今日のお題は19スコーピオン(ロッドの方です)。
今年のフィッシングショーで関東でも関西でもかなりの注目度でした。
もちろん他のシリーズはフルモデルチェンジや新規シリーズが無かったので、唯一フルモデルチェンジした19スコーピオンが騒がれるのは当然だし、昨今の多様化しているルアーフィッシングにおいて必ずしもブラックバスだけにとらわれないコンセプトのスコーピオンやワールドシャウラは非常に人気の高いロッドだからでもあります。
ただ、より騒がれた理由として直前の動画配信で村田(基)さんご本人が『今回のスコーピオンは初代ワールドシャウラ(青シャウラ)と全く同じ』と発言されたことで、より火が付いたという背景があります。
私のところに『実際にはどうなんですか?』と問い合わせがいくつも来るほどの破壊力でした(笑)
私を昔からご存知の方、もしくはこのブログを最初から読み返したことのある方(笑)はご存知かと思いますが、元々私は青シャウラユーザーでした。
主に2010~2011年頃にシーバスゲームでのメインロッドとして使用していました。(当時の動画はYouTubeで探してください 笑)
メインで使用していた機種は2651R、2652R、2702R。
ガイド数が必要以上に多くなく、小型でもなく、PEラインはもちろん当時、モノフィラメントラインをメインに使用していた私にはこれ以上ない使い易いロッドでした。
その後、ワールドシャウラは赤シャウラ→現行シャウラとモデルチェンジ&アップグレードが行われてきましたが、その中でも初代である青シャウラは今でも人気で10年前と大きく変わらない値段で取引がされているような人気モデルでもあります。
村田さんが発表した通り、今回の19スコーピオンは青シャウラがベースで作られています。それは当時の青シャウラの番手と見比べるとほぼ同じなところからも分かるかと思います。
ただ一部変更点があり、それによってどう変わったのかをちょっとだけ私の方で解説してみたいと思います。
まずは青シャウラより19スコーピオンが勝る点です。
※ここから先、シマノマニアでないとついてこれない内容が続きます(笑)
①青シャウラはハイパワーXのみ、19スコーピオンはハイパワーX(ティップ側)とスパイラルX(バット側)の両方
正確に言うと青シャウラにも最終追加年の数アイテムにはハイパワーX、スパイラルXの両方が使用されていましたが、それまでの機種(私がメインで使用していた機種含む)にはハイパワーXだけの使用でした。
ハイパワーXとは捻じれを抑制するための構造(外層のシマノ特有のぼこぼこしてるやつ)で、スパイラルXはメインブランクスをらせん状に内と外からX状に巻いて潰れに強くする構造でこちらは=薄くしても強度確保ができるということになります。
そもそもブランクス技術という意味では青シャウラよりも19スコーピオンの方がより最先端で高度な技術で作られていて、当然より軽量で強度的にも19スコーピオンが優れているということになります。
②リールシートがかなり軽量化
青シャウラはウッドのリールシートでしたが、19スコーピオンのリールシートは現行の最上位機種たちと全く同じ超軽量素材(Ci4+)でできています。
この部分は趣などの趣味的感覚を除けば、軽くて損はない(軽いリール使っているのと一緒)パーツ。
青シャウラのこの部分は個人的に大好きだけど、『釣竿』としてのスペックは間違いなく19スコーピオンが上回っています。
と、変更点が細部とは言っても青シャウラからスペックとしてはかなりアップしているのが19スコーピオン。
なんですが。良くなった部分ばかり書くのは個人的に好きではないので(笑)、逆に青シャウラの勝る部分、19スコーピオンのほうが劣っている部分についても書いておきたいと思います。ここまでやって初めて比較です。
①ガイドがチタンSICからステンレスSICになった
リング自体はどちらもSICですが、フレームがチタンの青シャウラとステンレスの19スコーピオンという違いがあります。(青シャウラはY形状、19スコーピオンはK形状)
皆さんご存知の通りステンレスのほうが重たいので当然、重量増になります。
もちろんステンレスガイドのメリットもあって、不注意で曲げてしまったとしても復元時に折れやすいチタンと、折れにくいステンレスということで、そこにメリットを感じる人もいると思いますが、重量的には青シャウラのガイドのほうが軽いということには変わりがありません。
②19スコーピオンのほうが塗装が厚い
皆さんあまり気にしませんが、釣り竿の塗装の重量って実はかなりのものです。
塗装の有無で自重や振った際のシャープ感はかなり変わります。
青シャウラには見た目的にも特徴的だった(レインボー)チタンセラミック加工という特殊な外層コーティングが施されていました
。当時、初代カーディフエリアリミテッドとかにも採用されていたあれです。
今回の19スコーピオンはより強度的にも強く、傷の付きにくい塗装が施されていますが、同時にしっかりしているため重量増になります。
釣竿においてブランクスカラーや塗装は、俗に言うコスメという見た目の部分に属しますが、性能的にも非常に重要だと思っています。
以上が代表的な19スコーピオンと青シャウラを比べた際の優れている点、劣っている点です。
長所短所をどちらも加味すると、結果的に村田さんのおっしゃる通り19スコーピオンは青シャウラ以上の完成度と言えます。
これに技術的な進歩と、ロッド作りの味付けを加えて青シャウラの約半分の価格でリリースされるのが19スコーピオンです。
気になる方は名古屋キープキャスト及び店頭で触ってみてください。
もしくは直接、村田さんや私への質問でも構いません(笑)