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  1. ルアーの『いろは』

MSクロー 3.6インチ

今週末、デプス社より私がプロデュースした『MSクロー3.6インチ』が発売されます。

デプス社HPより。
右が2.6インチ、左が今回の新作3.6インチ。

『あぁ前出した2.6インチのサイズUPバージョンね!』と思われる方が大半だと思うのですが、用途に合わせてほぼ全てを設計し直してあります。
本日はせっかくなのでその拘りを皆さんに知って頂ければと思い本記事を書いています。

MSクロー3.6のファーストサンプルのデータは2022年夏に作っていました。

まずMSクロー2.6インチは2022年6月に発売しました。
用途はバスフィッシングであればヘビーダウンショットやライトテキサス(3.5g前後)、最近はTOP50プロにはカバーネコなんかにも使われています。
サイズ感と特徴的なボディのリングから『がっつりカバー用』というよりは、個人的には『ツインテールシャッドテール』という位置付けです。
発売後、霞ヶ浦水系を中心にTOP50シリーズで私を3回のお立ち台に導いてくれました。
2回はサブパターンでのヘビーダウンショット用に、1回はメインリグとして4gテキサスで。

昨年のTOP50北浦戦準優勝はMSクロー2.6を用いたライトテキサスでした。

その他にも私の中ではソルトゲームでも欠かせないのがMSクロー2.6インチです。
こちらも発売以来沢山の魚を連れてきてくれています。

ソルトシーンでも欠かせないのがMSクロー2.6インチ。

宜しければ発売当時の詳細ブログもご覧ください。

2.6インチ発売時からサイズUP版はずっと欲しくて、当時すぐにデータを作り始めました。
特にバスフィッシングだとやはり3インチ半前後のクローワームは全国どこに行っても手放せないですからね。

サイズはちょうど1インチ大きくした90mm(3.6インチ)。
まずは単純な2.6インチのデータを等倍拡大して、カバーにガンガン入れていくことも考慮してフックをセットするセンターラインだけソリッドにすることに。

ファーストデータは単純な2.6インチからの等倍拡大。

2.6インチと違い、センターだけソリッドに。

私の場合は自身でデータを弄っていくので、ここらへんは言葉の伝言ゲームなく自分のイメージ通りに作ります。
そのデータをデプス社に送り、モックを作って貰いシリコン型へワームを流して貰う作業はデプス社にお願いするやり方。

悪くない様に見える。

悪くない様に見えるんですが、実際使うと問題点が発生。
カバー打ってるとアームが簡単に取れる。等倍拡大だと3.6インチにしてカバーをガンガン打つと付け根が弱過ぎる。
アクションは問題ないんだけど作り直し。

そして単純に厚くしただけだと今度は動き出しが悪い。
再度やり直し。

結局アームも触りだして、違う形状のアームも作る。

これが2023年頃でちょっと迷走気味でした。
アクション優先にするとカバー撃ちでパーツが取れ過ぎる。
強度重視にすると低速や動き出しが悪い。
足踏みしていた2023年(笑)

この頃のサンプルでも問題なく釣れるのは釣れてました。ただちょっとイマイチなんだよなぁ。これは2023年秋。

そして途中で気付く。
『アクションが安定しないのはアームじゃなくてボディのリングが悪さしてないか?』と。
2.6インチに比べて当然、サイドのリングが深くなるので水噛みが強すぎてアームに水が当たる前に乱水流を産んで不安定になる。

2024年1月の遠征先で気付いて、ホテルで『ボディ側』を修正したのを今でも覚えてる(笑)

アームの付け根はちぎれない様に強い方が良いので厚めに設計して、ボディのリングをアームに干渉する箇所のサイドから表裏に変更。
結果はバッチリでした。嬉しい。

デプス社HPより転載。前半のサンプルから製品版はリングの位置が大幅に変更されているのが分かるかと思います。

手前→単純な2.6インチの等倍拡大
奥→かなり厚めに付け根を修正。位置も多少調整しています。

この2024年最初に作り直したデータ(たぶん8回目か9回目)がすこぶる良くて、何度も(ワームを)流して貰って実釣でもガンガン使いました。

ここまで手流し品。テキサスやジグトレーラー、フリーリグと色々試して使いやすいかしっかり確認。

フォールやスイミング、ズル引きと泳ぎ方も問題なし。
満足して量産前の簡易金型に移行。

2024年秋。ここから簡易金型品。パーツ多いけど湯流れも問題なし!

昨秋にGOを出して、この度発売となります。

上記した様に各パーツのアクションレスポンスの良さはもちろんご覧頂きたいんですが、同時に使える『フックサイズの大きさ』もご覧頂きたいです。

デコイ社のキロフック#4/0をセット。アイも埋め込んでいます。

通常の3インチ半クラスのクロー系ワームはおそらく#2/0くらいのオフセットフックを使うのが一般的かと思います。
一方で、MSクロー3.6インチは#4/0までは普通に対応します。2サイズ大きくても大丈夫。
私の場合はストレートフックなら#4/0、オフセットフックであれば#3/0か#4/0を用います。
当然、フッキング率の向上やバラシ率の低減に直結します。

ちなみにMSクロー2.6インチにはオフセットフック#1が基本です。2.6インチなら一般的には#3とかになりますが、MSクローなら大丈夫。

胴長だからこそ可能なフックチョイスです。

本来であれば胴長に設計すればフックサイズは上げられますが、アームやレッグ部が短く小さくなりがちでアクションが出しにくいです。
そこで目一杯水を噛む爪の形状にしているので低速からスイミングまで安定してアクションするのがMSクロー兄弟です。
胴長でありながら同クラスの他クローワームと遜色ないアピール力を有しています。

左純正、右重ためテキサスやジグトレーラーで使うチューン。

フリーリグやフットボールヘッド、軽めのテキサスではそのまま使うのがベストですが、重ためのテキサスですり抜けを最優先したい場合や、ジグトレーラーでラバーと干渉してしまいそうな場合は上部パーツを切り取って私は使っています。
ここらへんは好みの部分ではあるんですが、左右6本づつ計12本の小さなレッグは全てシャッドテール形状にテーパーが付いているので個別にバイブレーションします。
まずはそのままお使い頂きたいです。

房総リザーバーの実釣動画も近日公開です。

カバー撃ちが大好きな私の、かなりの自信作です。
是非、今シーズン皆さんの釣果に繋がりましたら幸いです。

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