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  1. フックの『いろは』

ブリームオフセット#3

2023年に私自身がデザインしたブリームオフセットっいう『対チヌ用オフセットフック』をリリースしました。
サイズは#1と#2の2サイズのみの割り切ったラインナップ。
形状も割り切っていて、おそらく『世界で最もナローなオフセットフックなんじゃないの?』ってくらいの形状です。

パッケージに半分ギャグで『ありえないナロー』って謳い文句を入れたら、製品名ではなくてこちらで呼ばれることが多いです(笑)

試行錯誤の経緯なんかは当時のブログで詳細に記しています。

上記発売時のブログでも書いていますが、私がメインとするMSクロー2.6インチは胴長の為、#1を組み合わせるのが基本で(これが欲しくて作りました)、おそらく皆さんが多用するようなクレイジーフラッパー2.8インチを始めとした3インチ以下の通常ボディのクロー系ワームには#2が最適でした。私の場合はスイングインパクト3みたいなシャッドテールワームのに#2を使っていました。

ただ発売同年にケイテック社からクレイジーフラッパー2.4インチが発売されたり、根強い人気のリトルスパイダー3インチは胴が短く#2はとてもセット出来なかったり、はたまたシャッドテールワームも2.5インチクラスまで多用する人が近年増えるなどしていて『#3が欲しい』とここ3年間色々なところで言われてきました。
チヌアングラーが増えて全国様々なエリアで以前に比べてプレッシャーが掛かっていることも関係していると思います。

都度書いていますが、私が欲しいものだけを作っているので最初は乗り気じゃなかったんですが、昨年までの2年間の間とにかくブリームオフセットをずっと売り続けてくれている問屋さん、小売店さん、使い続けてくれているユーザーさんから、変わらず2年間言われ続け根負けし(笑)昨年プロトを作って自身で試していました。

右からブリームオフセット#1、#2、#3の順です。

#3を作るに当たり、どうするか悩んだのは形状やサイズ感よりも『線径(太さ)』でした。
形状は下手に触るのが怖すぎるので#2をそのまま縮小したんですが、順当に#2より細くすべきか、そのままにするべきか。

上記した発売時の3年前のブログにも書いていますが、ブリームオフセットは一般的なオフセットフックよりも15%前後太軸です。
具体的には#1で1.0mm、#2で0.9mmです。
バスフィッシング用のオフセットフックに見慣れているとちょっと違和感を感じる太さのはずです。
ただこれはもちろん『対チヌ用』としてあえてのセッティングで、クロダイキビレの引きの強さはもちろん、特に伸びの少ないPEラインがメインになるので針に掛かる負担が大きいからこそです。

正直、ブリームオフセットを愛用頂いている方からは他に類を見ないナローゲイプよりも、この太軸に関して評価頂くことが多く『伸びない・曲がらない』を評価して頂いています。小さくて太いオフセットフックって本当に少ないんですよね。
その為、#3も#2同様の0.9mmを採用しました。針自体が小型になるのでより太く感じるかもしれませんが0.9mm同一です。

そして昨秋試していて感じたことがあります。

そしてここからはメリットなのか、デメリットなのか判断が難しいところのお話です。
私がホームとする浜名湖は特段デカいチヌやキビレが釣れるフィールドではありません。35cmがアベレージで40cmを超えたら『良いサイズだな!』って認識です。
全国様々なフィールドに行くからこそ分かるんですが、東京湾や大阪湾、名古屋や九州エリアに比べると、下手したらアベレージはマイナス10cmくらいかもしれません。
特に秋は小型の魚が成長して増える為、バイトが無数にある一方でボトムに絞るとフッキング率が著しく低く、サイズが伸びにくいという特徴があります。

そんな昨秋、このブリームオフセット#3を試していたんですが、この小型サイズがことごとくフッキングしてしまいます。

手のひらサイズのクロダイやキビレを沢山釣りました。これはこれで楽しいのは楽しい。

上記したように#2の単純な縮小ではあるんですが、小さくなることでよりゲイプ幅も狭くなっています。
当然、より小さな口に入りやすい。

これをメリットと取るか、デメリットと取るかは人それぞれだと思います。
ご存知の通り私は競技思考なので数を沢山釣ることよりも、(レギュレーション内での)ウェイトやサイズを上げることを主目的にすることが多いです。
もちろんこれは#3テスト時に多用したクレイジーフラッパー2.4やリトルスパイダー3の釣獲力の高さあってこそではありますが、個人的に昨秋は体験したことがないくらいこのサイズを#3のプロトを使って釣り上げました。

上からクレイジーフラッパー2.4インチ、リトルスパイダー3インチ、スイングインパクト2.5インチ。フックは全てブリームオフセット#3。

もちろんあえてこういった従来よりも小さいベイトを使用してサイズを狙う地域やメソッド、シーズンもあると思います。もちろん私にもそれはある。
そういった方にはこのサイズでこの線経は今まで皆無だってだはずなのでそれだけで武器になると思います。
一方で、無闇に使うと無限に掛かりやすくなってしまうのでご注意頂きたいです。

なので変な言い方ですが、使い所やイメージが沸かなければいきなりお試しで大人買いとかしない方が良いです(汗)
イメージが沸かず、『こんなサイズの口入るの?』くらいならまずは2.3パック買って使ってみて貰えたらなと思います。
なので私はこれからも変わらず#1、#2の方が使用頻度は高いです。
新番手紹介記事でネガキャンみたいですが、嘘つきたくないしこれが本音です(笑)

問屋さん、小売店さんのお陰で今回も自己満プロダクトとは思えない、ありえない数を作らせて頂きました。本当にいつもありがとうございます。

#3制作に当たり、#1#2も完全にリストックしました。
今ならフルラインナップで揃えています。
発売から3年が経ちましたが、まさかの初年度から変わらない数を毎年作っています。
ご愛用頂いている皆さん、お取り扱い頂いております小売店さま、問屋さま、重ね重ねお礼申し上げます。

今週出荷済みですので、早ければ来週頭には店頭に並ぶかと思います。
よろしくお願い致します。

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