合は5割超えればかなり優秀で下手をすれば20バイトノーフィッシュもザラです。
名だたるバスプロに挑戦して頂いていますがそれは変わらずです。

口の小ささと、この歯を見れば当然ですが・・・

餌釣りのターゲットとしてもファンが多いチヌ(クロダイ、キビレ)は古くからおびただしい数の針が各社からラインナップされています。
餌釣りをしない人でも餌針コーナーのチヌ針の数は見たことがあるはず。
サイズはもちろん、季節や地域、使う餌によって無数のラインナップがあります。

しかし、今現在チヌ用のオフセットフックはダイワさんがシルバーウルフシリーズでラインナップさせている一種のみ。それ以外はほぼ全てのアングラーが『バス用オフセットフック』を流用しています。

フッキング率を上げるためにロッドを改良したり、ワームを試行錯誤したりはするのに、一番肝心な『針』を流用っておかしくない?とずっと思っていました。
なら作るしかない。ということで昨シーズンオフから動いて何度か試行錯誤した上で『体感できるレベルに違うかも』という形状がやっと一つ出来あがりました。

BKKで何度もリテイクして貰った。スーパーナローです。バス用では絶対あり得ないゲイプ幅。

まず先に言っておきますが、発売の予定は一切ありません(笑)
普通なら『良いの出来たから発売しますね!』ってのが当たり前ですが、今回のこの記事は『俺はちょっとだけ近付いた!』という自慢話です(笑)
誰かに聞いてもらいたくて筆を走らせています(笑)

右は今現在発売されている中で最もナローなダブルエッジ(リューギ)との比較。

右はキロフックオリジナル(デコイ)。だいぶ違う。

市販品、試作品含めて色々試してみた結果、ミスバイトの大半はやはり『フックが口の中に入っていない』ために起きていると思います。
ゲイプ幅が大き過ぎてガードになって引っ掛かって口に入っていない可能性がかなり高い。
これはナロータイプやワイドゲイプでもサイズを下げる(=ゲイプ幅が小さくなる)とフッキング率が上がるからまず間違いないと思う。
そもそもブラックバスは『オオクチバス』と呼ばれるくらいの魚なので、口の小さくて噛み付くだけのチヌと同じ針が最適解な訳ないですよね。

左プロト、右ダブルエッジ。線径は1.5倍くらい。

小さな#2や#1のフックなのにかなりの太軸が必要ってのもチヌならでは。
ちなみにナロー具合は愛用していたキロフックから徐々にナロー化していったけどなかなか改善されなくて、頭にきて『あり得ないくらいナロー』にしたらすこぶる改善されました。
どれくらいナローかっていうと#1はゲーリー4インチグラブにをセットしようとしても出来ないくらい(笑)
つまりゲイプ幅よりも4インチグラブの下半分の方が厚いくらい。

薄身なMSクローで2mmくらいしかクリアランスがない(汗)

流石にここまでやると効果を『体感』出来る様になりました。
ただ問題は『セット出来ないワームがある』こと(汗)

口に入り易いからこのサイズでもカンヌキに刺さってくれる。

先程も書いたように売るとかは全く考えてないんですが、魚たちとの知恵比べに勝てた気分でちょっとだけ嬉しいブログ記事でした(笑)

針に限らず、市販品はもちろん、無ければ作ってまで試行錯誤出来るのが私たちの環境です。
もちろんいつか発売になるかもしれないし、この試行錯誤が未来の何かの製品にフィードバックされたりもします。
私がサポートして頂いているメーカーはどこも開発力の高いところばかり。今回のような針はもちろん。ロッド、リール、ルアー、ラインと全てで試行錯誤を繰り返させて頂けるスポンサーには本当に感謝です。

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