前回に続きトリプルフックネタです。ただ自分の年内のスケジュール確認したら今年中に完結できる自信がありません(笑)
ということで、まずは私なりのフックの最優先事項と選択基準をお話ししたいと思います。
その前に基本中の基本だけど各部の名称からいきましょう(笑)
今回お話しするうえで大切なのは『シャンク』と『ゲイプ』。それにフックの曲がるフトコロと呼ばれる部分の『ベンド』。
※こう書くと絶対にゲイプじゃなくてギャップが正しくない?ってコメントが来るんですが、当ブログでは和製英語で馴染んでいるものに関してはそのままいきます。そういった方はベイトロッド、ベイトリールをキャスティングロッド、キャスティングリールと言っててください(笑)
話しを戻しまして・・・バラシやミスバイトって悔しいですよね!
何で掛かんなかったんだよ!とか、何で外れるんだよ!ってことは多くのアングラーが年に何度も体験すると思います。
これが嫌だからみんな、フッ素コートのフックを使ったり、針先硬度の高いフックを選んだりするわけですよね。
今の時代、そういったフックのオプションが多いためそれでなんとかしようとするアングラーがほとんどなんですが、根本的に一番効果的で簡単な方法があります。
それは『フックの番手を上げる』ということ。これに尽きます。
同じルアーに6番が付いているのか、それともワンサイズ大きい4番が付いているのか。これが間違いなく一番バラシ、ミスバイトを軽減できる方法です。
私のSWで良く使うガマカツSP-MH。左は6番、右が4番。
ワンサイズでこんだけサイズが違うんだから当然、魚がバイトしたときにフックが掛かる可能性(確率は)は全然違います。
フックサイズが大きくなれば当然ゲイプ幅も広くなります。ルアーの腹部外側までフックポイントが露出されている時間と面積が広くなるためミスバイトの確率は減ります。
加えてフックサイズが大きくなれば当然、シャンクも長くなります。シャンクの長いメリットはいくつかあるのですが、アイとフックポイントのベクトル差が減るため(アイに掛かる力の方向と、フックポイントに掛かる力が同じ方向に向きやすくなる)、単純に同じ力でフッキングしたとしてもより力が伝わりやすく、しっかりフッキングできるようになります。
つまり大きいフックを使うことで掛かる確率も上がって、力のロスも少なくなる。=ミスバイトもバラシも減る。ということです。良いこと沢山なんですよ!
ですが。皆さんご存知の通り、デメリットもめちゃ増えるんですよね。
まずはゲイプが広くなることによって掛かりやすいのは魚だけでなく、当然根掛も増えます。ジャークベイトなんかのロッド操作ありきのルアーであればラインを拾って絡む確率も高くなります、
大きくなれば重くなる、水の抵抗も大きくなる。ルアーへの影響も少なくありません。動かなくなるようなルアーもあります。
ただ、単純にフックを大きくするということがミスバイト、バラシ対策には最も効果的だということは忘れないでいただきたい。
ただ針先を掛けるという意味では太刀魚用の針なんて本当に分かりやすくて、とにかく掛ける(口以外でも良い)って考えだから、とにかくワイド(幅広)ゲイプ。むしろ口の中に針を全て入れる気なんてないと思います。
画像はカルティバのですが、ジャッカルのアンチョビミサイル用(太刀魚用ルアー)のフックは更にえぐいです。私はビッグバドなんかに使っています。
ブラックバスやシーバスは太刀魚と違い硬い鱗があって、当然キャスティングで狙う魚で、かつ水面で跳ねることも多々あるわけでここまで割り切ったフックにする必要はないと思いますが、とにかく針先を魚に掛けるということを考えるとこんな形状になると思います。
さてそこで現実的なブラックバスやシーバスに使えるフックの話しに戻すと、当然針先は掛かって欲しいんですが、口の周りは硬いししっかりした鱗もあるので、ただ掛かるだけじゃなくてある程度の貫通力が欲しくなります。
左はガマカツRB-M、右はガマカツトレブルEWG(日本未発売、トレブル21と同形状異加工品)です。
貫通力を高める方法は二つあって、一つは上で記した通りシャンクを長くしてアイとフックポイントにかかる力をできる限り同方向(同ベクトル)にする方法。
もう一つは画像のトレブルEWGのように針先を内傾させるようにベンドを曲げ、針先に掛かる力をアイ方向にもっていき力のロスを減らす方法。
こういった針先が内傾するようなベンドの曲げ方をスプロートベンドと呼ばれていて、逆に一般的?に綺麗にアールを描いている(RB-Mみたいな)ベンドの曲げ方をラウンドベンドと呼ばれています。
シャンクを長くして貫通力を上げる方法(主にラウンドベンドに多い)はフック全長が長くなるためフック同士の絡みが増えやすく、ラインを拾い易くなるため、単純に貫通力を高めるだけであればフックポイントを内傾させたスプロートタイプのほうがメリットが多いように感じます。
が、しかし・・・スプロートタイプにはもう一つ欠点があります。
バサー誌で自分が書いた原稿の画像ですがこれが一番わかりやすかったので引用させていただきます!
貫通力が高いというのはあくまでも『フックが一本掛かり』というのが前提です。
フックポイントが内傾しているスプロートタイプの最大の欠点はここで、画像上図のようにもし針先が二つ刺さってしまった場合、二つの傷口を広げながらでないとフッキングできないため極端に刺さりが悪くなります。傷口が広がっていれば抜ける=バラす可能性が上がることも否定できません。
といことで今日の内容をまとめると、一番ミスバイト、バラシを軽減するためにはフックを大きくするのが一番!
ただそれができない環境やルアーがほとんどなので、せめてロングシャンクにして貫通力を上げるか、ワイドゲイプにして掛かるか確率を上げつつ貫通力を高めるためにフックポイントを内傾させる(スプロートベンド)かの二つの方法が現実的。
ただスプロートベンドは、もし二つのフックポイントが刺さったら極端に刺さらなくなるよ。って感じ。
その上での今現在の私なりの具体的な製品の使い分けと、作ってみたいフックの形状を明日以降更新していきたいと思います。・・・時間あれば・・・。