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  1. 考え方の『いろは』

Bカスタム〜奥村和正〜

先週末開催されたバサーオールスタークラシック2022。
清水盛三プロの優勝で幕を閉じました。

つり人社YouTubeチャンネルより。

私は大会前週にDEPS代表、奥村和正選手の練習に同船させて頂きました。
バサクラ前日に自身のブログでも書きましたが奥村さんは他選手とはまた違った気持ちや覚悟で戦った選手だったのではないかなと思います。

私がご一緒させて頂いた練習日にBカスタムでキャッチした1500gクラスのキッカー。

今回の奥村さんのメインルアーはBカスタムにサイレントキラー。初日2匹をキャッチしたショートディスタンスのスピナーベイティングは見事でした。
スタイルを崩さず、しっかり魅せてくれました。
ライブのコメントやSNSを見ていると『普段、広大な琵琶湖がホームなのにショートピッチのキャスト上手い』って声が多かったんですが、皆んな何か勘違いしていませんか?
少なくとも私が同船させて頂いた試合10日前はもっと精度は低かった。その前はそれより低かったと思います。
おそらく実際に初めて霞ヶ浦水系を釣りをして、自分自身で必要性を感じて『たった7日間の練習』であそこまで仕上げたんです。
普段使っているリールと全く違う性能が必要でダイワ社に連絡して頭を下げて手配もして貰っていました。
『プロだし出来るんだろうなぁ〜』くらいの軽い言葉で済ませて欲しくない。
皆さんに少しでも良いパフォーマンスを見て貰うために、今まで不必要だったスキルを必死の努力で獲得したんです。
努力の跡なんか一切見せずに。それが奥村さんです。

初日終了後。手前はメインとなったピンクのBカスタム。

デプス社の処女作のBカスタム。私の記憶が確かなら1997年頃リリースだったはず。
皆さん今でこそデプス社の代表作といえばカバースキャットやサカマタシャッド、デスアダーをはじめとしたソフトベイトかもしれませんが、当時を知っている方はデプス=Bカスタムのはずです。

そしてBカスタムには数多くのドラマがあります。
デプス及び、Bカスタムが一躍有名になったのは間違いなく今江克隆プロのお陰です。
1998年。JBスーパーバスクラシック。私は当時まだ中学二年生でした。
予選を琵琶湖、翌週に河口湖で決勝という今では考えられないスケジュールのこの試合。
おそらく日本のバス史上最高賞金額の試合だったはずです。勝ったのは今江さん。

その時、予選の琵琶湖でまだそこまでメジャーでなかったデプスから出たばかりのBカスタムでJB公式史上初の60UPをキャッチしたはず。3/4ozのブルースモーク。当時の雑誌誌面を今でも私は鮮明に覚えています。
ここがデプス社の大きなターニングポイントだったと思います。

ステージ上の奥村さん。

実は大会前日(オフリミット)に私のところに今江さんから電話があって『クロちゃん奥村って来てるの?一回も会わんのやけど(笑)』と仰っていました。
※今回奥村さんは琵琶湖の自身のボートではなく、デプス安江プロのボートで参戦
その時は私からはボートが違うことだけをお伝えしたんですが、今江さんは『久々に話ししたいねん。明日会えるのが楽しみやわぁ』とだけ仰っていました。

初日終了後、湖上で奥村さんと今江さんがボートを隣にして話をしているのを見て、98年に中学二年生の私が見たら泡吹くくらいの経験をさせて頂いているなぁとつくづく思いました。
そしてタフな霞ヶ浦でそんなBカスタムを信じて握りつづけ、今江さんと戦っている奥村さんを見て私はもちろん、当時をリアルタイムで知っている人は皆んな胸に込み上げるものがあったんじゃないかと思います。

試合終わりの今江さんと沢村さんがどんな話をしたかは秘密ですが(笑)

レジェンドの皆さんは多くを語りません。だからこそレジェンド。
そんな裏話まで含めて皆さんにお届けするのも私の役目だと思っています。

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