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  1. エクスプライド&ゾディアス

エクスプライドLMシリーズ

毎年お約束の新製品紹介ブログです。
例年同様、YouTubeチャンネルでも詳しく語らせて頂いておりますので、宜しければそちらも合わせてご覧ください。

いつも通りの前置きになりますが、新製品は私がご紹介するもの以外にもあります。
例年通り『自分ルール』で自身が開発に携わったり、テストに参加したもの、今シーズン以降、メインに使うもののみのご紹介です。
他製品に関しましては是非シマノオフィシャルHPやシマノYouTubeチャンネルをご覧下さい。

エクスプライドに新シリーズが追加となります。

他の新製品と違い、今製品のみあくまでも『追加』の範疇です。
ただ他製品同様、私が色々と心血を注いだモデルになります。宜しければご覧ください。

現在のエクスプライドは2022年に発売された3世代目です。
エクスプライドの初代は2012年、初めてのモデルチェンジが2017年、そして現在のモデルが3世代目ということにあります。
これまでに私自身様々な機種を企画、開発させて頂いてきました。
製品になったものもあれば、ボツになったもの、未だ製品化されていないものまで様々です。

そんな中から、今年3機種(シリーズ全4機種)がリリースとなります。

今年新しく加わるのはローモジュラス(低弾性カーボン)のLMシリーズです。

LMシリーズは主に『巻物用』として2017年の前シリーズからラインナップ自体はありました。特段新しいものではありません。
2022年のモデルチェンジ後、現行エクスプライドにはLMシリーズのラインナップはありませんでした。
その理由は『軽量なカーボンモノコックグリップとの相性が悪いから』でした。

シマノのアイデンティティといっても良いカーボンモノコックグリップが邪魔をする。

低弾性カーボンロッドは(高弾性ロッドに比べて)適度に曲がって適度の重さがあるため、巻物などの釣りには非常に相性が良いです。
まず良く曲がるのでキャストがし易い。ルアーのアクションも感じやすいです。
では単純に高弾性ロッドを柔らかくすれば良いかというと同じようなフィーリングにはならず、低弾性カーボンは柔らかいというより『反発が弱い』のが特徴です(だから低弾性って言うんですが笑)。
それなりに硬くしても、ある程度負荷が掛かると曲がりこんでいくようなフィーリングです。

ただ同時に低弾性カーボンはそれなりに自重があるため軽量に作るには限度がありました。
ブランクス自体は軽くできない、でもグリップ周りは22エクスプライド以降はカーボンモノコック化して軽い。
当然、この2つを組み合わせるとグリップが軽くてブランクスの重たい『先重りするロッド』しか作れません。
これがもっと高価格帯のロッドであれば他にも様々な手段もありますが、エクスプライドのようなコストにある程度の制限があるようなロッドでは限界がありました。
同時にただでさえニッチな低弾性カーボンロッドで5万10万ってなかなかユーザー的にも買い揃えたり、使い比べたりってなかなか難しいと思います。

とはいえ、17エクスプライド時代に自分が必要なLM番手は一通り作り終えていたので、個人的には十分でした。
ジャークベイト用には旧エクスプライドの165ML+を、ワイヤーベイトには旧エクスプライドの165MH-LMがあれば十分でした。

ただここら辺の機種の再生産の問い合わせがシマノに多く寄せられたり、ネットオークションやフリマアプリで現行エクスプライドより高い値段になってしまったりしているのをここ数年見ていて申し訳なく・・・というよりは『だったら現行販売されているうちに買ってくれよ!』と本音では思っていました(笑)
個人的には現行の内に躊躇なく買ってくれた方にも、簡単に次のモノ出したりして裏切りたくないですしね。

エクスプライドに関しては『いついつ発売用のプロト』というよりは自分が欲しいものを好き勝手作らせて頂いています。なのでまだ発売予定にないLM番手もいくつもあります。

そうこうしていたらシマノ側が折れてくれました(笑)
『もうグリップいじって良いからLMシリーズ出しましょう』ロッド企画がそう言ってくれたのが2023年でした。

今回のエクスプライドLMシリーズはエクスプライド初の非セパレートグリップ&ストレートコルクです。

今回のエクスプライドLMシリーズにはストレートコルクを採用しています。
何かのロッドの流用でもなく、オリジナルシェイプのストレートコルクです。
コルクグリップ、特にストレートコルクってロッドパーツの中でメチャクチャ高いんですがエクスプライドではほぼ価格据え置き(上代で1000円高いくらい。実売数百円高いだけ)で搭載されます。
2万円のロッドでストレートコルクって皆無だと思うんですが、今回黒田は勝ち取りました(笑)

ほぼ同じ長さのカーボンンモノコックとコルクストレートを用意。

ってことで、じゃあどれくらい重量差が生まれて、本当に低弾性カーボンロッドのバランス取れるの?と思う方もいらっしゃると思うのでほぼ同レングスの両グリップを用意しました。
どちらも現行エクスプライドの製品版です。

カーボンモノコックは55gほど。

コルクストレートは72gほど。

自重が全然違うのが分かって頂けると思います。
厳密にはコルクってめちゃくちゃ軽いです。むしろコルクが素材としては最も軽いはず。
ただストレートコルクにすることで重量調整がしやすく、その軽さを生かして軽量ロッドに合わせることもできるし、逆に今回のような比較的自重のある低弾性カーボンなんかとバランスを取って作り出すことも可能。
今回はその後者を活用した形です。

シーズンに入ったら再度、各番手の詳細な使い方は個別に書くと思うので本日は簡単に私が企画した3機種についてご紹介いたします。

ジャークベイトやトップウォーター用の165ML-LM。

前モデルでは165ML+として私の代名詞的機種だった一本。
前回は中弾性カーボン×グラス少々でスローテーパーで粘りのあるブランクスを生み出していたのですが、今回全く同じフィーリングを低弾性カーボンだけで生み出しています。
ジャークベイトはもちろん、トップウォーター(ポッパー、ペンシル)やソフトジャークベイト(サカマタシャッドのノーシンカーとか)に最適です。
かなりのスローテーパーなので投げ易く、アクションさせ易いです。

グリップ長はもちろん前作と全く同じです。

前作を持っている方にも明確にブラッシュアップを感じて頂ける機種だと思います。

シングルフック巻物に是非使って頂きたい165MH-LM。

前作と全く同じ165MH-LMをラインナップ。たぶん前シリーズの中で最終年の追加だったので最も数か少なかった機種です。
前作を完全に踏襲していて、スピナーベイトやチャターベイト、バスベイトなんかの『シングルフック巻物』に是非使って頂きたい機種です。
あとはトリプルフックプラグでもフックが大きく太軸なものが中心のルアー。ハネモノとかトリプルインパクトみたいなノイジープラグ向きです。

165ML-LMとMH-LMの2機種は前作と全く同じグリップレングスです。

6.5ftの2機種はどちらもブランクスのレングスは6.6ft同等です。
どちらもグリップを6.6ftよりも1インチ短く設計しており、中近距離でのキャスタビリティや取り回しを優先しています。
飛距離が必要でないリザーバーや、中近距離での釣りが中心となる霞ケ浦水系、取り回しが大切なレンタルボートフィールドなんかで活躍してくれます。
どちらも『既に前作を持っている方にも買い直す価値がある』と思って頂ける出来だと私が保証します。

最後は少し特殊な2ピース低弾性ロッド。168M-LM/2。

今回、一機種変わり種として2ピースの低弾性ロッドがラインナップされています。シマノでもLMシリーズの2ピースロッドは初なはず。
個人的には『なんでもそつなくこなせるLM機種』で、一般的なクランクバイト全般や、それこそMLで扱うようなジャークベイト、トップウォーターに、MHで扱うようなスピナーベイト、チャターベイトなどまで大体何でもできます。
ただその全てが80点くらいです。何でもできるけど広く浅くな低弾性ロッドです。

ソフトベイト(シャッドテール)の巻きとかもできます。

中途半端ロッドに感じるかもしれませんが、作った後最もボートに乗る機会が多いのがこのロッドです。
『まぁ乗せとけば何かに使えるだろ』って感じで作った本人最も重宝している機種です。

この3機種にアメリカの深江プロが作った173MH-LM(こちらも前エクスプライドにあったLM機種)を加えた全4機種が今年エクスプライドに加わる新LMシリーズです。
是非、各ショーや店頭で触ってみてください。

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