今週末、フィッシングショー開催ということで各社2018年カタログも店頭などに並び色々な新製品情報が溢れていますよね。
全メーカーの全商品を触るのは不可能だと思うので、僕も自分が関わった製品を皆さんにショーで触っていただきたい!ということで本日はそんなロッドの紹介です。
現在、私がメインで使用しているエクスプライド&ゾディアス。
そのゾディアスの中に、なかなか個性的な一本が追加されます。
ゾディアス260ML-Gというモデル。
シマノの番手表記に詳しくない方は分かりにくいかもしれませんが、スピニングのグラスコンポジットモデルです。
実は、昨年シマノ社との契約と同日に私の方から企画書として挙げさせていただいたエクスプライド&ゾディアス追加機種案として生まれた一本です。
ちなみにですが『プロト品』とか『テスト品』として作成されたもの全てが世に出るわけではありません。
事実、私が出した企画案のうちプロトを作成する段階まで進行できるもので約七割、更にそのうちの約半分が途中で色々な事情でボツになります。
ボツにならなかったものも翌年にリリースなのか、翌々年なのかは決まっていないし、市場に必要性が生まれて且つ完成度が高いもののみが製品になれます。
そういう意味で企画案提出時には『まず製品化してもらえないだろう』と思っていたのがこのグラススピニングでした。
なぜそう思っていたかというとグラススピニング自体、メガバス時代に3、4年続けて提案し続けていたものの、結果として製品になることは一度もなく、その理由も誰もが考えるものだったからです。
ただでさえ(カーボンロッドに比べ)売れないグラスロッドのスピニングモデルは商業ベースとしてはメーカー的に出したくないロッドだと思います。
ただ私の中では非常に使い道のあるのがグラススピニングで、特にメガバス時代にはシャッドやボートシーバスにおいてグラススピニングはなくてはならない存在でした。
当時はF3-58TXSという初代デストロイヤーにラインナップのあった5.8ftのMLアクションを購入して使用していたのですが、特に細番手PEなんかとは非常にマッチングしたロッドでした。
とはいえ20年前のロッドですから、ガイドやリールシート周りのパーツは古いし、ブランクス自体がグラスコンポジットの中でも重く、今ならもっと良くアップグレードできるのに・・・と思い続けていたわけです。
さて、そんなこんなでシマノに企画書を出したのですが当然最初は作ってもくれませんでした。試作してみるリストにも入っていなかったはずです。
そこで、せめて試作だけでも!と粘りまくった私。(最悪自分の分だけあればよいから 笑)
そこで根負けしたシマノバスロッド開発の雄(問題児とも言う)であるIさんが、半ばやっつけで全く他のロッド(バスロッドかすら定かではない・・・)のベイトロッド用に試作していた何タイプかをレングス、パワーごとに何本か試作してくれた気まぐれからスタートしました(笑)
おそらくですが、とりあえず作れば黒田黙るだろうという対応だったと思います(笑)
ただこれが不思議なことに試作していただいたうちの何タイプかはイマイチだったんですが、短い何本かはすこぶる使い勝手が良い!重さも全く問題なし。
スピニングでメインに使うような各種シャッドから(画像はスーパースレッジ)・・・
ベイトで使う人も多いようなレギュラーサイズミノーまで(画像は阿修羅)。
もちろん0.4~0.6号くらいのPEや、ボートシーバスまで様々な条件で使っていました。
そんなこんなでこんな良いロッドができるなら出さないわけにはいかないでしょ?ということで、一問答、二問答あったものの製品としてラインナップされることとなりました。
プロト初期はエクスプライドで考えられていたためEXP(エクスプライド)表記になっています。
アクションも製品になった260ML-Gよりも一番手柔らかいLアクション。これも良かったけど260ML-Gのほうが汎用性が高いのでそちらが製品に。
そんなこんなでアクションは極めてグラスっぽいパラボリック(胴調子)で、MAX12gまでの表記ですがワンテンクラスまで背負える粘る感じです。
PEなんかを使うと本当に良く分かるのですがベイトのグラスロッド同様、キャストやリトリーブの快適さと、バイト時やファイト時のロッド全体でのクッション性が持ち味です。
以前のグラスロッド及び、皆さんのイメージの中にグラス=重たいといった固定概念があるかと思いますが、
ゾディアス260L-Gに限って言えば100gアンダー(実測97g前後)で、同シリーズの64Lとほぼ同等に仕上がっています。
そしてゾディアスシリーズなので当然、1万円ちょっとが市場価格になるかと思います。
ここらへんも、グラスのスピニングに5万円とかは私でも少し戸惑うので結果的にゾディアスのラインナップで良かったんじゃないかなぁと思っているところです。
バットガイドはYSGです。・・・とか、グリップ長は持ち重りを減らすために・・・とか、PEで使うことも考慮してガイドセッティングが・・・とかいろいろあるのですが、ただでさえ市民権のないグラススピニングを難しくするのはナンセンスだと思うのでこんなもんにして(笑)
と、いうことで私にとっては普通のロッドなんですが(笑)おそらく未知のロッドとして感じている方も多いと思いますので、是非これから開催される各地のフィッシングショーで触ってみてください。
ただロッドティップを下げて巻くことしかできないグラスロッドではなく、ロッドワークも可能な軽快な使い心地のグラススピニングに仕上がっているはずです。
次回は深江さんと揉めに揉めたエクスプライドのジャークベイトロッドのお話をしますね。
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