近年、ソルトからルアーフィッシングや釣り自体を始められる方が増えたり(私の周りだと約半数がソルトからスタート)、バスアングラーでも海のハイシーズンにはソルトルアーフィッシングを楽しんでいるなんて方がメチャクチャ増えました。
岸からの(ソルト)ショアフィッシングも非常に人気ですが、広い海が相手となるとオフショアフィッシング(船からの釣り)はバス以上に主流です。
各地に沢山の遊漁船があったり、知り合いがプレジャーボート持っていて乗せてもらうなんてパターンも多いと思います。
オフショアフィッシングというと、皆んなが最初にイメージするのは『ジギング』や『(GTやマグロの)キャスティングゲーム』だと思います。
ただやっぱりバスアングラーや、始めたての方がいきなり本格的なオフショアフィッシングをスタートするには高額なタックルも1から揃えなきゃだし、船酔いの不安、体力的な不安なんかが付き纏うのは事実だと思うんです。
乗り合いの遊漁船なら同船者に迷惑をかけないかも心配。
そこでボートから(オフショア)ではあるんだけど、比較的近海のロケーションで、更にはそこまで専門タックルが必要でないボートからの釣りを一昨年前くらいからシマノが『インショア』と呼ぶようになりました。
日本ではあまり聞き慣れない言葉ですが、北米ではかなり以前から馴染みのある言葉です。
具体的なターゲットはシーバスにチヌ(クロダイ)、食べて美味しいフラットフィッシュ(ヒラメ、マゴチ)に中小型青物です。
そこで本日はそういったソルトゲームの中でも、近海の海でシーバス、チヌ、青物あたりを狙う上で、バスフィッシングから何が転用出来て、何は買わざるを得ないかをリストアップしてみたいと思います。
何かのプロモーションでも何でもなく(笑)、ただただ私が年間何回も聞かれて都度、個別に答えるのが面倒なのでこのブログ記事をマスターデータにしたい作戦です(笑)
ちなみにですが、一年以内に『ソルトやってみたい』とか『海に連れて行って貰う予定がある』って方は、その直前に用意するのではなく『事前に。なんなら今』用意することをオススメします。
理由は様々あるんですが、ソルトタックルはその時に『手に入らない』が結構起きます。例えば『今年サワラが当たり年』みたいになると欲しい竿を在庫で探すのすら一苦労です。
なので本記事では『高いやつ』は基本オススメしません(笑)
『ここまで有れば近海インショアゲームのチヌ〜青物は全部出来る』ってとこまで書きますが、たぶん全部揃えても10万円未満です。もちろんロッド&リール合わせてね。
バスの高級タックル1セットより安く仕上げます。
まず、『バスプロが海のこと語るな』と言われないように(笑)私の来歴を書いておきます。
私自身、魚釣りの経験は30年ちょっとほどで、初めてブラックバスを釣り上げてから30年以上が経ちます。
餌釣りを含めた海釣りの経験はバスフィッシングより長く、自分の操船でソルトフィッシングを行うようになってから20年以上経ちます。
もちろんその間、ソルトフィッシングもバスフィッシングも休んだことはなく、途中何年かバスしかやっていなかったとかもありません。
製品の開発という意味でいくと、2012年に発売されたシルバーシャドー第二世代(メガバス)のボートシーバス用ロッドからスタートしており、こちらも休むことなくロッド、ルアーなど様々なアイテムの企画、開発をしてきました。
ご覧の方がどんなイメージでこのブログを読まれているか分かりませんが、バス関連のお仕事では『黒田って海もやるんだよね』と言われることがほとんどですが、地元では『黒田ってバスのトーナメントもやってるんだよね』と言われることの方が多いです。
○ステップ0 6.10ftスピニングロッド+2500番リール
ステップ方式で必要なものを優先順位順に書いていきたいと思うのですが、まずは『ステップ0(ゼロ)』としてバスアングラーの大半の人が持っているであろうタックルが何やかんやメチャクチャ使えます。
6.10ft前後のML〜Mアクションスピニングロッド
2500番スピニングリール
です。
6.10ftのMLアクションといえば古くはメガバスのF3-610XSに始まり、今のシマノバスロッドでここら辺がないシリーズはないし、ダイワさんでもキングボルトを始めとして『ほとんどの人が一本は持っているスピニングロッド』だと思います。
どれだけ古くても構いません。大差はないです(笑)
これに2500番スピニング。これは更に持っていない人は居ないはずで、持ってなかったらバスフィッシング出来てないくらいのはず。
『流用出来る』ってレベルではなく、バスロッドのここら辺は圧倒的に使いやすく、私の知り合いでシーバスをボートからメチャクチャ釣るアングラーはボートシーバスロッドではなく『バスロッドの7ft弱』を使っているアングラーはメチャクチャ多いです。
この組み合わせにPEの0.6〜1.0号くらい巻けば大半のインショアターゲットが狙えます。
0.6号→チヌメイン、シーバス小型プラグ
0.8号→シーバスメイン、ヒラメマゴチ、チヌサイズ狙い
1.0号→シーバスサイズ狙い、5キロまでの青物
って感じです。
もちろんソルト専用でもほとんど同じものがラインナップにはあってシマノであればS610Mってスペックで各ボートシーバスロッド、インショアロッドに必ずラインナップされています。他社さんも同じです。
ただ上記したように2610ML(シマノ)やF3-610XS(メガバス)があれば買う必要ないと思います(まずは)。シマノだとスコーピオンやシャウラシリーズだと2702って番手なんですがやはり非常に人気です。
何度もになりますが、古くても構いません。引っ張り出してきて下さい(笑)
○ステップ1 3000番スプール(3000番リール)
ステップ0は『ほとんどの人が持っている前提』で(だからゼロ)こっからが本番なんですが、ステップ1は『3000番スプール』です。
ただ普通の3000番スプールではなく『(ステップ0の2500番に取付け可能な)C3000番スプール』です。
『ソルトではバスより大きなリールが必要』は半分正解で半分不正解?だと私は思っていて、欲しいものは正確には『ラインキャパシティ』です。
多くの人がバスフィッシングに使う2500番スプール(厳密には2500S)にはPEラインが0.6号-180m、0.8号150m、1.0号-100mちょいくらいしか巻けません。
0.6号や0.8号ならまだ良いんですが、1.0号から上を使うのはちょっと現実的じゃないです。
なので『PE1.0号以上が心配なく負ける3000番スプール』が必要になってきます。
ちなみにC3000番は2号-200mのラインキャパなので(インショアゲームで2号が必要なターゲットは居ない)一切問題はありません。
チヌ、シーバスであれば0.6〜MAX1.0号で間違いなく事足りるのですが、青物(ブリ)やサワラクラスになるとやっぱり1.2号や時に1.5号を使いたくなります。
それ対策でこのC3000番スプールやC3000番リールが必要になります。逆に言えばラインキャパさえ確保出来れば6.10ftのバスロッドにこのリールで十分釣りが成立します。
皆んな専用リールじゃなきゃ釣り上がらないと思いがちなんですが魚は魚なので2500番で普通に釣り上がります。
ましてやステラやツインパワーなら巻き上げ時もハンドル重たくなりにくいから更に余裕だと思います。
C3000番スプールだけならストラディックで1万円弱、ステラでも1万円ちょいです。
リールごと買ってもストラディックC3000XGなら2万円ちょいです。バス用のパワーフィネスに流用しても良いしね。
○ステップ2 7ftオーバーのM〜MHアクションスピニング
次に必要なのが『バスロッドにはラインナップが無いくらいのロングロッド』です。
私の場合は7.3ftのM+アクションを愛用しています。
ステップ0で書いた6.10ftのML〜Mアクションスピニングロッドは具体的に20g未満、120mm以下くらいのルアーが扱えるMAX値です。
これ以上になると流石に背負うのがしんどいです。
ステップ1で書いたようにPE1.2号以上のラインキャパシティを確保しても今度は『それで投げたいルアーが背負えない問題』が発生します。
そこでワンランク長くて硬いロッドが必要になります。
それがここらへん。
この辺のスペックって基本的には『サワラキャスティング用』って銘打たれることが多いんですが、個人的には『インショア何でもヘビーバーサタイル』だと思っています。
130mmクラスのミノーや40gくらいまでのメタルジグ(ブレード含)、30gくらいのメタルバイブレーションなどなどです。
流石にここら辺はバスロッドでは扱えないんですよね。
良く『(バス用の)パワーフィネスロッドがあるからいけますか?』って聞かれるんですが、パワーフィネスロッドって凄い特殊なんですよね。
具体的には『(ソルトで使うには)バットが硬すぎる』で、6.10ftスピニングみたいに流用は難しいんですよね。
なのでここは『大人しく買う』がベストだと思います。
バスロッドだとシマノの場合、ゾディアス、エクスプライド、バンタムとラインナップがありますが、このインショア(ボートシーバス)ゲーム用も似たように3グレードあってムーンショット、ディアルーナ、インステージとなります。
もちろん全てに『S73M+』があって、ムーンショットでだいたい1.5万円ちょい、ディアルーナで2万円ちょい、インステージで3.5万円くらいです。
個人的にはムーンショットで十分だと思っていて(私が言うのは問題笑)、一番完成度(というかバランス)高いのがディアルーナ、一番個人的に良く使うのがインステージのS73M+です。
S73M+(他社の同様のロッドも)とかはサワラスペシャルとか青物ジャーキングスペシャルってイメージがメチャクチャ強いんですが(たぶんそれ系の雑誌やweb系にはそれしか書いてない)、実際には上記したように『インショア何でもヘビーバーサタイル』ってのが現場の認識です。
サワラを安定してキャッチ出来る性能を有しながら、ブリの10キロと戦える力も持っていて、シーバスのロングキャストや気合い入れたい時(笑)にも使えるユーティリティプレイヤー。
こいつか『ハイシーズンには最も手に入りにくい』のでご注意下さい。
○ステップ3 4000番台のスピニングリール
最後に『これがあればもう全部揃う』というのが4000番台のスピニングリールです。
ステップ1で『2500番ではラインキャパが足りないからC3000番が必要』と書いたので普通に考えると『もっと太い糸巻くの?』『もっと沢山巻くの?』と思われがちなんですが、ちょっと事情が違います。
欲しいのは『巻き取りスピード』と『ドラグ力』の二つです。
特に巻き取りスピードに関しては2500番ボディだとHGで(ハンドル一回転当たり)80cmちょい、XGで90cmちょいなんですが4000番ボディのXGだと100cmを超えます。
これがルアーの回収スピードはもちろん(ソルトはナブラ撃ちなどが特に多い)、ジャーキングした際のスラック回収に大きく影響するので、ブラックバスに比べて遥かに巻き取り量が釣果に影響します。
あとはロッドもS73M+くらいになるとある程度重たくなるので手元に自重が必要です。
こんだけ直径が違うとそりゃ巻き取りスピードも変わります。
ここらへんの機種は個人的にはストラディックがマジでオススメです。
バスやその他でステラやヴァンキッシュを所有している方、使っている方の中には正直ストラディックを買ってもあまりドキドキワクワクしないかもしれないかもしれないんですが、コストを考えた時のこのストラディックの破壊力は計り知れません。
使って魚を釣っていくうちに『こいつメチャクチャ仕事するやんけ』となること間違いありません。
バスアングラーで4000番とか5000番のスピニングリールに興味ある人って皆無だと思うんですが、買った一年後に『10万円のあのリールより2万円そこそこのこのリールの方が遥かに釣ってる(汗)』みたいなことが起きるはずです。
私激推しのストラディックなら2.5万円くらいです。
既にお持ちの2500番には0.6号or0.8号を巻いてチヌ、シーバス。
C3000番スペアスプールには1.0号を巻いてシーバス&フラット&小型青物。
4000番には1.2号or1.5号を巻いて青物用に。
スーパー欲を言えばC5000番スプール(4000番ボディに入る)を用意して4000番リールの予備にします(PE1.5号を巻く)。
さてステップ0からステップ3まで4ステップで書いてきました。
バスアングラーの方にはステップ0を前提条件にして、ステップ1で1万円、ステップ2で(ディアルーナとして)2.5万円、ステップ3で(ストラディックとして)2.5万円で、合計6万円ほどです。
チヌ、シーバス、ヒラメ、コチ、サワラ、ブリ、カツオくらいまで地域によって狙えます。真鯛が普通にこのタックルで狙える地域も沢山あります。
たぶんこれだけで3シーズンは遊び尽くせるはず。
なかなかソルトタックルって買う気にならないと思うし、何買えば良いかすら分からないと思うんですが、これだけあればインショア中心であれば『釣りにならない』ってことはないと私が保証します。
皆さんちょっと財布の紐が緩みがちなタイミングだと思うんですね(笑)
来年行くかもしれない、行ってみたいと思ってる、今年誘われたけど断った。みたいな方には是非。と思って書きました。
明日や今週末行くわけではない釣りの道具にお金を使うってなかなか憚れるかもしれませんが、MAX6万円でだいたい出来るだけ揃うなら『とりあえず買っとけ』で一つづつ(一気にでも)暇な時に買っておくのは本当にオススメです。
もちろん専門家の方々には『もっとコレ必要だろ!』的にチヌのショートバイト取るには!とか、シーバスをバラさないように!とか、あるとは思うんですが、そこはもちろん私も重々承知した上で、まずはこれだけあれば!なリストです。
やってみてハマる人は何も言わなくてもハマるだろうし、私のようにバスと両方って最も重症?な方もいらっしゃると思うので(笑)、『こんなもん揃えたら釣りになるんか』くらいで知って貰えたらと思います。
好評だったらルアーバージョンをやるかもしれません(笑)