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  1. タックルの『いろは』

Availアベイル アルミ音出しラチェット

今日は珍しくリール『パーツ』のご紹介です。

Avail社の新製品『アルミ音出しラチェット』

確か2022年6月だったと記憶しているのですが、アベイル社社長からお電話を頂き『今度01カルカッタコンクエスト50/51用にハイスピードギアを出そうか検討しているんだけどカルコン(リール)マニアの黒田くん的には欲しいと思う?需要あると思う?』というマニアックなご相談を受けました(笑)20年以上前のリールのカスタムパーツの相談(笑)
需要は分からないけど『私は欲しい!』とお答えしました(笑)結果翌年2023年に同製品はリリースされ、今やプレ値です(汗)

話を戻して。
その時の世間話で『この前の試合のファイト動画見たんだけどドラグの音が19ヴァンキッシュじゃなかった。何か変えてるの?』と質問をされました。
凄い!そのファイト動画を何人が見たかは知らないけど気づいたのは3人だけ。その内の一人がアベイルの社長でした。

自作ラチェットに交換している旨を伝えたら(複数作るのが大変)、『図面くれたらウチで削ってあげるわ』となりました。

この2年間、社長の趣味で私専用に色々作ってくれました。

『ラチェットって何?』って方が大半だと思うので補足説明をしますと『ドラグが出た際にチリチリ鳴るアレ』です。
厳密には『その音を鳴らすためのパーツ』となります。

18ステラだとコレです。

私が長年愛用しているシマノリールは長年このパーツの山数が24山でした。今現在もそうで、それは20年以上変わりません。
実は私自身、ここを36山(純正の1.5倍ですね)にしたものを自作して使ったりしていたのですが、その音が鳴るピッチと音質の違いをファイト動画から気付いたんだと思います。凄い。

せっかく作って貰えるならと、40山に増やしたものを作って貰ったり、アルマイトの色で音色は変わるのかな?と夏休みの自由研究さながらに(笑)Avail社に作って貰って試していました。ただ素直に楽しかった(笑)

左から純正(24山)、アベイル製24山、同36山、同40山。

私は白アルマイト(シルバー)の40山がお気に入りで複数作って貰って換装して使っていました。
『これ換装すると何の意味があるの?』
と思うかもしれませんが、意外に恩恵は大きいんです。

純正は24山ということはスプールが一回転すると『チリッ』とか『カリッ』って音が24回鳴るということです。
角度にすると15度に一回音が鳴ります。
一方、40山にするとスプール一回転当たり40回音が鳴ります。角度にすると9度に一回です。

さて皆さん、魚がどれくらいの勢いで走っているか、今のドラグが強いor弱いか、そもそもドラグが出ているか、って何で判断していますか?
竿の曲がり方ですか?実際のラインの放出スピードですか?
私は多くの人が『ドラグ音』に頼っていると思うんですね。私もそう。
正確には『音が鳴るピッチ』ですね。
例えば『ジッジッ』くらいでしかドラグ音が鳴らなければ魚は対して大きくないか、ドラグを締め過ぎていると反射的に脳は判断するし、逆に『ジージー』と鳴り止まなければ魚が大きいか、ドラグが緩いと判断すると思います。
船際や足元でのダッシュもドラグ音がそれまでよりも鳴り響いて気付いたりもする訳です。
当然ですが24山よりも40山の方が情報量が多く、魚が走り出した瞬間(音が早くなる)、逆に浮き出した瞬間(音が遅くなる)が早くわかりやすくなります。
私はそれをしたくてパーツを自作していました。

左がAvail音出しラチェット、右が純正。山数の違いが分かるかと思います。

私は自分が使う10台分くらいをアベイル社から作って貰っていたので気分ホクホク満足していたんですが(壊れるようなパーツでもないし)、今春アベイルさんから『黒田くんせっかく時間掛けて作ったし型落ちモデル用(2007〜2017年のシマノリール用)売るからね』となりました。
それが今回の製品です。

と、同時にこのラチェットの欠点も先に書いておきます(笑)
自身のスポンサーメーカーだったらこんな胸張っては出来ないけど今回は関係ないからガンガンいきます(笑)
最大の欠点は『一台だけ替えるとパニックになること』です。
これはいかにファイト時にドラグ音を頼りにやり取りをしているかを逆説的に証明することになるんですが、一台だけ替えてしまうと『何が正常なのか』が分からず、どれくらい魚が走っているのか、ラインが出てるのかが全く分からなくなります。
替えるなら全部替えなきゃ無理だし、替えないなら全部替えない方が良いです。一台お試しで換装するなら全部替えることを覚悟して換装して下さい。
私は生産数とか教えて貰っていないのでご注意下さい(汗)

これは私が長年愛用する09セフィアに取り付けたもの。

あと注意点としては2007年から2017年のシマノリール(C2500、2000、2500、C3000番)にしか換装できません。つまり18ステラ以降は無理です。
『じゃあ現行リールメインの黒田使ってねーじゃん』となるんですが、ここのパーツ設計自体は18ステラ以降も一緒なんですが、パーツ構成が違うんですよね(汗)
※交換手順や適合機種はアベイルさんのHPしっかり見てね!!

左が18ステラ以降。右が2007〜2017年のシマノリールの同箇所。

2017年までは3個のパーツで組み上げられていました。2018年以降はアッセンブリーパーツに。

パーツNo.103PC スプール受ケ
パーツNo.107V3 ラチェットバネ
どちらも150円。

を購入すれば18ステラ以降にも取り付け可能です。
※これに関しては自己責任でやってね。アベイル社も推奨してません。

質感もメチャクチャ変わるので本当に一度試してみて欲しいです。メチャ高級感も増す。

型落ちスピニングリールのパーツを私の自己満足の趣味に付き合って作ってくれていたアベイルさんには本当に感謝です。
同時にちょっとでも売上に貢献できましたら幸いです。

個人的には現行にそのまま着くやつとか、1000番(C2000)にも取り付けられるやつも欲しいです(願)

記念に5個製品版送ってくれたから大切に取っておきます(笑)

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