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  1. 考え方の『いろは』

28歳に教えてもらったこと。

先週末は様々なトーナメントが各地で開催されていました。
私も毎日夕方に結果や速報を見るのが楽しみでスマホをポチポチしていました(笑)

そんな中の一つにU-30ドリームトーナメントがありました。

30歳以下の若手のみが出場できる大会で、昨年同様秋に新利根川戦が予定されており、その総合順位で年間優勝者が決まります。
昨年は今期からTOP50シリーズにエントリーしている宇佐見素明選手が年間優勝でした。

さてそんなU-30ドリームトーナメントなんですが、浜松から一人の選手が参加していました。

伊原諒選手

彼は元々ソルトアングラーで釣り自体始めたのもここ数年です。
私の浜名湖ガイドに数年前に一回乗ってくれたのですが、その際に『もう俺のガイドには乗らない方が良いよ。引っ張られてコピーになる』と話したのを今でも覚えています。
その後彼は浜名湖のトーナメントにも参加するようになり、たぶんここ2.3年ずっと2位に甘んじていると思います。

負けず嫌いな彼はすぐに牙を向けてきますが私は嫌いじゃないです(笑)真剣に取り組んでるんだと思う。

貪欲で勉強熱心で努力家の彼なんですが、今年初めに『U-30ドリームトーナメントに参加してみようと思う』と私に伝えてきました。
昨秋のライブ配信がキッカケだったのか、バスフィッシングをしてみたくなったのかは深く聞きませんでしたが『やりたいと思ったならやってみたら良いんじゃない』と答えたと思います。

正直内心は『あのメンバー(TOP50で私と競っている選手やローカルで有名な若手も複数エントリーしている)にはそう簡単に勝てないって。ただそうやってボコボコにやられるのもまた経験』と思っていました。
だって昨年、ブラックバスを友人と遊びで1匹釣ったことがあるだけで、本格スタートは4月から。
U-30ドリームトーナメント津風呂湖戦は7月半ばですからね。
実質、3ヶ月。どうにかなるとは思えない。

4月。私の早明浦ロケの合間のオンラインサロンメンバー同船釣行に彼は来ました(笑)

伊原くんは私のオンラインサロンにも入ってくれているので、早明浦にも二日間遊びに?バスフィッシングの練習に?来ていました。
浜松から寝ずに高知まで走って、2日釣りして、また寝ずに車で帰っていきました。若い(笑)
彼は賢いのでこの時も最初から『1匹も釣れなくても良いから黒田さんの釣り(バスフィッシング)を2日間見て全部の質問に答えてほしい』と言っていました。
事実この時は初日カバー撃ちをメインにしたんですが、彼は5.6発喰わせて上げられたのは魚がデカくて向こう合わせが効いたこの1匹だけでした。
ソルトだと通しのモノフィラライン(フロロ)を使うなんて皆無だし、カバー自体にルアーを直接投げてそこからフッキングをするなんてソルトではまずあり得ません。
ただ彼はミスをしながらも『なるほどなるほど黒田さんとはここが違うのか』とか『これキャスト精度最重要ですね』と自分自身で読み解いていったように思います。

彼の今大会の装備。

伊原くんは4月までにレンタルエレキ&バウデッキを中古で購入して、魚探類とバッテリーは普段浜名湖のマイボートで使用しているものを流用。
レンタル用デッキとライブウェルは私のものを貸してあげました。
ちなみに今試合は私がある程度知識のある津風呂湖でしたが、私から教えてあげたのはだいたいの規模感だけでスポットやルアーは一切何も教えてあげていません。

浜名湖の大会があったりしたので、毎週末とはいかなかったはずですが5月6月7月前半と毎月4.5日浜松から津風呂湖に通っていたそうです。
彼は他選手と違い『津風呂湖の練習』と『バスフィッシングの練習』を同時に進めたはずで、慣れない遠征も相まって大変だったと思います。
6月に一回ご飯を食べた際には『一つだけ津風呂湖の釣り方見つけました。試合でも使えるかも』と言っていたのを記憶しています。
個人的には途中でも書いたように『ボコボコにやられてこい(笑)それも糧になる』くらいで思っていたのが本音です。

2日目リミット揃わずだったけど・・・

彼にプレッシャーを掛けたくなかったので大会期間中連絡はしませんでしたが、彼はあの91人の手練れの中で初日6位スタート。
2日目リミット揃わなかったものの21位で、最終成績は8位。

上位の皆さま見事な魚でした!

本人は2日目の順位を悔しがっていましたが、初日だけだったらマグレと言われても仕方ない中で、2日目もキッチリグッドウェイト持ち帰るのは自力以外の何物でもないです。
伊原くんの上にはTOP50シリーズでも活躍している吉川永遠プロや宇佐見素明プロと錚々たるメンバーが並びます。

正直、浜松から送り出した私としては申し訳ない気持ちも強くあります。
『まだバスフィッシングを初めて3、4ヶ月。通用しないけど良い勉強になるはず』
と思っていたけど彼は立派に戦ってきた。

ライブスコープでブラックバスを映したのは彼は4月の私との早明浦が初めてだったはず。
そんな中、必死に津風呂湖の沖を練習して見事な成績を残してきた。

これはきっと伊原くんに限った話ではなく、20代の吸収力や集中力って私が想像する何倍も凄いんだと思います。
最近は『もう今からライブスコープ練習しても上の人達には追いつけない』なんて耳にしたり、私自身も『そうかもな』って思っていたりしたけど猛省です。
一番の敵は『もう今さら・・・』って気持ちだし、一番の武器は何事にも『とりあえず本気でやってみるか』と動くことなんだと私自身が彼から教えて貰った気分です。

使ったアイテムなんかも綺麗に画像撮って報告してくれました。

若者で『沢山練習した』と書くとどうしても『お金持ちの自由人かな』と思われがちなんですが、彼はお医者さんをしています。
かなりハードな仕事のはず。その中で時間を捻出して練習をしていました。
私に浜名湖で負けた日の夜に『今日の当直は足取りが重い』なんてSNSに書いていたこともありました(笑)

彼より上手いアングラーはあの会場に沢山居たとは思いますが、私は8位伊原諒選手に改めて色々なことを教えて貰ったU-30ドリームトーナメント津風呂湖戦でした。

改めて開催に尽力された運営及びサポーターの皆さん、91名の選手の皆さんお疲れさまでした。

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