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  1. ルアーの『いろは』

KANATA(カナタ)ができるまで。

やっとこさ発売されそうな愛情を一心に受けて育まれたカナタ(笑)
生まれた理由から、今までのプロトを一挙公開しようと思います。
まずなんでこんな大きい(160mm)ミノーが欲しいなぁと思ったかといいますと、アイスライドを作っていた頃に遡ります。
テストとか取材でアイスライドを使うことが異常に多かった2014年。使っていて思ったのはこのサイズのルアーがもしスピードを得たらどうなるのだろうかと。
S字系はもちろん瞬発的に動かすことも可能だけど、連続でスピードを作り出そうとするとどうしても水面に出てきてしまうし、タックル的にも絶対にきつい。
じゃあそれをジャークベイトでやるとどうなるだろうと・・・思ったのが確か2014年の年末。
そこからこっそりデーターを作ってもらって2015年の春に使っていたのがまずは180mmと160mm。動画でも紹介したやつ。

※上が製品。下が160mm、180mm。

参考にするルアーも当然ないのでとりあえず作ったデーターは普通にワンテンの縦横比率をベースに、下方向へのフラッシングを強めるために逆三角形に。

※左からワンテン、製品、160mm、180mm
絶対に110mm、130mmクラスのミノー&ジャークベイトよりアクションレスポンスは悪くなるだろうと、少ないピッチでよりフラッシングを強めるために逆三角形にしたことが仇となり出来上がった上部極厚ボディは180mmで55g、160mm45gという当初の狙いであった『ビッグベイトでは出せないスピード』を出せるはずもなく・・・というかビッグベイトじゃん!(笑)
で、当然ボツ。
180mmで1ozクラスはとても実現不可能だと感じ、160mmだけで進めていくことに。これが去年の春~6月くらい。(去年の春に五十嵐艇にて河口湖で投げた時には爆笑されましたが・・・)

そこでちょっとずつ細くしていきます。簡単に見えますがデーター作り直し→切削→内部ウェイト計算し直し・・・のためかなりこの作業時間がかかります。薄さだけで作り直すこと7回。

当然、ボディの厚さだけ薄くしていっても意味がないので同時進行でリップの形状、角度、位置も調整。つまり『ボディの厚さ(形状)×リップ』分だけプロトを作成することになります。
この時は正直、他の110mmや130mmのボディなんて見ていません。
良いな!と思える使用感のプロトを測ったらワンテンより全然薄いボディになっていました・・・

当然ですが先ほどの『ボディの厚さ(形状)×リップ』に加えて『内部構造』が掛け算で加わります。
固定重心(専用ウェイト)、固定重心(球ウェイト)、重心移動、色々と試しました。
ちなみにこのサイズになると固定重心だとアクションレスポンス桁違いに良くなります(泳ぎ出しが良い)。一方、固定重心はこのサイズだと飛行姿勢は終わってます・・・
当然、重心移動の方がダートはし易いです。ただ重心移動は泳ぎ出しとスローリトリーブが激弱です。
専用ウェイトでボディ下部に徹底的にウェイトを集中させているのはロールさせたいため。普通に作れば110mmクラスに比べると圧倒的にピッチは遅くなるので、少しでもと思い試行錯誤。

昨年末に毎日のように実釣テストをして、映像を撮った時のモデル。この時はまだ重心移動と固定重心と2タイプありました。
そして重量があるため、フィールドによってはリップが普通のジャークベイト以上にボキボキ・・・泣けてくる・・・

※強度UPのための試行錯誤・・・
当然、強度を上げるために基盤リップは試しました。当然ピッチは速くなるもののアクションは
弱くなってフラッシングしない・・・
で辿り着いたのが、今の形状です。

正直、こんな開発秘話?はどうでも良い部分でもあります(笑)
実際に使って釣れるルアーが良いルアーです。そういった意味ではこれからがカナタの実際の評価がされる時間です。
ただ2014年末にイーラを作り終えてから、昨年nada.でどたばたしながらの中で完成したルアーなので何か異常に気持ちのこもっているミノーです(笑)
考えられる全てを作って、試したジャークベイトです。よろしければ使ってみてください。

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