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  1. 考え方の『いろは』

憧れとJB会長

本日から鹿児島は奄美大島に来ています。
私にとってとても大切な撮影です。これまでの人生で一番大切な撮影。

今朝は羽田から鹿児島まで移動。

さて、そんな話はまたもう少し先にして。
日曜日、そして月曜日に起きた話を少し皆さんにお伝えします。

お越し頂きました皆さまありがとうございました。

日曜日。
予選落ちした私は、大会最終日にイベント運営で『親子釣り教室』に船長として参加していました。
私を含めて5名がバスボートで横利根川(大会エリア外)にて親子と一緒に釣りをする企画。今大会で初めて試験的に行われました。
一親子2時間×2回で、5人のプロで計10回の教室が開かれました。
募集の10枠対して数倍の応募があったそうです。普段なかなか乗れないバスボート。しかもトッププロが本気で戦う為に仕上げられた仕様です。
倍率が何倍にもなるのは当たり前かもしれません。

私も2組の親子と2時間づつご一緒させて頂きました。
釣具は持ち込みが基本だったんですが、せっかくなので『何か使ってみたいタックルある?』と、とあるお子さんに聞いてみると『アンタレスDCが投げたい!』と即答をされました。
ただ皆さんご存知かもしれませんが、関東の霞ヶ浦水系でのボートフィッシングではなかなかアンタレスDCの出番はありません。
重たいものを遠投するのがアンタレスDCの一番の活躍どころですからなかなか出番はない。
ボートストレージには試合のまま全タックルが入っていましたが、残念ながらアンタレスDCは投げさせてあげられませんでした。
逆に私から『何でアンタレスDCなの?村田さん?秦さん?の影響?』と聞き返してみると『投げた時の音がカッコイイ!』と答えてくれました。
そうか。用途とかプロモーションとか関係ないよね。カッコいいかどうか。子供にはそうだよな。と思いました。

TOP50最終戦の表彰式。
2年連続年間優勝に輝いた青木プロが壇上で『最近息子が釣りにハマっていて。凄く嬉しい。ただシマノリールが欲しいとか言われるんですよ(笑)』的なことを語ってくれました。もちろん会場では沢山の笑い声が上がりました(笑)
翌月曜日、今大会もSDGマリン艇庫で青木さんが隣で色んな話をさせて頂いたんですが、片付けながら改めて『黒田。DCで軽いルアー投げられる機種ってなんかある?息子が欲しがってて』と真面目に聞いてきました。
私は『あれネタじゃないんですか?一応アルデバランDCがあるんですけど、アルファスCTで良いじゃないですか。アルデバランDCと変わらず軽いルアー投げやすいですよね』と答えました。
すると青木さんは『いやー。DCじゃなきゃダメなんだわ。あのキーンって音が鳴るリールを学校で皆んな使ってるらしくて。IMZだと流石に軽いの投げられないじゃん』と教えてくれました。

あら。2日連続同じ話。

近年、SNS上では『魚探ばかり見る釣りに若い世代が憧れるか』『セコ釣りばっかでバスプロに憧れる子供が居るか』なんて議論がたまに為されます。
その是非は分かりませんが、実際のところは子供ってもっともっとシンプルなところを見ているように思います。
男の子なんて基本『カッコイイ』かどうかが選択や行動の原動力です。
魚探を多用する釣りや、小さなルアーを使う釣りを認識するのなんて随分大人になってからです。

誰もがキン消し集めてた時に原価なんて考えなかっただろうし、ポケモンやってた時に任天堂の株価なんて考えなかったでしょうから。
大人が考える『皆んなが気になるところ』なんて子供視点では全くピントが合っていないことって多いように思います。

かくいう私は。
小さい頃、バストーナメントの、バスプロの、何に1番憧れたかなと思い返すとTSUTAYAで借りてきたビデオ(VHS)で、今江プロが出演していたリアルバスフィッシングの一コマでした。
これはワールドシリーズ(現TOP50シリーズ)が出来る前の1995年?の今江さんの1年のトーナメントトレイルに密着している作品なんですが、霞ヶ浦戦の帰りに首都高でバスボートをランクルで引っ張って走行しているシーンがあります。
これを見て中学生の時に『カッコイイ!日本でこんなことしてる人が居るのか!』と衝撃だったことを今でも強く覚えています。

タンドラ×フルサイズバスボート

今大会、予選落ちした為にウェインショーでMCを勤めさせて頂きました。
暫定上位のトレーラーウェインが始まる前に私から『凄い車とボートがここから皆さんの前に入ってきます。皆んなこのセットで全国をトレイルしています。持ち込まれる魚と合わせてその迫力をご覧下さいね』とアナウンスしました。
ブラックバスは確かにカッコイイ魚ですが、トーナメントトレイルの一番の花形は私は、どデカい車とド派手にラッピングされたバスボートだと思っています。
アレだけは100kg以上のマグロを釣るような船長やアングラーも『凄い迫力だよね!』と皆さん口を揃えますからね。

今現在、私はLXとタンドラという2台の車を使い分けてトーナメントトレイルをしています。
正直、冷静に考えればランクル1台あれば事足ります。特にタンドラでボートまで牽引したら困ることだらけです(笑)
ただ続けられる内は、続けたいと思います。
大人には『これセットでいくらするんだろ』と思うだけかもしれませんが、あの頃の自分のようなちょっとマニアックな子が何も考えずにカッコイイって思うかもしれませんから。

今日の後半はまた少し違ったお話です。

今大会、JB(日本バスプロ協会)会長の山下茂さんが会場に来られました。
もちろん今シリーズの締めの挨拶は会長が務められました。
山下会長は元々、歯に衣着せぬ発言やドラスティックな決断・判断などをされる方なので、時にその発言やジャッジに賛否が巻き起こることもあります。
『所属選手として団体会長に時に否があるなんて書いて良いのかよ』と思う人もいるとしれませんが、人それぞれ考え方は色々ですからね。
あくまでも賛否であって、正誤ではありませんから。全員が同じ意見になるなんて元々不可能です。

そんな山下会長の少し長い締めの挨拶でこんな話がありました。

『今、野球やサッカーのメジャースポーツでもやる人は減って、見る人だけが増えている。だからスポーツ用品店やスポーツメーカーはそのスポーツの人気とは裏腹に経営が難しくなっている。JBを支えてくれたり皆んな(バスプロ)をサポートしてくれているのは大半が釣具メーカー。我々が本来今やるべきことは単純な視聴者増ではなく、釣りをする人を増やすことではないか?』
というお話でした。
これをあの場で理解しながら聞いていた人が何人居たかは分からないけど、改めて私は『山下会長凄い一面あるな』と思わされました。

現状、有識者である業界関係者も、プロのメディア関係者も、そして匿名アカウントの誰か分からないSNSの発言も、その全てが『魅力ある配信、発信をして視聴数を増やせ。そうすればもっと釣り人は増える』という姿勢です。これに誰も疑っていない。
ただもし、毎週末凄く魅力的なライブ配信があったら。面白い発信があったら。
もちろんその数は伸びるに決まっています。
今回のTOP50最終戦だってもし有力選手数名にライブカメラが乗って配信されていたら、たぶんかなりの試聴数だったはず。
『皆んな釣りに行くのを辞めてライブ配信を見た』かもしれない。

山下会長からは『もう一度、しっかり考えろ』という内容だったように思います。

もちろんライブ配信や魅力的な発信がダメだという内容ではありません。むしろ今後益々、その重要度は増します。
ただ『ライブ配信が盛り上がる=釣り業界が盛り上がる』という短絡的なメカニズムでは決してないこと。ひょっとすると間違えると逆効果になることもあり得る。

SNSを開けば今日も山のように釣りや釣り業界、バスプロの在り方の議論が有象無象に行われています。ただ意見の種類は1、2個でほぼ同じことを言い回しを変えて違う人が発信しているだけです。

その中で全く違った角度で、誰かが言ったことの焼き直しではなく、納得感ある意見は久々に聞いたように思います。
今はご高齢ではありますが、このキレでJBを日本最大のトーナメント団体にしたんだと改めて感じました。

今後も引き続き私自身、ライブ配信で撮影される側、ライブ配信を行う側、両方に立つ機会は数え切れないくらい来るはずです。
今回の内容も忘れず意識していきたいなと思わされました。

評価辛めの山下会長ですが、今大会午前中から会場に居て、上記の話をする前に『今大会、非常に盛り上がっているのに水を挿す形で申し訳ないけど』という前置きをしてからお話をしていました。
あの辛口山下会長から見ても盛り上がっていたんだなと思います(笑)

選手としても、一関係者としても。
自分のスキルアップとは別にまたしっかり考えていかなきゃいけないなと感じています。

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