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  1. タックルの『いろは』

20 SLX DCよりも19 SLXをオススメする理由

昨年、国内発売されたシマノのSLXというベイトリールのシリーズ。
実売1万円代半ばですがキャストフィールは16メタニウムMGLを凌ぐと思います。ただボディには一部、樹脂パーツも使用されているので巻き心地や巻きの耐久性(初期フィーリングの維持の意)という意味では上位機種には劣りますが、はっきり言って釣果差が出るほどではなく、上級者でもこれで十分という方がほとんどだと思われる非常にコスパの高いリールです。

私も7ft超の打ち物系ロッドにはSLXを組み合わせています。

以前もベイトリールの使い分けで書きましたが、190gという自重が絶妙で、メインリールであるメタニウム(175g)ではバランス的に軽すぎるようなロッド、具体的には7ft超のMH以上との相性が個人的には抜群なリールが19SLXの立ち位置でした。

そして今年。そんなSLXにDCモデルが追加されました。
既に北米で先行販売されていたので期待していた方も非常に多いはずです。

19SLXと20SLX DC。

この20SLX DCですが、シマノ史上最も安価なDCブレーキ搭載ベイトリール。2万円ちょっとで買うことができます。19SLX同様、物凄いコスパの良いリールだと思います。
私自身、一台シマノ社からご提供頂いて年明けより使用していましたが、おそらく使用頻度は非常に少ないリールになると思います。一言で言うと私はあまりオススメしません。

理由は様々あるのですが、まず一つはスプール径にあります。
19SLXは32mm径×23mm幅というオリジナルのスプールが採用されています。32mm径は本来アルデバランに使われるような少し小さなスプール径で、それに23mmという幅をもたせてラインキャパを確保していました。
スプール径が小さい(細い)ので1ozルアーのフルキャストには向きませんでしたが、ソフトベイトの中近距離キャストや1/2ozクラスまでの多くのルアーのフルキャストでは34mmスプール採用の16メタニウムを超えていると思います。ある意味、32mm径スプールの一つの完成形だと思っています。
一方、20SLX DCは34mm径×22mm幅という19SLXよりも2mm大きなスプールが採用されています。
34mm径スプールはシマノのスタンダードスプール径で19アンタレスや18バンタム、過去のメタニウムシリーズ全てに採用されている伝統的なものです。
19SLXは32mm径というレスポンスの良い、ある意味チートに近いセッティングでメタニウムやバンタムのキャストフィールを凌駕していたのですが、これを34mmにしてしまえばキャストフィールにおいて上位機種であるアンタレスやメタニウムに敵うのは難しくなります。
もちろん20SLXはDCブレーキ採用のため対トラブルという意味ではアドバンテージがありますが、34mm径スプールに比べ32mm径スプールはそもそもトラブルが少ないので、どちらが優れているかの判断は難しいと思います。

加えてそのサイズ感と重量。

二つ目はそのサイズと自重です。
34mm径スプール搭載ということは当然、32mm径スプール搭載の19SLXよりボディは大きく、自重も重たくなります。
19SLXの自重は190g、20SLX DCは210gです。その差20g。
この差をどう考えるか。210gはどうか。という話でいくと人それぞれだと思うのですが、個人的には7ftまでのロッドにはメタニウム(175g)、7ft超のロッドにはSLX(190g)という使い分けでソフトベイトの釣り(竿先を上に構える釣り)には不満のない私は210gのリールの出番は非常に少ないです。
加えてハードベイトの釣り(竿先を下に構える釣り)では220g前後は非常に使い道があるのですが、そこにはシマノ伝統の34mm径スプールのリールの数々が既にラインナップされています。私の場合はアンタレスやバンタムMGLがそれにあたります。

20SLX DC自体は非常に良いリールだと思います。良く飛ぶし、トラブル少ないし、適度に軽くも重くもなく。
ただ自分の中ではなかなかに使い道が難しいことと、20SLX DCを買おうか悩んでいる人が居たら19SLXをオススメしてしまうと思います。
逆に言えばそれくらい19SLXが良いリールってことでもあります。

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