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  1. 考え方の『いろは』

早野プロと佐々プロ。

霞ヶ浦戦のちょっとだけおまけ話です。

登場人物は早野プロと佐々プロ。

大会2日目。
帰着後、検量の為に潮来港で各選手横並びに船を5〜6隻繋いでいくんですね。
私の隣に繋いだのが偶然早野プロでした。
検量後、早野プロに『黒田さんいくつでした?』と聞かれたので『4キロちょいだったよ』と答えました。2日目のトップウェイト。
彼(早野プロ)はその後『そのパターン知ってる。北浦でしょ。』と言ってきました。
私は彼が毎日、霞ヶ浦方面に走っていたのを知っていたし、別にここでどう答えても真似をするような選手ではないので私は素直に『そうだよ』と答えました。
『今日の黒田さんくらいが北浦のMAXですよね』と彼は続けました。
早野プロも『北浦で釣る方法見つけていたなら、霞ヶ浦でも釣れる方法は分かっていたはず』ってことまで分かっていたはずなので、『何で霞ヶ浦勝負しなかったんですか?そっちの方がウェイト伸びる可能性あったのに。バッティングを嫌がりました?』と聞いてきました。
もう全部正解です。その通り。
ちなみに早野プロとは5日間の練習ですら一回も会ってません。

早野剛史プロ。2018年の年間優勝獲得者。

つまり(霞ヶ浦をメインにしている)自分と試合中にバッティングしないことと、私が予選2日間で釣ってきた魚の構成なんかを見ただけで彼はここまで言い当てました。
全部正解。

そしてもう1人。佐々プロ。

現在年間ランキング暫定トップ。

試合後、アップされていた彼の釣り方を見てすぐに『私が感じたこと、気付いたことに限りなく近いことを感じて、そしてそうやって喰わせたんだな』と思いました。
ルアーが似ているとかじゃなくて、魚のコンディションの読み解きが似ていてアプローチ方が違うだけだったと思います。
どう考えていたのかをお互いに話した訳ではないけど、早野プロ、佐々プロは部分部分で私と同じような感覚で今大会は挑んだんだろうなぁ、と思っています。

私たち3選手はSDG Marine(昭和電機社)、シマノ社、ガーミン(ジーフィッシング社)と3社のスポンサーが共通しています。
どこも大きな企業や会社です。
ここまで共通しているとキャラ被りしそうなもんですが、ストイックな早野プロと、紳士で穏やかな佐々プロ、一番幼稚でうるさい私と全然個性が違います。
釣りのスタイルも何でもオールマイティにこなす早野プロに、繊細なアプローチが得意な佐々プロ、釣りが大味な私と3人全く違います。

今回3人が綺麗に6、7、8位と並びました。

3人全員が『あと1匹のキーパー』を釣っていればお立ち台に上がっていました。順位は一つづつ違うけどその差は極めて僅差。
私だけでなく、3人全員がこの僅差に悔しい想いをしたはず。
ウェイト差なんて本人が言わなければほとんどの人には見られることすらありません。3人には『お立ち台に上がれなかった』という結果だけが残ります。
結果確定後。
3人で『6位以下全員一緒』なんて話をしていると、真っ黒に日焼けした昭和電機社CEOの柏木さんが近付いてきました。
『見事に3人並んだな(笑)全員あと1匹。惜しかったな』
そう言ってくれました。
競技は着いた順位が全てです。
どんな背景があっても1gでも軽い方が負け。その明確なルールの下に成り立っています。タラレバはなし。

ただ柏木さんは自身がトーナメントやレースに出ているからこそ、その順位や内容を理解してくれることが少なくありません。

何度もになりますが、競技である以上着いた順位が全て。
ただそんな勝ちを目指して戦った結果、ライバルが自分のやっていることをすぐに見抜くくらいの好敵手であること。そしてそれに気付いてくれる人がスポンサーのボスであることに再びワクワクした第3戦霞ヶ浦でした。
この想いを胸に後半戦も頑張ります。

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