すいません。年末に10日もブログ空けちゃいました。
SNSをご覧の方はご存知かと思いますが、この10日間は関西方面のスポンサーさまにご挨拶&打ち合わせに行ったり、大雪の中釣りしたりしていました(汗)
SNSとオンラインサロンはほぼ毎日更新してるんですが、ブログはある程度内容あるものにしたいので更新回数少なくごめんなさい。
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今日は浜松帰ってきてボートと車2台を洗って、掃除機かけて一日が終了!もう面積が大き過ぎる!!
ちらほらと年末の挨拶なんかを見るようになってきたんですが、私のブログはまだまだ全く年を越せません(汗)
書きたいことが山ほどある。
ので、年内に書いておかなきゃなことを優先順位付けて書いて行きます。
そんな本日29日は『01ステラは欠陥商品だったのか』というお題でいってみたいと思います(笑)
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この子が問題の2001年ステラ。通称01ステラね。
まず最初に私のブログに登場するステラは全て私物です。
加えてミレニアムステラ(2000年)を除いて全て当時新品で買って使っていたものです。
後々、中古で買い漁ったわけではなく、約25年私はステラを使い続けてきました。
唯一持っていないのが92ステラで(当時7歳だから無理)、ミレニアムステラはシマノ社でインストラクターになった際にとある方がお祝いに新品のデッドストックをプレゼントしてくれました。
シマノ契約プロとか関係ない私の想いがこのリールにはあります。
さて件の01ステラですが2001年に発売されたモデルです。
20年も前のリール。なぜ今更そんなものを話題に出すのか。
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左からミレニアムステラ(2000年)、01ステラFW(2001年)、04ステラ(2004年)。
この01ステラは面白くて、まずはステラなのに2種類が存在しました。
一つはAR(オールラウンド)と呼ばれるモデルで海水対応のアルミ合金メインのボディのもの。いわゆる本来の純血ステラです。
もう一つがFW(フレッシュウォーター)と呼ばれるモデル。その名の通り淡水専用でマグネシウムメインの構成。軽いステラでした。
当時の時代背景としてはダイワ社がTD-Zシリーズなどで軽量リールをバンバン出していた頃。
当時はロッドもリールも軽さが正義の時代で、250gクラスのステラに対し、200gアンダーのダイワのリールは強い優位性を持っていました。
ただ軽量にすればステラのシルキーさや重厚感は失われるためそれぞれを際立たせるための『FW&ARシリーズ』だったのではないかと思います。
そんなステラは次の04ステラ(2004年)で再びシルキー&重厚感のものだけに一本化されます。
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04ステラでは一本化。
そして軽さを追求したモデルは2012年に初代ヴァンキッシュとしてリリース。
ステラとヴァンキッシュという特性の違う2ハイエンド体制が築かれて今へと至ります。
さてそんなある意味異質だった01ステラ(特にFW)ですが、このリールは『史上最高のステラ』という声と『欠陥リール』という両極端の意見に分かれます。
何故か。
それはミレニアムステラ、01ステラ、04ステラにのみ搭載されていた『スーパースローオシュレート』という機能が関係しています。
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この3世代のステラに搭載された機能。
スーパースローオシュレートとは単純に言うと、
『巻き上げ時にスプールの上下動が遅い』
機能のことを指します。
つまりスプールがゆっくり上下動するため、ラインの巻かれていく間隔が狭く、俗に言う『密巻き』状態になります。
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こちら現行の18ステラ。だいたい7〜8回転でスプールが上がり切る(下がり切る)。
現行18ステラ(2500番)はだいたい7〜8回転。
これは07ステラ(2007年)のAR-Cスプール採用以降は約15年変わっていません。
さて一方の01ステラ(2500番)はというと。
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だいたい13回転で上がり切る(下がり切る)。
つまりスプールが上下動するスピードが現行ステラの約半分くらいということになります。極端に遅い。
ちなみに同じスーパースローオシュレートですが、ミレニアムステラ→01ステラ→04ステラとマイナーチェンジされており、最も遅いのがミレニアムステラ。
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今回計測すると約15回転ほどで上がり切る。(下がり切る)
ただミレニアムステラは他年式のステラと比べると極端に流通量が少ないので『スーパースローオシュレート=01ステラ』という認識が強いです。
さてではなぜ、このスーパースローオシュレートを搭載されたステラの評価が二分するのか。
まずはこのスーパースローオシュレートにより密巻きされることにより、
『飛距離』
『ドラグ性能』
が飛躍的に向上します。
どういうことか。
密巻きにするということはキャスト時にはラインの上下動が少なくなり、当然それによるライン放出時の抵抗値が減るため飛距離が伸びます。
それはドラグ性能にも言えて、ドラグはスプールが逆回転してラインが放出されるんですが、密巻きだとそのライン角度(正確にはラインとラインローラーの角度)の変化が少ないため安定した均一なドラグになります。
これは構造的なものなので、20年経った今でも(原理的には)この性能を超えることは不可能だと思います。
ちなみに福島健プロや北大祐プロがついこの間までライトライン時に01ステラを使っていたのはこの二つの機能が優れていたからで、未だにTOP50シリーズには愛用者が普通に居ます。
愛用者は皆んな口を揃えて『これ以上はない』と言いいます。
では何故、このスーパースローオシュレートをシマノは07ステラ(2007年)で捨てたのか。
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今のステラの礎を築いた07ステラ(2007年)。
とにかくスーパースローオシュレートはライントラブルが多い。それに尽きます。
上記してきたように現行ステラの倍くらいの密巻きなので当然、ラインの食い込みが発生したり、下のラインが上のラインを跨いで一気に出てしまうことが多い。
対処法はいくつかあるんですが、それでも万人受けするかは難しいところだと思います。
当時、とあるシマノ契約プロが『下手くそには使えないステラです』と公の場で言ったことがあるくらい尖った性能だったと言えば使ったことのない方でも理解してもらえるかと思います。
ここ20年くらいで釣りを始めた方はご存知ないかもしれませんが、天下のステラにもそんなピンピンに尖った年式のモデルがあったんです。
ちなみにここからは黒田の自慢話です。
上記したように07ステラ(2007年)でシマノ社はスーパースローオシュレートを諦め、AR-Cスプールを開発し一気にライントラブルを改善しました。
その設計思想は現行ステラでも変わりません。
となるとAR-Cスプールにスーパースローオシュレートを組み合わせるとどうなるのか?
が当然気になるわけです。
何度もになるんですが、スーパースローオシュレートはミレニアムステラ、01ステラ、04ステラにしか搭載されていないのでそのボディをベースにスプールをAR-Cスプールにしたい。ただ07ステラ以降のはスプール全長が違って当然付かない。
ただ実はAR-Cスプールは厳密に一番最初に搭載されたのは07ステラじゃない。その前年の06セフィアと06ソアレ(どちらも2006年)にAR-Cスプールという名前はまだ無いけどそのコンセプトモデルが付いてるんです。ほぼAR-Cスプール。
そこで当時(2009〜2012年頃)の私は、04ステラに専用パーツを自作してもらって06セフィア&ソアレのスプールが付くようにして使っていました。
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当ブログから遡って拾ってきました(2010年3月の記事)。2009〜2012年頃を読むと度々出てくるはず。
嘘偽りなく当時、自分で試していたものです。
当時は2台の04ステラに06セフィアと06ソアレのスプールを付けた2台を07ステラと共に愛用していたのですが、その後その2台は私の元から五十嵐誠の元に渡り、彼はこのリールを使ってTOP50シリーズで二勝を飾ってくれた、私の中でも思い出深いリールです。
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JB/NBCのHPより。TOP50桧原湖戦、五十嵐プロの優勝タックル。
五十嵐さんそろそろ返してもらえますか?(笑)