先月14日の夜中にシマノ新製品情報をいち早くUPして私のブログサーバーはパンクしたんですが(笑)、あの日お昼過ぎまでまだ12日だと思っていて(実際は13日でした)、映像の編集もブログの執筆もスーパー必死にやりました(笑)
ブログ記事としては20メタニウム→20ゾディアス→20ツインパワーの順に書いて、最後20ツインパワーはほぼやっつけで記事を書いていました(汗)確か書き終わったの23:50(汗)
この記事に関してはスーパー急いで書いたので20メタニウムや20ゾディアスに比べて圧倒的に文章量が少ないです(汗)
リアルなとこの比較なんかは後日、補足しようと思っていて今日になりました。ごめんなさい。
秦プロのこの動画の影響力もあって『ステラにそんなに近いんですか?』と聞かれることもしばしば。
今日はそんな20ツインパワーをちょっと深掘りしてみたいと思います。
まず。シマノスピニングリールのラインナップを知らない方用の基本情報です。
シマノスピニングリールには少し重たいけど堅牢で重厚な巻き心地だよっていうコアソリッドシリーズと、それに比べると軽いけどちょっと剛性落ちて軽い巻きだしだよっていうクイックレスポンスシリーズの二種類があります。
コアソリッドシリーズのハイエンドは有名なステラ、クイックレスポンスシリーズのハイエンドはヴァンキッシュです。
今日解説するツインパワーはコアソリッドシリーズの二番手。つまりステラの一つ下に位置するグレードのリールです。
歴史だけを見ればステラよりも古くからラインナップされているツインパワー。ステラ歴20年以上の私ですが、最後にツインパワーを使用したのは恐らく2005年くらいまで。初代ツインパワーMgが最後です。
おそらく12年やっている私のブログにツインパワーは出てきたことは無いはずです。
逆に言えば今回の20ツインパワーはそれだけ特別だということでもあります。さて何が特別か。
それは動画でも語っている通りほぼステラに性能面で肉薄したということ。
動画では結果的に全員が正解したけれど、これはグリスが馴染んでいない20ツインパワーと、馴染んでいる18ステラを比べているという部分も大きくて両方が同じ馴染み具合であれば正解率は一気に下がると思います。
そんな中、ショーを始め聞かれる質問の中で非常に多かったのが2017年に発売されたツインパワーXDとの比較。XDはおそらく『エクストラデューティー』の略なので、その名前のイメージから『17ツインパワーXDの方が剛性や耐久性は上でしょ?』って質問が非常に多かったです。
結論だけを言うと、耐久性はほとんど変わらず。剛性は比較にならないくらい20ツインパワーが上です。はっきり言ってほとんどの場面(対象魚、使用環境)において20ツインパワーは17ツインパワーXD殺しです。パーツ素材の構成や使用箇所を理解せずにXDって名前に踊らされてる人が多過ぎる。
ちなみに私は17ツインパワーXDは持っていません(必要無かったから)。20ツインパワーは複数台オーダーしました。15年ぶりにツインパワーを使います。
さてでは何故20ツインパワーは17ツインパワーXD殺しなのかを紐解いていきましょう。
※誤解のないようにですが、17ツインパワーXDも非常に良いリールです。ただ20ツインパワーが様々な面で優れていて、それはステラすらも脅やかすくらいだというだけです。
まずボディ構成です。
比較し易いように20ツインパワーと17ツインパワーXDに、18ステラと19ヴァンキッシュも加えてお話します。
加えて設計思想について。
素材が同一であっても17ツインパワーXDの基本設計は2014年のもの(14ステラベース)で、20ツインパワー、19ヴァンキッシュ、18ステラは2018年(18ステラ)のものです。
つまり根本として17ツインパワーXDだけ一世代前の設計です。基本的には同じ構成であれば2018年以降のものの方が優れています。
◯メインフレーム
20ツインパワー アルミ合金
17ツインパワーXD アルミ合金
18ステラ マグネシウム合金
19ヴァンキッシュ マグネシウム合金
まず分かり易いように全て金属素材で構成されています。
ステラ、ヴァンキッシュはコスト度返しでマグネシウム合金を、17ツインパワーXDと20ツインパワーにはアルミ合金が使用されています。マグネとアルミではかなり重量差があります。
20ツインパワーにはボディにci4+という強化樹脂を使用していると書かれているため、この人間が触ったり、テコの原理で一番負荷がかかるであろうフレーム部をci4+化したと勘違いしてる人が非常に多いのですが間違いです。この部分は17ツインパワーXDと同一にアルミ合金製。つまり設計思想が進んでいれば20ツインパワーの方が優れている(高剛性)ということになります。
◯ボディ
20ツインパワー ci4+(強化樹脂)
17ツインパワーXD アルミ合金
18ステラ マグネシウム合金
19ヴァンキッシュ ci4+(強化樹脂)
さて問題のボディ。ギアをメインフレームと包み込んでいる部分です。
もし私もこれが初めてci4+製ボディの使用であればちょっと躊躇しました。大丈夫かなぁ?って。
ただ昨年、一年間かなりの頻度で19ヴァンキッシュを使っていて、人生で初めてステラよりも他のリールの使用頻度が上回りました。正直、一年前までは私もci4+ボディの耐久性や剛性感には懐疑的だったんですよね。
ただ19ヴァンキッシュを使い込んで改めてその『金属素材でなければ剛性は低い』というのは誤認だと感じています。
逆に言えばメインフレームまでci4+化されていたらどうかは分からないです。だからこそこの20ツインパワーの組み合わせ(アルミフレーム、ci4+ボディ)はコスパ最強の組み合わせだと思います。
加えてメインフレームもボディも17ツインパワーXDと20ツインパワーで形状や大きさが違いますよね。それくらい一世代の進化は大きいです。特に14→18の進化は7→10→14までの変化より大きかった。私自身、18ステラ出るまで普通に07ステラ使ってましたからね。
◯ローター
20ツインパワー アルミ合金
17ツインパワーXD ci4+(強化樹脂)
18ステラ アルミ合金(1000番ボディのみマグネシウム合金)
19ヴァンキッシュ ci4+(強化樹脂)
さてこのローター素材こそが私が17ツインパワーXDよりも20ツインパワーが優れているとしている最大の理由。(→正解には素材と形状の組み合わせですね。訂正いたします。)
え?ローターってそんな大切?
って思う方も多いと思うんですが、釣り人が感じている巻き心地や、魚とのファイト中の剛性感はほぼここで感じていると言っても過言ではありません。
個人的にはボディやメインフレームなんかより遥かに大切な部分。
今回の20ツインパワーのローターは18ステラと同じものが採用されています。互換性があるとかではなく『全く同じもの』です。どうせ発売されたら分かるんだから書いちゃって良いでしょ(笑)
三年前にこのローター剛性がいかに大切かを書いたブログ内容です。
冒頭で書いた通り私はずっとステラを使ってきました。バスのモノフィララインではヴァンキッシュも使ってきましたが、PE使用やソルトは必ずステラ。それを19ヴァンキッシュの登場によりローター素材はそれまでのci4+から変わらずでしたが形状が秀逸でこのローターの変形を一切感じなくなったので初めてソルトでも19ヴァンキッシュがメインになりました。
17ツインパワーXDはローターがci4+な上に設計自体は2014年のものです。つまり14ヴァンキッシュと同じものがついています。もっと分かりやすく言えばこの一番大切なパーツが16ストラディックci4+と同一ということです。
20ツインパワーは先程も書いたように18ステラと同一です。
私が20ツインパワーは17ツインパワーXD殺しだと言った最大の理由はここです。
私が実釣性能で20ツインパワーよりも17ツインパワーXDのほうが優れていると思える状況は『スーパーシビアに潮流や流れの変化をリールの巻き抵抗だけで感じ取りたい(17ツインパワーXDはローターが軽いから巻き感も軽い)場合』くらいです。ただこの場合では剛性面でもアップデートされている19ヴァンキッシュが上回ることになります。(ヴァンキッシュもローターは軽く、剛性は形状的にツインパワーXDよりも高い)
現状、残念なことに20ツインパワーの登場で17ツインパワーXDの方が優位な場面は極々限られた上に、その場面ではより優れた19ヴァンキッシュがいるということです。
17ツインパワーXDはシマノの現行ラインナップです。もちろん今年も販売されるリールです。
これを書いてもシマノはあんまり得しないから怒られそうなんですが(笑)個人的に感じている実情を書いてみました。
そして20ツインパワーはパワーバランスを壊し過ぎで、動画内で語られているように18ステラと大差がない部分が一番の問題なんですよね。
個人的にはツインパワーXDを殺してるだけとかじゃないんだよなぁ(汗)