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  1. タックルの『いろは』

『良い釣り道具』とは?

毎年このショーのタイミングで思うこと・・・というか、年々強まっている思いが一つあります。
『良い釣り道具』って何なんですかね。

24ツインパワーが出てもちろん良いリールなんですが、20ツインパワーも大差なく良いリールです。

昔の釣具って欠点も多く、明確に改善して欲しい箇所がありました。
今でこそ『日本の釣具=世界最高レベル』と評されますが、リールではシマノやダイワ、糸ではクレハや東レ、ヨツアミ、ゴーセン、針ではガマカツやオーナー針が1980年代から約半世紀掛けて築いてきた技術と実績だと思います。
ただ2010年くらいから技術や素材の進化は鈍化してきているのもまた事実で、これは別に釣具に限った話では無いと思います。

今回、大阪フィッシングショーで『ジョルタク』さんというYouTuberの方の撮影にご協力(質問に私がお答えする)させて頂く場面がありました。
動画内でも私自身が話していますが、ジョルタクさんは人気釣りYouTuberなんですが、失礼ながら私は存じ上げず、ショー終わりで様々な動画を見させて頂きました。
私とはまた違った形のマニアックな方でした(笑)

ジョルタクさん

皆さんご存知の通り、私は釣りを生業にしています。
プロと呼ばれる方の中には他に本職があったり、主収入が他にあるなんて方も沢山いらっしゃいますが、私の場合は収入の100%が釣りに関するものです。

そんな私にとって釣り道具は100%『仕事道具』であって、1%どころか0.1%や0.01%でも魚が釣れる可能性が上がるものが『良い釣り道具』です。
過去にたった2g差で優勝を獲得して、そのたった2g差での2位との賞金額の違いは200万円なんてこともありました。

そんなこともありました。

ただ、上記したようにどの釣り道具も完成度が高まり切っているここ10年くらいは、私が釣りの現場で感じる0.01%の違いなんかより、デザインを優先したいってアングラーが少なく無いのは当然だと思うし、今回偶然出会ったジョルタクさんのように完全にバラして工業製品的な視点から自分が使って満足できる釣り道具を楽しむって方も居て当然だと思います。

釣り道具って本当に不思議で、一番高いとされるリールでも10万円も出せば誰だって近所の釣具店で手にすることが出来ます。
これが例えば野球やサッカーであればトッププロのシューズやスパイク、バット、グローブは特注品で私たちには買うことどころか触ることすら許されないだろうし、釣り同様の道具の多いスポーツであるゴルフなんかもツアープロのクラブは特注品だと思います。
モータースポーツに目を向ければ、彼等の跨るマシンは数千万、数億円は当たり前で、私たちが日頃乗っているバイクや自動車がどれだけ高級なものでも比較の対象にはならないくらい特殊で『一部の人にしか扱えない物』だと思います。

釣り道具は皆さんが購入できるものと全く同じ物をプロや専門家達も使っています。

10年以上前までの釣り道具は根本としてもっと改善したい箇所が明確にあり、それを改善することが皆んなが共通に持つ主目的でした。
一方でどの釣具も実用レベルで大差が無くなった今は、ちょっとした意匠(デザイン)の違いや、スタイル(釣りの趣向という意味)の違いでの合う合わない『=良い悪い』と多くの釣り道具分野で語られるようになっている気がします。
本来、他スポーツ用品のように『プロにはプロ用を特注で』、『それとは別に汎用(販売用)を』と出来れば良いのですがそれはそう簡単ではありません。
そして実際には過去には沢山の『プロ用』が製品化されてきて、沢山売れて一般化したものだって少なくありません。
『レーシング』って入ったものは釣り道具の中には沢山あるし、凄い売れた物も沢山あります。しかしそれには何故か『耐久性』や『汎用性』が求められていつしか『名前だけのレーシング』になってしまったものも1つや2つではありません。

どうしてもプロ用と汎用を明確に分けられない以上、『プロが使うと高性能』『上手ければ使える』という意見や物は単視点過ぎると思うし、一方で『デザイン』や『性能よりも使い易さ』を最優先にする意見や物もまた単視点過ぎて違うと思います。

今の時代、限りなく相反するこの両面をメーカーに求めるのはかなり酷です。
書いてきたように性能重視の『プロ用』と、使い易さ重視の『汎用』を両ラインナップさせた方が早いのかもしれない。

ただ今現在、それをしていないのであれば両方が満足するものを目指しているし、私やジョルタクさんが大好きなシマノならやってしまう、やってくれると信じているんだと思います。

そんな激論を初対面のジョルタクさんとはさせて頂きました。
是非、ご覧ください。
ジョルタクさん。私の無理な要望をきいていただき本当にありがとうございました。また来年激論を交わせること楽しみにしています。

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