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  1. タックルの『いろは』

2020 メタニウム NEW Metanium

数年前までシマノの新製品は年末の各雑誌に掲載されることがほとんどでした。
ただここ数年は決められた日にシマノ側が(主にHPで)第一発信をするかたちなっています。
これは我々契約プロも同じで、開発に携わっていたものなんかは随分前からリリースを知っているけど戒厳令が敷かれています。
そんな2020年のシマノ情報解禁日は今日1/14。
昨年、一昨年もバンタムやアンタレスを誰よりも早く詳しくUPしたのと同様に、今年も自分が携わらせて頂いたものを誰よりも早く、そして詳しくいってみたいと思います(笑)
※今年も当ブログの新製品ネタは全部黒田本人が撮影したものなのでリンクフリー、画像転用フリーと致します。好きに使って下さい。黒田ブログから借りたよ!のクレジットを入れるかどうかも個々の判断におまかせします(笑)

まず一発目は20メタニウム!から。

冒頭でも記しましたが、基本私が書くものは自身が携わったものだけです。
(契約している身として)カタログのデータだけを書き写すような内容にはしたくはないし、使ったこともなく批評をするのは嫌なので、開発理由や過程、特性を自分なりに落とし込めるものだけです。(ので、他にも新製品はあります)

まず一発目は4年ぶりにモデルチェンジするメタニウムから。
たぶん一番多くのアングラーが気になっているリールでもあると思います。

真上から。

ハンドル側前から。

見て頂いて分かる通り、バンタムにも採用されたコアソリッドボディが採用されています。
コアソリッドボディって何だっけ?って方には、18バンタムで採用されていたフレームと従来、本体Bと呼ばれていたスプールを外したり遠心ブレーキ調節のためにカップ状になっていたパーミングする側のボディが一体で成形されているボディのことです。当然、一体化することにより剛性感が増し様々なメリットが生まれます。

20メタニウムのメインフレーム。マグネシウム合金製。

18バンタムで初めてこのコアソリッドボディが採用されたのですがバンタムはあくまでもアルミ合金製。今回の20メタニウムはマグネシウム合金でできています。
本体A側もマグネシウム合金でできていて、フルマグネシウムです。

もちろん本体A側と呼ばれるギアボックス側もマグネシウム合金製。

左が18バンタムのアルミ合金製コアソリッドボディ。右が20メタニウムのマグネシウム製コアソリッドボディ。サイズ感は似てます。

ただアルミ合金からマグネシウムになっただけか。と思われるかもしれないんですが、これがなかなかに生産が大変らしく。
各ショーでもこのメインフレームは展示されると思うので是非、触りに来て欲しいところ。バンタムのメインフレームとの重量差も感じて欲しいです。

スプールの蓋だけは変わらずアルミ合金製。通称フレームB受と呼ばれるやつ。

さて変わったところはボディだけではありません。
スプールは19アンタレス同様のMGLⅢスプールが採用されています。幅狭のナロースプールなあいつです。

下が20メタニウム搭載のMGLⅢスプール。上が16メタニウムMGLに採用されていたスプール。幅の違いはたった3mmですがよく分かります。

16メタニウムMGLのMGLスプールは22mm幅。一方の20メタニウムのMGLⅢスプールは19mmと約3mmの差です。
どう違うか?と聞かれると投げて下さいとしか言えないんですが、一言で言うと19アンタレスと全く同じスプールだと思って下さい。

19アンタレスと互換性は無いけど(シャフトが違う)、基本スプールは同一。あのフィーリングがメタニウムでも手に入ります。

18バンタムに採用されたコアソリッドボディのマグネシウム版、19アンタレスに採用されたMGLⅢスプールと完全に良いとこどりな20メタニウムですが、マニアックな方には最後にもう一つパンチの効いたアップデートがあります。人によってはこれが一番のアップデートかもしれません。(私はそうでした)

左が16メタニウムMGLのメインギア、ジュラルミン製。右が20メタニウムのメインギア、ブラス(真鍮)製。

メインギアがブラス製になります。おそらく私の記憶が確かならブラスギアに戻るのは随分前のメタニウムXT以来。
16メタニウムMGLに採用されていたようなジュラルミンギアは20メタニウム採用のブラスギアに比べて格段に軽いです。その差はギアだけで10g以上。
ブラスギアはその重量もあり剛性感や巻き感がUPします。シマノベイトリールでもアンタレスやカルカッタのような、いわゆる巻心地を重視するリールにはブラスギアを、メタニウムやアルデバランには軽量なジュラルミンギアが搭載されてきました。
勘の良い読者の方ならご想像したと思います。『ははぁ〜ん。今回のメタニウム重たくなったな』と。

分解するとこんな感じです。

16メタニウムMGLの自重は175gでした。
20メタニウムの自重は全く同じ175gです。
ブラスギアに変更されましたがウェイトアップはなし。全く同じ感覚で使えて巻き心地だけUPしています。
『んなアホな』って話なんですが本当に開発者の方々の努力の結晶だと思います。

スタードラグのci4化。これで2.0g減量。(16メタニウムはアルミ合金製)

遠心ブレーキの当たるブレーキパイプを異素材とのハイブリッド化。これで1.6g減量。

もう涙が出るレベル。レベルワインドのウォームシャフトの樹脂化。0.8gの減量。

この他0.1g単位の細部の軽量化が成されてブラスギア変更による10g超の重量増を相殺しています。

ちなみに16メタニウムMGLに比べ若干小さくなっていますが、これはコアソリッドボディになることの剛性UPによる重量増と相殺。

ラインキャパシティは変わらず12lbー100mのシマノ70番スプール。
ギア比もノーマル(6.2:1)、HG(7.1:1)、XG(8.1:1)の三種類。

要約すると・・・
バンタムと同じ剛性感を有し(コアソリッドボディ)、
アンタレスと同じ飛距離、キャストフィールで(MGLⅢスプール)、
カルカッタと同じ巻き心地(ブラスギア)。
それでいて軽い。
という全部乗せなリールです。

初お披露目は今週末の釣りフェスティバル(横浜)!もちろん大阪ショーや名古屋キープキャストでも!
私も全会場居ますので触りながら何でも聞きにきて下さい。

誰よりも使っているアングラーの一人だと思うので何でも聞きにきて下さい!答えにくい質問でも大丈夫です(笑)

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